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サケ
春4月は、サケにとって、一生のうちで最初に経験しなければならない試練の時です。丹後の海に注ぐ大河、由良川で生まれたサケの稚魚たちが群を作ってアラスカ湾やアリューシャン列島周辺の北洋への長い長い旅立ちなのです。
稚魚たちは3〜4年後、再びこの由良川を目指して、北洋から南下の長旅をしなければならないことを知っているのでしょうか。
秋10月上中旬以降、府下沿岸には大きく成長したサケが戻ってきます。10月下旬から11月上旬には、産卵場所を求めて由良川を遡上していきます。上流の産卵場所で産卵を終えると、長旅に彩られたサケの一生は幕を閉じるのです。
沿岸で漁獲されたサケは、殆ど捨てるところがないほど、食材として利用できます。
京都府立海洋センター 主任研究員 中津川俊雄
京都新聞掲載
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