文字の大きさを変更する機能は、スタイルシートが無効なため使用できません。
宮津市養老から天橋立地先
顕花植物であるアマモ類で構成されるアマモ場も海藻類の藻場と同様に魚介類の生育場や産卵場として利用されており、どちらもともに重要です。
丹後半島の南東岸には約30haもの広いアマモ場があるという情報がありましたが、沿岸を走る国道178号線からは、アマモ場があるようには見えず不思議に思っていました。そこで、実際に潜水して調べてみるとその理由がわかりました。この地点のアマモ場は、水深3〜4mより深い地点に広がっていたため、水面上からは見えなかったのです。そして、この地点のアマモ場は京都府沿岸では最も広い藻場であることが確かめられました。
アマモ類の生育は光によって制限されるために、舞鶴湾や宮津湾では水深2〜3mまでの浅い場所にアマモ場が形成されます。しかし、透明度の高い丹後半島南東岸では水深6〜8mぐらいまでアマモ場ができていました。 アマモ場を構成する種は、アマモとスゲアマモでした。スゲアマモは田んぼのイネの束のようになっているのに対して、アマモは葉状部が1本ずつバラバラになっているので区別が付きます。アマモのほうが広く分布していましたが、ところによってはスゲアマモしか分布していない地点も見られました。また、小さな葉っぱを砂上に出すウミヒルモもアマモの陰やアマモの分布下限水深帯において多くみられました。
図1 丹後半島南東岸および栗田半島におけるアマモ場の分布(主に、2006年8月4日調査、宮津湾では04年12月に調査した)
図2,3 イネのように束になっているスゲアマモ(写真左:日置港沖)と葉状部が1本ずつバラバラになっているアマモ(写真右:波見港内)(2006年8月4日調査)
図3 スゲアマモだけからなるアマモ場(黒崎西:2006年8月4日調査)
図4 アマモの下草として生えるウミヒルモ(長江と波見の中間:2006年8月4日調査)
Copyright (C) Kyoto Prefecture. All Rights Reserved.