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株式会社yodayoda(旧:データ未来研究センター)(京都企業紹介)

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非GPSでのドローンの位置推定とロボットのための地図

(掲載日:平成29年1月12日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

 株式会社yodayoda(旧:データ未来研究センター、京都市)小田雄一代表取締役CEOにお話をおうかがいしました。

ドローン自動飛行に不可欠な非GPSでのドローンの位置推定

―ドローンに関するすごい技術を開発中でらっしゃいますね。

小田)ドローン自己位置推定技術のことですね。ドローンは、GPSによって自身の位置を把握し飛行やホバリングを行っていますが、以前に姫路城にドローンが衝突した事故がありましたように、GPSを受信できなくなると自身の位置が分からなくなり、コントロールが効かなくなるのです。こうした中、非GPS下におけるドローンの位置推定技術が世の中から求められています。私どもの位置推定技術では、例えば橋梁の下やビルの真近など、人工衛星から隠れてGPSが効かない場所でもドローンをコントロールできます。

精度もGPS制御に比べて格段に高く、20cm立方体内に収める精度は92%以上です。現在ありがたいことに、大きなインフラをも保有されている業界の方々をはじめ、様々な方面から引き合いをいただいています。

―素晴らしい!どういう技術か触りだけ教えてください。人工知能技術がポイントになっている?

小田) 最近の自動運転、古いもので言えば米軍の巡航ミサイルの弾着などにおいて使われてきた技術と近いものです。従来まではドローンと言えば、空撮がメイン、つまり、人を介したドローン利用が主流でした。しかし、近年の計算機の高速化・小型化、及び「ディープラーニング」(多層ニューラルネットによる機械学習)をはじめとする機械学習関連技術の発展によって、ドローン自体がある程度複雑な情報処理をこなすことが現実的になってきており、自動飛行をはじめとする種々の作業をドローンによっておこなえる素地が整いつつあります。

―起業のきっかけや、これまでの経過はどういったものですか?

小田) 京都大学大学院博士課程在籍時にイスラエルへ渡航し、そこでベンチャー精神に触れたのがきっかけで起業を決意しました。イスラエル人は、良くも悪くも周りの人を気にしない。それが独自の技術やスタートアップを生み出す要因になっています。また、たいしたことがなくても、初めからホームランを狙いにいくスタートアップが多い。全力で向かっていって、全力で空振りする(笑)、多産多死ですね。ただ、そこから世界をアッと驚かせるようなものが出てくる。ワクワクしました。

どんなスタートアップにしたいかと言えば、やはり私どもは人類社会にインパクトを与えたい、それが第一の目標です。第二に儲かること。この順序での目標設定にはこだわっています。第二がなければサステナブルに仕組みを回せませんが、それを第一にもってくることもしたくない。人生を賭けてやるならば、やはり、第一の目標に挑戦したいです。いま、異能の人たちが集まってきてくれていますが、第一の目標のもとに集まってきてくれていると感じています。

ただ、スタートアップは歌手と同じで売れなければ結局意味がないというところもある。初めは、増大しつつある衛星のデータを、進化を遂げるディープラーニングによって解析するという大学内の研究プロジェクトから始まりましたが、アカデミックな世界と違うのは、売れることへの強烈なこだわり、アニマルスピリットを持っているところですね。現在のメンバーも京大や阪大出身のエンジニアや機械学習の専門家で構成されています。大学で培った深い技術と貪欲な姿勢、この二つを手に世界で勝負をかけたいです。

ロボットのための地図。ドローンにフォーカス。

―今後の展望はいかがですか?

小田) ドローンのための地図づくりを進めたいのです。今後、ロボットが屋内屋外問わず、たくさん動きはじめます。そのときにロボットが読み取る「地図」が必要になってくる。「地表」は、カーナビやGoogle Mapなどで既にデータ化されています。また、「上空」は飛行機のフライトデータによってデータ化されています。しかし、その間の、我々が生活しているビルが立ち並ぶ市街地や三次元空間の地図に関しては、まだ有効活用されているとは言えません。空を飛ぶドローンはいずれ人を乗せるようになる。または陸を走る自動車が空を飛ぶようになる。そんな時代になっても、三次元空間のデータ化や地図は不可欠になってきます。それを今から局所的にでも作っていきたいのです。

 

今後の展開が大変楽しみです!

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