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丹後の海の生き物

ワカメ
春を告げる海藻

ワカメ

 ワカメは春のおとずれを知らせてくれる海藻といえます。丹後の海では2〜3月に小船でのワカメ刈りが始まります。新鮮なワカメを採りたての筍(たけのこ)と炊いた若竹煮が楽しみな季節でもあります。
 ワカメの寿命は一年で、その大きさや形は季節とともに大きく変わります。春の終わりごろから、成熟したワカメのメカブから小さな胞子が海中に放出されます。この胞子が発芽して、夏の暑いときは、海底で1ミリ以下の大きさで仮眠しています。秋を過ぎて海水が冷たくなると急激に成長するので、年明けすぎには海中でゆらめくワカメが見られます。
 刈られたワカメは日持ちさせるため、乾燥品や塩蔵品にします。漁家の庭先でワカメを天日干しする風景は丹後の春の風物詩です。薄く葉の形をしたところだけでなく、茎やメカブもおいしく、これらに含まれる成分は、脳卒中防止の長寿薬にもなります。

 京都府立海洋センター 技 師 八谷光介
 京都新聞掲載
   


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