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アスベスト(石綿)の健康相談に関するQ&A

1 アスベストの基礎知識について

Q1 アスベスト(石綿)とは?

アスベスト(石綿)は天然の繊維性鉱物であり、"石"でありながら"軽い綿状の性質"を併せ持つ特徴にその名の由来があり、「せきめん」、「いしわた」と呼ばれています。

アスベスト(石綿)は加工しやすく、吸音や吸着性・引っ張り強度に優れるとともに、電気絶縁性・耐火性・断熱性にも優れるという利点のため、安価な工業材料として、主に、断熱材、保温材、防音材などの建築物の建材に使用されてきました。(吹付けアスベストは昭和55年に禁止、アスベスト(石綿)を含む建材の製造・使用は平成16年に禁止されました。)

アスベスト(石綿)は一般の大気環境にも存在します。世界保健機構の評価基準によると、「10本/リットル(大気1リットル中に繊維が10本)程度までは危険度は判別できないほど小さい」とされています。平成16年度の京都府内の住居地域の調査では、大気環境中に0.40本/リットルのアスベスト(石綿)が検出されていますが、世界保健機構の評価基準に比べて極めて小さい数値です。また、吸入以外のばく露方法(例えば、触ったりなめたりする)では健康に影響を及ぼさないと考えられています。

しかしアスベスト(石綿)は、目に見えない大きさで簡単に飛散し、肺に吸入されても石綿繊維が分解されないという特性があるため、工場での労働やビルの解体工事など、ある特定の条件下で長期間アスベスト(石綿)の吸入ばく露を受けた場合、人にじん肺や悪性中皮腫など(Q5参照)の健康被害を生じさせると言われています。発病するには高濃度のアスベスト(石綿)を10年以上吸入した場合がほとんどです。このように、長期間・高濃度吸入で健康被害のリスクが高まるのは確かですが、どれだけの量を吸ったら発症するかという点については現在不明です。

現在、日本ではアスベスト(石綿)の使用・飛散に対して様々な形で法的規制がされていますが、アスベスト(石綿)を吸っていた可能性のある方は、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。

2 アスベストの検査について

Q2 以前、アスベスト(石綿)を吸い込んでいた可能性のある場合、検査はどこに行けばよいですか?

アスベスト(石綿)を吸い込んだ可能性のある方や呼吸困難や咳、胸痛などの症状がある方、その他特にご心配な方は呼吸器科を標榜している医療機関に相談されることをお勧めいたします。

Q3 アスベスト(石綿)を吸い込んだかどうかはどのような検査でわかりますか?

胸部X線検査でわかる場合もありますが、アスベスト(石綿)を吸い込んだ量がそれほど多くない場合はわからないこともあります。

Q4 アスベスト(石綿)関連の病気があるかどうかは、どのような検査をするのですか?

アスベスト(石綿)関連の病気があるかどうかは、胸部X線検査のほか、胸部CT検査、腹部CT検査などをおこなうことがあります。
しかし、検査では、病気の原因としてアスベスト(石綿)が関連している可能性は示せても、直接の原因かどうかは明確にできません。

3 アスベスト(石綿)の健康被害について

Q5 アスベスト(石綿)が関与して発症する病気は?

アスベスト(石綿)の繊維は、じん肺、悪性中皮腫、肺がん等を起こす可能性があることが知られています。(WHO=世界保健機構の報告による)
アスベスト(石綿)による健康被害は、アスベスト(石綿)を扱ってから長い年月を経て出てきます。例えば、肺がんは15年~40年、またはそれ以上という長い潜伏期間の後発病することが多いとされています。

(1) 石綿(アスベスト)肺

肺が繊維化してしまうじん肺という病気の一つです。じん肺にはアスベスト(石綿)のほか、粉じん、薬品等多くの原因があげられますが、アスベスト(石綿)のばく露によっておきたものを特に石綿肺とよんで区別しています。
職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に起こるといわれており、潜伏期間は15年~20年といわれています。
アスベスト(石綿)ばく露をやめたあとでも進行することもあります。

(2) 肺がん

アスベスト(石綿)が肺がんを起こすメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、肺細胞に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされています。
また、喫煙と深い関係にあることも知られています。
アスベスト(石綿)ばく露から肺がん発症までに15年~40年の潜伏期間があり、ばく露量が多いほど肺がんの発生が多いことが知られています。
治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。

(3) 悪性中皮腫(あくせいちゅうひしゅ):臓器の膜にできるがん

肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜、精巣鞘膜等にできる悪性の腫瘍です。(進行が早く、予後が悪い疾患です。)
アスベスト(石綿)以外では、放射線物質や遺伝的なものによる発生がありますが、悪性中皮腫の約8割に職業性石綿暴露が認められ、アスベスト(石綿)は最も主要な原因です。
若い時期にアスベスト(石綿)を吸い込んだ人のほうが悪性中皮腫になりやすいことが知られています。潜伏期間は20年~50年(およそ40年に発症のピークがあります)といわれています。
治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。

(4) 良性石綿胸膜炎

胸膜に炎症がおこり、胸膜腔内に滲出液が生じるもので、半数近くは自覚症状が無く、症状がある場合は咳嗽、呼吸困難の頻度が高いといわれています。

(5) びまん性胸膜肥厚 :胸膜が厚くなる

呼吸によって肺が膨らむときに便利なように臓側胸膜と壁側胸膜は本来癒着しておりませんが、良性石綿胸膜炎が発症するとそれに引き続き胸膜が癒着して広範囲に硬くなり、肺がふくらみにくくなり呼吸困難をきたします。胸部X線写真上胸膜の肥厚を認めるようになりますが、この状態をびまん性胸膜肥厚といいます。

Q6 吸い込んだアスベスト(石綿)は体の中でどうなるのですか?

一旦吸い込んだアスベスト(石綿)は一部は異物として痰のなかに混ざり、体外に排出されますが、大量のアスベスト(石綿)を吸い込んだ場合や大きなアスベスト(石綿)は除去されずに肺内に蓄積されます。

Q7 どの程度の量のアスベスト(石綿)を吸い込んだら発病しますか?

アスベスト(石綿)を吸い込んだ量と肺がんなどの発病との間には相関関係が認められていますが、短期間の低濃度ばく露における発がんの危険性については不明な点が多いとされています。
吸入したアスベスト(石綿)の時間と量によって発症の「リスク」が増加します。一般的には、概ね10年以上職業的にばく露を受けた場合に発症の危険性が高まるといわれていますが、どれだけの量を吸ったら発症するかという点については現在不明です。

Q8 アスベスト(石綿)が関与して発症する病気に特有の症状はありますか?

咳・息切れ・呼吸困難、胸郭より下の疼痛、腹部の疼痛または腫脹、腹部のしこり、原因不明の体重減少等がありますが、アスベスト(石綿)特有の症状というのはありません。

Q9 アスベスト(石綿)が眼に入った場合、眼は心配ないですか?

通常のゴミが眼に入ったのと変わりありませんが、アスベスト(石綿)の種類によっては針状のものがあり、眼を擦ってはいけません。清水で洗い流した上、医師の診察を受けて下さい。

Q10 アスベスト(石綿)による皮膚障害はないですか?

アスベスト(石綿)の繊維により、皮膚障害が起きたというような研究報告は社団法人日本石綿協会が報告する限りではありません。
アスベスト(石綿)は固形の繊維状物質ですので、皮膚からの吸収はありません。しかし、皮膚に対する刺激がある場合もありますので、アスベスト(石綿)が付着した場合は、通常のほこりが付着したのと同様に水で洗い流して下さい。

Q11 病気の進行の予防や治療については、どこに相談したらよいですか?

病気の進行度によりちがってきますので、現在かかっておられる主治医の先生にご相談ください。

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国の対応

環境省(外部リンク) アスベスト問題に係る政府の対応について(外部リンク)

厚生労働省(外部リンク) アスベスト(石綿)情報(外部リンク)

京都労働局(外部リンク) 石綿による健康被害に係る相談窓口(外部リンク)

関係団体

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