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京都府レッドデータブック2015

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発刊にあたって

森里川海の恵みを未来に伝えるために

京都府は、日本海から内陸にいたる南北に細長い地形で、北部地域は日本海型気候の特色を、中部の丹波高原を境に南部地域は内陸性気候の特色を持っているため、自然の変化に恵まれ、多様な野生生物やすぐれた自然生態系を多く有しています。

これら京都の自然は、古くから数々の歴史の舞台として登場するほか、1200年あまり前に平安京が置かれて以来、都を中心に花開いた文学や芸能、芸術、伝統産業などの京都文化に深く影響を及ぼし、山城・丹波・丹後のそれぞれの地域においても都と密接な関係を有しながら、様々な独自の地域文化を育んできました。

京都の古人(いにしえびと)は、この豊かな自然と深く関わり合いながら、脈々と京都の自然を受け継いできました。このため、今でも京都には、炭焼きや柴刈りなどの地域住民の日々の営みの中から育まれた里山が多く、信仰の対象として守られてきた社寺林、そして、芦生に代表される原生的な森や丹後半島の風光明美な海岸地形、豊かな生物相を育む河川源流域など多種多様な自然環境が多く残されています。

しかしながら、現在、世界的にも自然の復元力をはるかに超える人間活動の影響により、これまでに見られなかった速さと規模で、野生生物種の絶滅や生態系の消滅などの自然破壊が進んでいるといわれています。これは、京都府内においても同じことで、人々と自然との関わりが薄れた結果、知らず知らずのうちに、府民にとって大切な自然が失われつつあります。

京都の人々がはるか昔から大切に守ってきた自然との関係をもう一度見直していきたい。そして、先人の知恵や伝統を生かしつつ、今に生きる私たちはそれらをさらに発展させて、現代に合った“人と自然のいい関係”を再構築し、将来の府民に「京都の森里川海の恵み」を伝えていきたい。このような思いで京都府レッドデータブックの作成に取り組み、2002年4月に発刊しました。

2002年版レッドデータブックでは、府内における絶滅のおそれのある野生生物や保護を要する地形・地質、自然生態系など、京都府の自然を総合的にとらえ、その現状を把握して保全対策を明らかにしました。この成果を受けて2007年には、府民協働で絶滅危惧種の保全に取り組むことを目的にした「京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例」が制定されるなど、現在、府内各地で様々な自然環境保全の取組が進みつつあります。

しかし、2002年版発刊から10年余りが経過し、シカの分布拡大や個体数増加、外来種の被害拡大など、府内各地で生態系に影響を及ぼす様々な出来事が見られるようになり、京都府レッドデータブックの見直しが必要となってきました。見直しにあたっては、京都府の自然を総合的にとらえる考え方を踏襲しつつ、多くの研究者や専門家の方々の協力により3箇年に及ぶ調査研究を進め、この度、その成果を取りまとめて、本書を発刊する運びとなりました。

この京都府レッドデータブック2015が、多くの府民の皆様に京都府のすばらしい自然について関心を持っていただくきっかけとなり、各地域で行われる自然環境保全の取組の基礎資料として活用されることを願っています。

本書の作成にあたって調査、研究、執筆、編集に携われた皆様方に心からお礼申し上げます。

京都府自然環境保全課

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