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京都府レッドデータブック2015

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双翅(ハエ)目 シギアブ科

マエグロシギアブ

Rhagio costimacula Matsumura, 1916
京都府カテゴリー

準絶滅危惧種 新規

2002年版 リスト外
環境省カテゴリー なし

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選定理由

暖地系の種で、現在までの記録では京都府が北限および東限となる。2000年代に入る頃までは各地で比較的多くみられた種である。しかしその後各地とも減少が著しいようで、京都での発見も途絶えている。この種に限らずシギアブ類の多くの種は森林中の渓流に幼虫が生息し、成虫も林内に見られる陰地性のものが多く、生息環境自体が限定されていて、個体数も決して多くはない。陽地性の特定の優占種を除き多くの種で減少が進行しているようにみられる。これらの生息環境を見ると、自然林は極度に減少しスギの植林が進行し、林道、砂防堤も大規模化と増大の傾向にある。これが恐らく幼虫の生息場所である渓流にも影響を及ぼし、次第に環境の悪化が進行していると考えられる。

形態

翅の前縁部に顕著な褐色の斑紋があり、同定しやすい。

分布

本州、四国、九州。

◎府内の分布区域 京都市貴船、百井、松尾。

生態的特性

幼虫はおそらく水生。成虫は初夏、短期間発生する。

生息地の現状

自然林の喪失が著しい。

生存に対する脅威

植林、林道、砂防堤の建設。

必要な保全対策

自然林の回復が求められる。

改訂の理由

2002年版レッドデータブック作成時には、参照できる資料がほとんどなかったため、ひかえめな判断とせざるをえなかった。しかしその後の京都における調査および近隣地区の資料が増加したため、現時点において妥当と思われる評価に変更した。

文献 松村(1916)

執筆者 大石久志

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