ここから本文です。

クラブコング株式会社(京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業等を紹介するページです。

京都企業紹介(業種別) 京都企業紹介(五十音順) 京都府の産業支援情報

高齢者用IoT PCTマシンシステム

(掲載日:令和2年3月23日、ものづくり振興課 宮﨑)

クラブコング株式会社(外部リンク)(長岡京市)代表取締役 松本様にお話しをお伺いしました。

トップアスリートから高齢者まで、幅広い方が通うフィットネスクラブ

>まずは御社の事業概要を教えてください。

弊社は、平成16年に創業し、主にフィットネスクラブの運営を行っています。施設自体は、私が競輪選手であった平成8年に設立したのですが、「自分が必要と考えた機器を全て揃えて、個人ごとに合わせた適切な運動方法をアスリート目線でも納得できるレベルで、かつご高齢の方から若い方まで体験してもらえるジムをつくろう」と考え、事業化に至り、引退後に法人化しました。

現在では、周辺住民の方々を中心に会員数400名を抱えるまでに成長しました。ご近所のお年寄りから、オリンピックで活躍するトップアスリートまで、幅広い方々にご利用いただいています。

 

>トップアスリートの方々も利用されているのですね。その様な方々にも御社が選ばれる理由は何なのでしょうか。

私が競輪のトッププロ選手として活動していた時から、順天堂大学の協力研究員として運動生理学の研究をしておりまして、現在も本研究を続けています。また、引退後は、夏季・冬季合わせて5回のオリンピックに自転車競技やスケルトン等の指導者として参加し、平成24年のロンドンオリンピックでは自転車競技の日本代表選手団の総監督を務めました。

こうした経緯から、科学的根拠に基づいたトレーニングへのアドバイスだけでなく、アスリートにとって重要となるプレッシャーや精神面のアドバイスなど、自身の経験を活かした助言・指導も行えることが大きな強みと思っています。

 

 

 

>以前は競輪選手としてご活躍だったのですね。

 

はい。私は平成16年まで競輪のトッププロ選手として活動しており、現在でも破られていないG1(S級上位選手のみが出走するタイトル戦で特別競輪と呼ばれる)での最高齢優勝記録(45歳)を保持しています。

 

新たなトレーニング方法「パワーチェンジトレーニング」

>素晴らしいご活躍だったのですね。ところで、今回、新たに「パワーチェンジトレーニング理論(以下PCT)を活用したトレーニングマシン」を開発されたと伺っていますが、そもそもPCTとはどういったものなのでしょうか。

PCTとは、私が現役時代に考案し、順天堂大学と共同で研究を行ってきたトレーニング方法で、目的とするスポーツ活動に最適な動作を身体に強制させることで、トレーニング効果を高めることを狙った新しいトレーニング方法です。

>スポーツ活動に最適な動作とはどういうことでしょうか。

例えば、水泳では水を掻き終える瞬間に力を最大限発揮する必要がある一方、投球動作では動作の初めに力を最大限発揮する必要があり、「動作のどの段階で力を発揮させるべきか、またどの段階で力を出さない方が良いのか」はスポーツ種目ごとに異なります。

PCT理論を活用したトレーニング方法とは、この様な種目ごとの最適な動作に対応する負荷をトレーニング機器に設定し、その動作を身体に強制させながらトレーニングを行うことで、トレーニング効果の向上を図るものです。

>なるほど。

このPCT理論を活用したトレーニング方法は、私が現役時代のトレーニングにも使用していたものですが、研究を進める中で、血圧や関節に負担をかけず、より効果的な運動ができることを発見し、今回ご紹介する「高齢者用IoT PCTマシンシステム」を開発しました。

 

高齢者用IoT PCTマシンシステム

>血圧や関節に負担をかけないとはどういうことでしょうか。

人の身体は、ほとんどの運動において、「動作初期」と「動作終盤」には大きな力を発揮できないようにできています。

一般的なトレーニングマシンでは、「重り」や「油圧」によって負荷を設定しており、「重り」が負荷の場合、「動作初期」に静止している重りを動かすために、大きな力を一気に加える必要があるため、利用者には血圧の急激な上昇や関節への大きな負担を強いることになります。また「油圧」が負荷の場合、「動作初期」では油圧が低く負荷を抑えることが可能ですが、「動作終盤」は油圧が高くなるので、やはり血圧の急激な上昇や関節に大きな負担がかかります。

>なるほど。

そのため、一般的に高齢者にトレーニングマシンを使用してもらう場合、この「動作初期」又は「動作終盤」がクリア可能な負荷を設定し、トレーニングを行いますが、安全性を考慮して小さめの負荷を設定するので、全体的なトレーニング効果が低下してしまうというデメリットがありました。

>御社の「高齢者用IoT PCTマシンシステム」は、この様なデメリットを解決したトレーニングマシンということでしょうか。

その通りです。この「高齢者用IoT PCTマシンシステム」は、文字どおりパワー(負荷)をチェンジ(変化)させながらトレーニングを行うものであり、個々の測定データに合わせて、「動作初期」は小さな負荷からはじめ、「動作中」に最大の負荷をかけ、「動作終盤」は再度負荷を小さくすることで、「血圧や関節への負担を低減しながら、より効果的な運動」を実現しています。

>画期的なトレーニングマシンですね!特許等は取得されているのですか。

「高齢者用IoT PCTマシンシステム」は、利用者の個人の目的や身体的特長に応じた負荷でトレーニングをすることができるトレーニング機器として、特許も取得しています。(特許 第5785716号  トレーニング装置及びトレーニング方法)

>このマシンはどのように使用するのでしょうか。

使い方は至って簡単です。まず氏名、年齢、身長、体重などの基本的な情報の入力と筋力測定を行い、当社のサーバーに利用者の各情報をアップロードします。その後サーバーからマシンに利用者のトレーニング用データが送信され、送られてきた情報に基づいてマシンのモーターが負荷を自動的に調整します。したがって、利用者が好きなときに、最適な条件で個人のレベルに応じたトレーニングを容易に実施することが可能となります。

>素晴らしいトレーニングマシンですね。どのような機種をラインナップされているのですか。

現在は、腕と胸の筋肉を鍛える「Dips」、上半身の強化と姿勢の改善を同時に行う「Seated chest」、下肢の筋肉を総合的に鍛える「Legpress」、膝・爪先を持ち上げる大腰筋・腸腰筋・前脛骨筋を同時に鍛えることで躓き防止に資する「MPM」(大腰筋:Muscle psoas majorの略)の4機種をラインナップしています。

>どこに行けばこれらのマシンが使用できるのですか。

現在は福祉・介護事業者様向けにレンタルしておりますが、将来的にはフィットネスクラブなどへの参入も検討しております。

   

 ※左から、「Dips」、「Seated chest」、「Legpress」、「MPM」

新しい需要を満たせるサービスの提供を目指して

>素晴らしいトレーニングマシンをご紹介いただきました。最後に、今後の展望についてお聞かせください。

弊社は現在、「新しい需要を満たし、誰かを助けることができるサービス」の提供をビジョンに掲げています。

この超高齢化社会の中で、高齢者の健康寿命を延ばすことは大きな社会的課題となっています。今後も、トレーニング結果を家族間で共有できるスマートフォンのアプリ「ファミリーコネクター」などの関連サービスの充実を図り、IoT PCTマシンシステムを中心とした事業を拡大をしていき、高齢者の健康寿命の延伸、老化防止、スキルアップ等に寄与するものとして普及させたいと考えています。

>素晴らしいお考えですね。

社会が求める需要は刻一刻と変化していきます。徹底的にユーザーの声をヒアリングをすることで、新たな需要をいち早く発見し、その需要を満たしていく事でより充実したサービスの提供を行っていきたいと思います。

 

 

>今後の展開が楽しみですね!

 

お問い合わせ

商工労働観光部産業振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp