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京都府レッドデータブック2015

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鞘翅(コウチュウ)目 オサムシ科

イソチビゴミムシ

Thalassoduvalius masidai masidai S. Ueno, 1956
京都府カテゴリー

絶滅危惧種

2002年版 絶滅危惧種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー 準絶滅危惧(NT)
イソチビゴミムシ

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選定理由

特異な生態をもつ海浜性のチビゴミムシで、国内における既知の産地はきわめて散発的である。1属1種で他に近縁の種類はなく、チビゴミムシ類の系統や進化を考察する上で貴重な種類である。府内では、1999年に冠島の海岸部で発見され、その後、丹後半島の海岸部でも確認された。

形態

原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)(保育社 1985)PL.13、No. 17を参照。国内で3亜種、すなわち、四国T. masidai kurosai、伊豆T. masidai pacificusおよび京都府産の属する名義タイプ亜種に分けられる。京都府は中国地方日本海側に分布する本亜種の東限産地。

分布

名義タイプ亜種のタイプ産地は、島根県(浜田市)。福岡県(筑前沖ノ島)、長崎県(男女群島男島)から記録がある。

◎府内の分布区域 舞鶴市冠島、京丹後市丹後町。

生態的特性

チビゴミムシ類としては珍しく好塩性。海岸の岩礁地帯で、陸地から粘土質の土壌が供給され、かつ淡水が浸み出しているような場所に生息する。夏期には満潮線付近の石の下で活動するが、気温の低い季節になると崖下の崩落土の中へ移動する。

生息地の現状

冠島では、1999年9月に行われた京都府レッドデータ調査の際に、島の東側海岸で発見された。2001年には京丹後市丹後町北部の海岸で確認された。

生存に対する脅威

海岸の崖の補修工事等により生息地が破壊される可能性がある。

必要な保全対策

冠島は人の立ち入りが制限されているため、生息地の環境悪化の心配は少ないが、丹後半島の産地や未発見の産地も含めて自然状態の海岸を維持することが必要である。

その他

日本固有種

文献 Ashida et al.(2000)、齋藤ほか(2001)、Ueno(1956、1994)

執筆者 芦田久(修正:水野弘造)

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