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地形

きづがわ(ぬのめがわ)ぽっとほーる

木津川(布目川)ポットホール

京都府カテゴリー

要継続保護

2002年版 要継続保護 2002年版を参照する
相楽郡笠置町大字飛鳥路

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分類

河川地形

細分

ポットホール(甌穴)

地域

相楽郡笠置町大字飛鳥路

選定理由

教育上、地形研究上注目すべき地形。地域において生活と密着した存在であるものやランドマークとして親しまれている地形。

概要

河床や河岸の岩盤表面に形成された円形の穴は、ポットホール(甌穴(おう けつ))と呼ばれる。ポットホールは、下刻作用が激しく、硬い岩石からなる河床に形成されやすい。基盤地質で言えば、花崗岩などの火成岩類、堆積岩類の中でも粒状で硬い砂岩、チャート岩などからなる河床に形成されやすい。

木津川中流部の本支流では、見事なポットホールを観察することができる。布目川最下流部の木津川合流点付近では、河床に露出する花崗岩の岩盤上に、大小様々なポットホールが分布し、布目川甌穴群として親しまれている。鈴木、青木(1996)によれば、これらの甌穴群の特徴は、以下のとおりである。

ポットホールの形態は滝壷型、甌穴型など様々なものが存在するが、とくに、河床の岩盤を構成する花崗岩の節理に沿って形成された細長い形状(スプーン型、溝穴型)をしたものが多い。平面の長径は1m以上のものが目立つが、深さは比較的浅く60cm未満のものが多い。ただし、まれに長径5m以上、深さ2m以上に達するものも見られる。長径1m以上のポットホールは、平水時の水面から数十cm以内の岩盤に特に多い。一方、数は少ないものの水面上約3~3.5mの岩盤でも、両者の中間的な高さの岩盤より、そのようなポットホールの分布密度が高い。これは、増水時の水の影響を受ける頻度と、そのような影響の及んできた地質学的継続期間とを反映した現象ではないかと考えられている。すなわち、侵食による河床の低下を想定した場合、水面上約3~3.5mの岩盤は下位の岩盤よりも古くから水流の影響を被るようになり、現在でも、頻度は少ないものの、増水時には依然として水流の影響を受けるため、大型のポットホールに発達したという可能性が考えられている。

文献 鈴木、青木(1996)

執筆者 高田将志

2.5万分の1 笠置山

2.5万分の1 笠置山

笠置町 布目川河床のポットホール(甌穴

笠置町 布目川河床のポットホール(甌穴)

ポットホール(甌穴)

ポットホール(甌穴)

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