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京都府レッドデータブック2015

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地質

びかりや・げろいな

ビカリヤ・ゲロイナ

京都府カテゴリー

消滅寸前

2002年版 消滅寸前 2002年版を参照する
舞鶴市栃尾細野

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分類

化石

細分

貝類

時代区分

新生代新第三紀中新世

地域

舞鶴市栃尾細野

選定理由

新第三紀中新世のマングローブに関係した貝化石。

分布

日本各地に点々とあるが、ここのものは貝殻の保存がとくによいことで知られている。京都府内でよく研究されたところはここだけである。

特徴(特異性)

1974年の夏、舞鶴市栃尾細野の舞鶴カントリークラブの造成工事で、黒色頁岩層から保存のよいビカリヤ化石が大量に産した(荒木 1977)。それには現在、奄美大島より南のマングローブ沼に生息するマングローブシジミ(Geloina)とキバウミニナ(Terebralia)(糸魚川、津田 1986)をともなっていた。中川、竹山(1985)、Ozawa et al.(1986)によれば、この地層は内浦層群下累層塩汲峠礫岩砂岩部層で、Vicarya japonica 300+、Vicaryella ishiiana 42、Terebralia itoigawai 8、 Crassostrea gravitesta 5、 Geloina stachi 5など14種を産した。そしてビカリヤの幼貝から成貝までの各成長段階の個体が産し、マングローブ沼泥底付近の群集であるという。

ここのビカリヤ化石については、前記した2引用文献の図版に、舞鶴在住の荒木邦雄氏採集の見事な標本の写真が載っている。またカラー写真は『京都五億年の旅』、『新京都五億年の旅』、『京都の地学図鑑』などに載っている。1988年6月13日、荒木氏に現地を案内していただき、工事による包含層掘削のようすを推測した図を示す。

現状

包含層は削剥され、ゴルフコースになっているが、その西方延長の露頭にはなお化石が含まれている。

地質文献一覧

執筆者 石田志朗

上図 工事前の予想断面図
下図 現在の模式断面図

上図 工事前の予想断面図
下図 現在の模式断面図

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