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コウノトリ目 コウノトリ科

コウノトリ

Ciconia boyciana
京都府カテゴリー

絶滅危惧種 新規

2002年版 リスト外
環境省カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類(CR)
コウノトリ(絶滅危惧種)  撮影:河合恵美子

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選定理由

兵庫県豊岡市における個体群復元事業により、隣接する京丹後市でも少数個体が周辺生息するようになり2012年に営巣を開始し、極めて少数の繁殖個体群なので絶滅危惧種となった。

形態

全長112cm。翼開長200cm。太くて長い嘴を持った大きな水辺の鳥である。体は白くて風切羽は黒い。内側初列風切の外弁と次列風切の外弁は不規則に銀灰色。目のまわりは赤い。嘴は黒く、足は淡紅色。

◎近似種との区別 アオサギは小さくて体や翼が青灰色、足は黄色。首を縮めて飛ぶ。タンチョウは頭部に赤や黒があり、嘴が比較的細くて短く、黄緑色。

分布

分布域は東アジアに限られる。また、総数も推定2,000~3,000羽と少なく、絶滅の危機にある。中国東北部地域やアムール、ウスリー地方で繁殖し、中国南部で越冬する。渡りの途中に少数が日本を通過することもある。かつて兵庫県や福井県で繁殖していた。1930年代には兵庫県豊岡盆地で約60羽が生息していたが、個体数が急減し1971年に野外繁殖個体群はなくなった。2005年にロシア産コウノトリを飼育、繁殖させた個体を5羽はじめて放鳥し、2010年には23羽が豊岡盆地に生息するまでになった。その頃より隣接する京都府京丹後市にも周年生息するようになった。

◎府内の分布区域 北部、京丹後市。

生態的特性

河川、湿原、水田などの浅い水域や湿地で、ゆっくりと歩きながら魚や両生類などの水生動物を採るが、乾いた草地でバッタを主とする昆虫類やネズミなどの小哺乳類を捕らえることもある。湿地に面した大木の樹上に巣をつくり、2~6個の卵を産む。抱卵期間は32~35日、育雛期間は55~70日で、1巣から6羽の雛が巣立つこともある。コミュニケーションの手段としては音声のかわりにビル・クラッタリングを発達させており、求愛の際には頭をそり返してこれを行う。

生息地の現状

兵庫県では、コウノトリの野生復帰事業が本格化し、生息環境の整備(コウノトリの餌が多く発生する生物多様性に配慮した水田耕作、浅瀬などを増やす河川敷整備、越冬期の人工的給餌など)が進んだ2000年以降、大陸渡来のコウノトリも長期間定着するようになり、放鳥個体が人工巣塔を利用して繁殖に成功するようになった。京都府京丹後市では、電柱に営巣を試みるコウノトリのために、人工巣を複数設置し、京丹後市久美浜町の巣塔での営巣に成功した。2013年にはオス個体が農業用の網にかかって死亡したため5羽の雛を豊岡市コウノトリ郷公園で一時保護してもらい、その後同町で解放された。

生存に対する脅威

営巣過程においてさまざまな危険がある。越冬期の採食環境の確保も重要である。

必要な保全対策

営巣過程の監視保護活動や採食環境の保全が必要である。

改訂の理由

2004年10月より中国で営巣した個体(装着足環による)が亀岡市で半年近く滞在していたこともあるが迷行種扱いであった。しかし、定着して繁殖を開始したため。

関係法令

文化財保護法(特別天然記念物「地域定めず」)
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(国内希少野生動植物種)

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