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鞘翅(コウチュウ)目 コツブゲンゴロウ科

ムカシゲンゴロウ

Phreatodytes relictus S. Ueno, 1957
京都府カテゴリー

絶滅寸前種

2002年版 絶滅寸前種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー 情報不足(DD)
ムカシゲンゴロウ

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選定理由

原始的できわめて小型の地下水生甲虫。ムカシゲンゴロウ科は日本固有であり、1957年の記載以来長らく本種が知られるのみであった。近年、主に1960年以前の古い標本を基に数種の近縁の新種が記載されたが、いずれの産地でも上水道の普及にともなって採集が困難になっている。京都府においても1960年代以降は再確認されていない。地下水生のゲンゴロウ類は、世界中でも20種ほどしか知られておらず、学術上きわめて貴重である。

形態

原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)(保育社 1985)PL. 33、No. 9、図説日本のゲンゴロウ(環境科学(株) 1993)No. 1を参照。体長1.1~1.2mm、幅0.5mm。体は淡黄褐色で半透明。複眼と後翅は消失している。上翅の両側後半に深い縦溝を有することにより、ゲンゴロウ科と区別される。前胸背板と上翅の側縁には、長い感覚毛を備える。肢は細く、ゲンゴロウ類に見られる遊泳毛を欠く。近縁の他の種類とは、体型やオス交尾器の違いにより区別される。

分布

京都府、兵庫県(姫路市、相生市、太子町)から記録がある。また、1996年に同属の5新種が、岐阜県、高知県、愛媛県、宮崎県から記載された。

◎府内の分布区域 京都市右京区嵯峨、左京区下賀茂、北区小山。

生態的特性

地下水中に生息し、ほとんど泳ぐことはなく、水中の石の表面などをゆっくりと歩くのみ。くみ上げられた井戸水の中からまれに発見されるが、本来は深い地下の間隙水に生息するものであろう。

生息地の現状

嵯峨天竜寺では1950年代に、境内にあった深さ約8.5mの手押しポンプ式の井戸から多数得られたが、その後は報告されていない。現在ではその井戸は存在しないため生息の確認は困難である。姫路市では1992年にモーター式の井戸から再発見されているので、府内でも井戸さえ残っていれば再発見される可能性はある。

生存に対する脅威

地下水の枯渇や汚染。

その他

日本固有種

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