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京都府レッドデータブック2015

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趣旨

京都府内には多様な自然生態系が存在しているが、それらは歴史的に見ても人々の生活文化と深い関わり合いを持ちながら形成されたものが多く見られる。

これら府内の優れた自然生態系の現状を総合的に把握することは、今後の府内の自然環境保全を考える上で大変重要なものであると考えられた。そこで、府内で保全すべき重要な生態系が成立している地域、希少な野生動植物の自生地などについて現状をまとめた。また、今後の生態系保全のあり方を方向付けるため、現在の京都の自然環境を作り出してきた背景を分析し、地域文化や人々の生活と自然との関連を明らかにする試みを行った。

調査対象

◎地域生態系

自然性が特に高い植物群落や希少な群落、典型的な二次的群落など、生態学的価値、学術的希少価値、遺伝子資源価値など、府内における保護上重要な植物群落36種について、その特長、分布(府内での分布)、保存に対する対策をとりまとめた。

なお、個々の植物群落だけでなく、群落の規則的な配列現象が生態学的、学術的に価値を持つ「群落複合」についても、各群落の成立環境や群落の動態の面から相互に関連しあっている学術的にも重要なものについても対象としている。

◎生息・生育地

絶滅のおそれのある野生生物の種を含み、かつ京都を代表するような特徴的な場所を取り上げて、その場所を保全することは、今後の生物多様性の保全上からも意義が深いと考えられる。特に、湿地のように開発などが起きやすく、消滅のおそれのある生息・生育地を保全することも重要である。

以上のような観点から、2002年版レッドデータブックでは琵琶湖疏水(本流・分流)や冠島、修学院離宮、八丁平、平安神宮など、それまで未調査であった地域を中心に各種生物の生息・生育状況を調査したが、今回は日本庭園として江戸時代初期以降その環境が維持されてきた桂離宮において新たに各分野合同での現地調査を行った。

府内全体として見ればごく一部の調査であるため、今後も機会がある度に、継続的に府内の現状把握を行うなど、幅広い調査を進めていきたい。

◎人間-環境系の歴史的側面

府内の自然生態系は、人為的な影響との関わりの中で形成されたものが多い。しかし、人間の自然への関わり方は、ここ30~40年の間にもたいへん大きく変化し、それに伴って自然生態系も大きく変化してきている。このことは、近年野生の動植物の中に急速に分布や個体数を減らしてきている種が増えている一つの重要な背景となっている。

そこで、京都府レッドデータブックでは、希少な野生動植物の保全を考え、今後の自然との共生のあり方を考えるため、府内におけるかつての自然景観やその背後にあった人と自然との関わりなどを現在との比較も含めながら考察し、人間-環境系の歴史的側面として六つのテーマについて取りまとめた。

テーマ1: 京都府における最終間氷期以降の植生史
テーマ2: 絵図類の考察を中心にみた江戸末期から室町後期における京都近郊の植生景観
テーマ3: 明治中期における京都府南部の里山の植生景観
テーマ4: 丹後半島山間部および京阪奈丘陵の里山景観と資源利用の変化
テーマ5: 京都府における獣害とその対策
テーマ6: 古写真で見る自然環境、地域共同体とのかかわり方の変化

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情報提供フォーム

お問い合わせ先:京都府環境部自然環境保全課
TEL:075-414-4706 FAX:075-414-4705
E-Mail:[email protected]
〒602-8570 京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

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