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第4回検討会(第5回京都府リハビリテーション部会)開催結果

開催概要

当日資料一式(PDF:1,906KB)

主な意見等(PDF:164KB) 

日時

平成25年11月25日(月曜日)14時~15時半

場所

京都府医師会館2階 212,213会議室

当日出席者(敬称略)

学識経験者

平澤泰介(京都府立医科大学 名誉教授)
久保俊一(京都府立医科大学 教授)
松田秀一(京都大学 教授)

保健医療福祉関係者

谷口洋子(京都府医師会 理事)
水野昭彦(京都府歯科医師会 地域保健部次長)
岡田純(京都市立病院協会 副会長)
内藤和世(京都府病院協会 理事)
今西美津恵(京都府看護協会 会長)
並河茂(京都府理学療法士会 会長)
織田泰匡(京都府作業療法士会 地域部 部長)
山下明宏(京都府言語聴覚士会 理事)
松本善則(京都府介護支援専門員会 理事)
前渕功(京都府老人福祉施設協議会 副会長)
大川和春(京都府介護老人保健施設協会 理事)
野稲貞雄(京都府地域包括・在宅介護支援センター協議会 理事)
塚脇康宏(京都府障害厚生施設協議会 会長)
中野博美(京都府医師会脳卒中登録事業委員会 委員長)
垣田清人(京都府リハビリテーション連絡協議会 委員)
東小百合(丹後地域リハビリテーション支援センター コーディネーター)(代理出席)
中村紳一郎(中丹西地域リハビリテーション支援センター センター長)
小幡彰一(中丹東地域リハビリテーション支援センター コーディネーター)
林田達郎(南丹地域リハビリテーション支援センター センター長)
南銀次郎(京都市域地域リハビリテーション支援センター センター長)
奥山香奈(乙訓地域リハビリテーション支援センター コーディネーター)(代理出席)
髙橋守正(山城北地域リハビリテーション支援センター センター長)
岡村孝文(山城南地域リハビリテーション支援センター コーディネーター)(代理出席)

行政関係者

木曽布恭(京都府市長会 (亀岡市 担当部長))
中嶋浩喜(京都府町村会(和束町 担当課長))
中田泰司(京都市保健福祉局(京都市身体障害者リハビリテーションセンター 次長))
廣畑弘(京都府保健所長会 副会長)(代理出席)  
青木賀代子(京都府家庭支援総合センター 所長)

概要

議事

 総合リハビリテーション推進プラン(最終案)について
 その他

主な意見等

人材の確保・育成

リハについては人材、教育、育成を長い目で、これから伸ばしていくことが大事であると思う。 

リハ医の確保・育成について 

リハビリテーションは世間に広まっているだけに定義は難しい。

リハを施策する場合はそれを担保する「質」が大事であるが、「質」は「教育」で整理が出来る。現在、日本リハ医学会が中心的な役割を担っており、専門医を目指すための、高度なリハ専門医を養成するカリキュラムを作っている。それ以外はどうするかが問題である。それ以外を担っていくのがリハ教育センターの役割の一つと認識。       

リハ教育センターは今、全国に注目されている。オール京都体制で、公的な機関が関与している点である。今回リハビリテーション教育センターの大きなポイントは公的に、オール京都でやっているところと考えている。

先日行われた第1回座学研修会はとても勉強になった。脳、整形、心臓、色んなリハがあるのだということがわかった。一部分しか知らなかった内科医等がリハの座学を聞いて、そういうリハマインドを持った医師をたくさん養成できるのではないか。     

教育センターについて

(事務局)先日10月6日の研修会について概要報告

終日研修、コンセプトは門戸を広く、総論的な基礎を学んでいただくこと。府立医大、京大の先生に御協力いただき、府医師会、府病協、私病協にも後援を頂き御協力いただいた。また、日本リハ医学会との連携により単位取得もということもさせていただいた。プログラムは記載のとおりで、盛りだくさん10講演出入り自由。リハの概念、基本から介護保険、身障手帳という講演、診断、処方の実際、各疾患に関する講演をした。特別講演では講師として大阪医大の佐浦先生にも御協力いただいた。212名の参加うち医師160名、アンケート62通回収。頂いた御意見を第2回以降の研修に活かしていきたい。

第2回は3月23日に開催予定、各論的なもので時間設定を工夫しながらの開催を予定しており現在調整中。    

参加いただいた方はデータベース登録しており、今後さらに来年度から本格実施する実施研修にも活かしていきたい。       

教育は継続が大切で、内容の担保に関してはテキストという要望もあるが、今回、リハ医学会の協力を得る事ができた。リハ入門編のようなテキストを作成したいと考えている。       

平澤センター長や各方面の先生にもお力添えをしていただきながら、いいものを作りたい。     

第1回の医学研修会を開催したが、アンケートをみると、色々な要望が多い。講師の先生他、全員ボランティアでやっている中でレジュメまで欲しいとは要求が多すぎると感じている。体力的にも対応が大変。そのあたりもご理解いただきたい。また講師もセラピストも入れてラウンドディスカッションをという意見もあった。時間の設定についても工夫が必要と思っている。     

研修会に来られた方で、実習を受けたいという方が約40名おられた。遠方の方がおられることもあり、北部と南部にわける方法も必要かも知れない。          

実習生を受けてくれる施設に関しても、時間設定の問題、スタッフとして誰かがついて行かないといけないという課題がある。具体的に要望に応えるには実習をどうもっていけばいいのかを考える必要がある。指導医の必要性や受入病院への支援など実地研修に関しては、今後ディスカッションしていくことが必要。京大の松田教授にも協力お願いしたい。       

第1回座学研修会には講師を派遣してということができなかったが、京大も全面的に協力させていただくことにしており、今後は派遣させて頂きたい。テキスト作成についても協力させていただく。     

看・介護職に対するリハマインド醸成

団体では生活の中で役立つリハということで、介護士と連携してリハを進めて行くことや、生活の中で直接役に立つリハという教育をしている。  

介護保険関係では機能訓練指導員がいる。「機能訓練指導員=リハ」になるかは別として、介護保険法に書かれている機能訓練指導員はPT・OT・看護師・柔道整復師・マッサージ師もなれる。その辺りも整理する必要がある。現場で有資格者の方には、その資格があるとは思うが、看護師にリハビリができるかというと、現実は難しい。京都府では介護施設の従事者に対して、リハの研修会を開催していただいき、大変助かっているが、リハの質を高めることが大事。

機能訓練指導員については巡回相談をして、実際、担っているのは、看護師、柔道整復師なので、中心になっている人に、リハの理念、知識、技術の研修なりを通じて行うことが大事であると思う。PT・OT・STが評価をしてプログラムを作成。そして実質実施していく方が機能訓練指導員であり、介護職の方を念頭に置いているということを念頭に置いており、それらのリハのシステムの流れをつくることが、リハ医であり、セラピストであると思う。       

施設の拡充

私立病院協会会員病院では回復期を担う病院が多い。民間の回復期リハを担う病院の1番の悩みは、北部・南部はもちろん都市部においてもセラピストが不足していることである。リハ専門職の育成に関して修学資金の貸与が引き続き行われるようだが、不足地域の重点化はもちろん、今後サービスが必要になってくる。都市部での確保も引き続きお願いしたい。

在宅リハ関連

管理栄養士、STが組んで摂食・嚥下に取り組んでいるところもある。地域包括ケアのなかで、ターミナル、癌末の中で、食べることを生活の中でどう支えていくか、介護も含めての連携が重要であると思う。2025年問題に向けて我々がどうしていかなければばらないかを考えていかなければならない。          

地域のケアを担うのは訪看ステーションであると思う。看護職のリハビリは、その人が、その人らしい生活を送れるよう援助することが役割であると思っており、訪問看護師が訪問し、リハが必要と判断し、そこに専門のリハが入っていただけるように医師やセラピストとの連携を担える。地域の病院に担って欲しくても、なかなか難しいのが現状である。ナース自体のリハは、そのようなシステムについては摂食・嚥下、脳卒中の看護はあるが、基本的なリハ知識や技術向上させるためのリハの研修は受けていきたい。  

先進的リハビリテーションについて

先進的リハに関しては、今後効果を検証して府内の医療機関へ普及されるということだが、公的な機関ではなく、私的な病院に関しても府の支援をお願いしたい。

地域包括ケア  

訪問リハの質については、京都は少しずつ良くなっている。最近は難病、癌、終末期に対してのそれぞれの取り組みをきちんとしていくことが課題となっていく。京都府では地域包括支援機構の看取り部会において、プラン策定を行っており、そこで癌リハ、終末期リハの考え方が盛り込まれており、リハ専門職の関わりが必要であり、重要なポイントと思っている。     

地域連携パスについて  

医師会では、地域連携パスの運営もしており、脳卒中の急性期~回復期の病院、その次の病院や診療所のパスに関連しているが、そのパスの充実を図りながら多職種が連携出来る体制の構築が必要と考えている。  

全般

アクションプランはよくできており、これでよいと思う。「リハビリテーション」という言葉についてだが、生活期の現場では「リハ=訓練」になっている。これから介護関係者、福祉関係者と関わっていく中で、リハビリテーションの概念を整備することは必要。京都府に限らず、セラピスト不足である中で、セラピストのリハビリから外れている人はいる。その人達は「リハ=訓練」になってしまっている。リハの住み分けが出来ていない。少なくてもリハ部会において、リハのでも共通認識を統一することが必要。     

 「リハビリテーション」をどこまで定義するかは難しい問題である。また京都府のリハ部会がどこまでのリハをカバーするかも難しい問題。我々ができることはリハの質の担保はどうするかとか、お金はどう使われているかなど、我々が施策としてやっていることを示す中で定義していく必要がある。  

(事務局)「リハビリテーション」の定義は非常に一言で表すのは難しい。京都府の「システム」にフィルターを通せるようにすることが大事。リハに熟知した方が増えれば良い。例えば、リハ教育センターの座学研修を受けた方はリハに修了書を発行するなどフィルター、フィルタリングの役割が出来ますよというお墨付きを与えることが大事。柔道整復師やマッサージなどは、定義としては医療で出来ない部分を担っているが、マッサージを求めている人もいるので、大きい意味でのリハビリテーションを担っていると思う。PT・OT・STの人が、この京都の教育というリハのシステムを熟知してくれればよい。

最終案でおおむね良いと思う。ただ2025年問題の受け方、理解の仕方をどういう風に考えるかが気になっている。現在、地域偏在が問題となっている北部地域では、高齢化はもう行き着くところまで来ている。北部、京北町は人口減少社会に向かっており、北部地域は、人口減少もある一定で落ち着いてきている。北部と京都、乙訓、南部、人口集中している地域、高齢化が低い地域、高齢化が40%以上になっている地域では状況が違うと考えられる。その地域の取り組み方を今の状況で判断し、一律に決めつけない方がよいのではないか。       

例えば整形外科では、まだまだこれから頸部骨折が増えてくると思う。看取りの問題もあり、在宅がメインになっていくと思う。5年間で考える、今のアクションプランにおける 施策が適当であると思うが、それ以外については、もっと検討していく必要がある。北部でやった施策を都市部に使えるようなモデルになっていくこともあるのではないか。  

高齢化による部分と、認知症、地域包括ケアの医療提供などのあり方から考えられていることは、おそらく起こるのではと思う。やはり都市部がより深刻な問題。疾患、障害児・者の対策は今、都市部で進んでいる。医療過疎地域に関しては、これからどういう提供をしていくかが今後の課題である。対応力は相対的にいうと、疾患対応能力は医療過疎地域の方がよくなることも考えられる。そういうことも視野にいれながら、第2期以降を考えていかなければならない。       

リハビリテーションの定義は難しい問題であるが、リハビリテーション医学は物理学とリハビリテーション。サイエンスとソーシャルサイエンスであると認識している。今回のプランではP23「リハ提供体制」の中でリハの定義を医学、教育、職業、社会リハということで記載している。医学から始まり、医療、教育、職業、社会リハに繋げるということであり、医学的ということが出発点である。          

2025年に対してどうするかということであるが、要介護者は1.5倍となり、介護者を今の1.5倍を確保することは難しいと思う。リハは地域との結びつきが強いので、リハを通じて、過疎地域なら過疎地域の地域づくり、都市部においては都市部の地域づくりがあり、それが地域包括ケアということになると思うが、その置かれた状況におけるリハのシステムづくりを市町村と話し合いでつくりあげていく必要がある。     

高齢化が進んでいくので、リハニーズは増加してくるが、病院によって運動器、心臓など得手不得手がある。総合病院などでは、合併症に関しても色んな患者さんを受け入れることができるが、限られた診療科では色んな合併症がある患者を一括して受け入れる事は難しい。それぞれの病院が専門に特化して、府全体としてリハがカバーできるようなコーディネートとか振り分けが必要になってくる。         

まとめ

(事務局)リハの関心が高まってきている事を改めて感じた。京都は今まで府立医大にも京大にもリハ医学講座がないということがあり、系統的継続的にリハ医を養成していくことができなかった状況があったが、第2期のプランでに掲載しているリハ教育センターで準備をし、「府立医大でのリハ講座設置」が必要だと思っている。今後ともよろしくお願いいたします。

お問い合わせ

健康福祉部リハビリテーション支援センター

京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465 京都府立医科大学内

ファックス:075-251-5389

rehabili@pref.kyoto.lg.jp