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鞘翅(コウチュウ)目 マルハナノミ科

オオチビマルハナノミ

Cyphon beattyi Pic, 1918
京都府カテゴリー

絶滅寸前種

2002年版 絶滅寸前種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー なし

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選定理由

原記載を含め従来タイプ産地は不明であった。Pic(1918)の記載した材料が花園昆虫研究所経由のものであるならば、タイプ産地は京都である可能性がある。

形態

吉富博之(2005)96-99、Fig. 59Bを参照。日本産の同属の他種と比較して、大型(体長: 6.0~11.0mm)のため、容易に区別が可能。甲虫としては非常に脆弱で、触角、肢など破損しやすく完全な標本の作成が難しい。

分布

本州に局所的に分布。

◎府内の分布区域 宇治市木幡池にて採集された標本の他に、大阪市立自然史博物館の保管標本の中に、伏見区淀、八幡市淀川合流点の古い標本を確認した。かつては淀川水系に広く分布したものと推測されるが、存続を確認するには調査が必要である。

生態的特性

稀種のため詳細な生態報告はない。木幡池では4~5月の短期間、成虫の発生が見られ、潅木の生葉などを叩いて得られる。

生息地の現状

1995~2001年に採集された個体数は少なくないが、木幡池の自然環境は悪化の一途をたどっており(周辺高層住宅の建設、下水処理施設の拡張工事、地下鉄延長工事)、数年ならずして自然植生が破壊され、本種の生存も絶望となる懸念がある。2010年に浚渫工事がなされた後には成虫の発生数が激減した。

生存に対する脅威

都市化に伴う木幡池周辺の環境悪化は行政上やむを得ぬことであろうが、池の中の自然植生の保護は必要ならば法制化のもとに可能であろう。

必要な保全対策

木幡池の植生の保護に尽きる。

その他

日本固有種

文献 Yoshitomi(2005)、Pic(1918)

執筆者 水野弘造

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