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京都府レッドデータブック2015

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鱗翅(チョウ)目 アゲハチョウ科

ギフチョウ

Luehdorfia japonica Leech, 1889
京都府カテゴリー

絶滅危惧種 

2002年版 準絶滅危惧種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類(VU)
ギフチョウ 吉田健

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選定理由

府南部地域の分布は局地的で、減少傾向にあるため。

形態

前翅長27.0~36.0mmで、黒と黄色の縞模様がある小型のアゲハチョウ。後翅に尾状突起があり、その基部付近に赤い紋が、外縁に沿って橙色の紋列と青色の点列がある。

◎近似種との区別 ヒメギフチョウに似るが、この種は近畿以西には分布しない。

分布

本州。各地に局地的に分布するが、太平洋側では絶滅した産地も少なくない。

◎府内の分布区域 各地域に広く分布するが、やや局地的。

生態的特性

年1回早春に発生する。里山の明るい雑木林が主要な生息地。一部、スギやヒノキの植林地でも、樹齢が若く密植されていない場合は生息地となっていた。明るい林縁を飛び交うが、オスは尾根に集まる習性がある。主に紫やピンクの花に吸蜜にくる。林床に食草のカンアオイと吸蜜植物があることが生息地として必要である。

生息地の現状

かつての生息地では雑木林の手入れがされなくなって暗くなり、また近年シカの食害により下層植生が単純化し、本種の食草が育ちにくくなってしまった。

生存に対する脅威

雑木林の放置およびシカの食害による生息環境の変化。

必要な保全対策

雑木林を以前のように春先に林床に日が当たるようにするとともに、シカの食害防止柵を設けて産地を守る必要がある。とくに現在でも生息している産地はこのような対策をして保全する必要がある。本種は京都府の天然記念物に指定されているが、わずかに残った生息地でも、採集圧は現在も続いており、具体的な対策が必要。

改訂の理由

以前は里山地域にやや局地的ではあるが広く分布し、個体数が多い地域もあったが、雑木林のスギ、ヒノキの人工林への転換や薪炭林の放置により個体数が減少していた。近年、南部では京都市西京区の保全が行われている1か所のみしか産地がなく、絶滅に近い状態となっている。北部では比較的良好な状態が保たれていたが、綾部市、福知山市では、シカの食害による林内植生の単純化、乾燥化により激減している。

関係法令

京都府文化財保護条例(府登録天然記念物「特に地域定めず」

その他

日本固有種

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