ホーム > 京都府レッドデータブック2015

京都府レッドデータブック2015

文字の大きさ
地域生態系のアイコン地域生態系

スギ群落

分類

温帯針葉樹林 植林

特徴

スギは本州以南で主要な林業用樹種として広く植林されているが、本来、日本列島の広い範囲で自然林が拡がっていた。北は青森県鰺ヶ沢から南の屋久島まで分布し、太平洋側では主に、伊豆半島、紀伊半島、四国、屋久島と天然分布域があり、暖温帯上部から冷温帯にかけて見られる。日本海側ではスギの変種であるアシウスギが、東北日本海側から、中部、近畿、中国地方まで分布し、冷温帯でブナと混交することが多い。しかし、古代以前には、低地にも広く認められ、特に現在の日本海側の低地帯には巨大なスギ林が存在していたことが、堆積物の花粉分析や各地に分布する埋没林の研究からわかっている。

また、人工林であっても、高齢林でよく手入れがされているスギの植林は美しく、日本の森林の代表の一つと言えるものであり、社寺の荘厳な雰囲気をつくるためにも重要である。

分布

年降水量1,500㎜以上の本州、四国、屋久島に広く分布し、気候的には、暖温帯から標高2,000mの亜高山帯まで分布する。京都府の天然林は、多雪な京都大学芦生研究林、京都府立大学久多演習林などの冷温帯でブナなどの落葉広葉樹と混生している。右京区京北町片波では、直径数mにおよび伏条台スギの巨大な個体からなる群落が残されている。標高800m付近にイヌブナ、クリ、ウラジロガシ、ウラジロガシなど混生してスギの巨木が分布している。丹後地域の上宮津杉山にも、標高500mから700mにかけて、伏条台スギの大径木が広域に分布しており、自然状態に近い群落が残されている。

保存に対する脅威

大学の管理下にある冷温帯のスギ-ブナ林は十分に管理維持されている。片波スギ天然林は、京都府自然環境保全地域に指定され管理されている。上宮津杉群生地は300ha以上あるといわれており、また、一部の調査は行われているが、今後、保全方法も含めた、詳細な調査が必要である。社寺が管理するスギ人工林で壮齢、老齢の群落が、多く認められるが、隣接する自然林の保全や景観上も重要であるため、用材林としての伐採時には、保全、景観面の十分な配慮が必要である。

府内での分布と京都府カテゴリー

京都府内の分布 京都府カテゴリ-
2015年 旧2002年
丹後地域 上宮津 宮津市上宮津 管理維持
妙見堂 与謝郡与謝野町字岩滝弓木坂尻 管理維持
富持神社 京丹後市大宮町上常吉入船谷 管理維持
常立寺 京丹後市峰山町吉原 管理維持
成相寺 宮津市字成相寺 管理維持
中丹地域 見樹寺 舞鶴市引土 管理維持
観音寺 福知山市大江町南山 管理維持
南丹地域 佐々里峠一帯 南丹市美山町佐々里峠 管理維持
金比羅神社 亀岡市保津町 管理維持
京都市・乙訓地域 八丁林道沿い 京都市右京区京北 八丁 管理維持
片波川源流域林 京都市右京区京北 管理維持
寂光院 京都市左京区大原草生町 管理維持
愛宕神社 京都市右京区嵯峨愛宕町 管理維持

京都府レッドデータブックに掲載されている野生生物や地形・地質、生態系などに関する情報がありましたら、情報提供フォームからお寄せください。

情報提供フォーム

お問い合わせ先:京都府環境部自然環境保全課
TEL:075-414-4706 FAX:075-414-4705
E-Mail:[email protected]
〒602-8570 京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ページの先頭に戻る