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京都府に広がる藻場 伊根町蒲入

場所

伊根町蒲入ヤベタ地先

みられる海藻

クロメ藻場の造成

伊根町の海岸の大部分は日本海の荒波を直接受けるため、かなり大きい基質以外は転倒し、藻場ができにくい場所となっています。蒲入ヤベタ沖の水深3〜4m地点もそのような場所で、有節や無節サンゴモが優占し、大型褐藻類が繁茂していませんでした(写真1)。そこで、2003年10月に自然石を投入し、波を弱くするために高さ2m以上もある溝つきテトラブロックを自然石の沖側に1列配置しました。また、クロメとアラメの遊走子液を散布し、スポアバックを取り付けました。
 翌年3月には、投入した自然石やテトラブロックにクロメ幼体やアオサやクロモが、たくさん着生していました(写真2、3)。アオサはアワビやサザエのよい餌となりますし、クロモは2005年から京都府で漁獲されはじめた食用海藻です。
 2005年1月には、前年の春に幼胚が着定したフシスジモクやジョロモクなどのホンダワラ類が見られるようになり(写真4)、クロメも側葉を出す程までに生長しました(写真5)。他には、ミルや無節サンゴモが見られました(写真6)。また、溝つきブロックの溝にはサザエが棲みついていました(写真7)。
 2005年4月にはこれまで蒲入地先には生育していなかったアラメが1個体確認されました(写真8)。京都府ではアラメは丹後町竹野漁港でしか確認されておらず、この地点がアラメの日本海側の分布北限でした。蒲入のアラメは、海洋センターが散布した遊走子液かスポアバック由来と考えられます。今後この個体が成熟しアラメの個体数が増えていくかどうか、注目されます。


写真1 天然石の有節・無節サンゴモ (2004年3月25日撮影)

  
写真2 クロメ幼体とアオサ (2004年4月26日撮影)
写真3 テトラブロックのクロモやアオサ(2004年3月25日撮影)

  
写真4,5 側葉を出したクロメ(左)とフシスジモク(右) (2005年1月19日撮影)

  
写真6,7 投入した自然石上のミル(左)と溝つきテトラに棲みつくサザエ(右) (2005年1月19日撮影)


アラメ(中央部の1個体、周囲のものはクロメ)(2005年4月14日撮影)


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