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株式会社草川精機 (京都企業紹介)

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アルミ大物精密加工とファクトリーマネージャーによる職場改革

(掲載日:平成28年8月23日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

株式会社草川精機(京都市南区)の草川社長様、伊東人事課長兼総務・経理課長様にお話をおうかがいしました。

「大物」を高精度で平坦にできる技術― アルミ・ステンレス等の切削加工

まず御社の概要を教えてください。

草川) 1962年創業、現在従業員40名で、アルミ、ステンレス等を大きな塊から切削加工しています。スマートフォン用液晶画面製造装置、ロボットアームなど産業機械分野、人工関節部品、医療用カプセルの成形型など医療分野のほか、航空機関連分野などの受注をしています。航空機関連は、大手重工様等から直接、間接に依頼がまいります。

―機密事項も多そうですね。

伊東) 当社の部品そのものが、なかなか表舞台に出ることはないのですが、リニア新幹線、つくばの研究機関など、国を支えるような重要なプロジェクトに関わった時には、当社の技術がお役に立てていることに感動しました。今では普及してきたPET(陽電子放射断層撮影)の開発に携わった時もそうです。

―素晴らしいですね。技術面での得意分野はどういったところでしょうか。

草川) 大型の薄板であっても、高精度の平坦度を実現することを得意としており、液晶製造装置のアルミ吸着プレートなどは、液晶製造装置メーカーからも「この部分だけは」と依頼をいただきます。アルミの大型部品は加工後にそり、歪みが出ますので、それらに考慮して加工するのが難しいのですが、当社独自の方法で加工をしています。

「ファクトリーマネージャー」による生産改革と職場改革

―御社と言えば「ファアクトリーマネージャー」で有名ですね。

草川) 2005年に、大昭和精機株式会社様のソフトウェア「ファクトリーマネージャー」を導入しました。導入後は、工具・刃物をパソコンで管理して、まずは、切削工具を節減しました。また、プログラムを各個人で作成、管理するのではなく、標準化し共有しました。そのことにより、生産工程の短縮化を実現しました。導入直後は、多くの企業が見学にこられ、当社の考え方に共感され、コスト削減を実現できたと、喜んでいただきました。

―すごいですね。どういうシステムなのですか?

伊東) マシニングセンタ等で使う各工具にICチップが埋め込まれており、工具の形状、所在、使用履歴等が分かるようになっています。また、社長などベテラン社員が作った加工プログラムも標準化され、蓄積されています。ですので、例えば、ある部品を作るという場合、入力すると、それに必要な工具のリストと、それぞれの工具が工場内のどこにあるかが表示されます。それら工具を集めてきて、マシニングセンタのポットにセットするのですが、セットする位置はランダムで構いません。工具の突き出しの長さも全てデータ化されていますので、機械が勝手に読み込んでくれるのです。

―おもしろいですね。どういう効果がありますか?

伊東) 生産のコストダウンにつながるということです。まず1つは、単純にスピードアップが図れます。次に、工具・刃物の共通化によるコストダウンです。以前は、個人の力量に生産を任せていましたので、それぞれが「マイ工具」を占有していましたから、どこにどんな工具・刃物があるのか、正直把握しきれないようなところがありました。本システムを導入するに当たって、工具の棚卸をしてみると、なんと2万本の刃物が社内にありました。そこで、工具・刃物の共通化を図ることで、工具数自体を減らすこともできまし、共有工具の在庫を置くことができ、工具不良による生産工程の停滞がなくなりました。

―なるほど。

伊東) そして3点目は、作業の標準化によるコストダウンも進みました。先ほども申しましたように、ベテラン社員のプラグラムなども全てデータベース化し共有、活用できますので、リピート品ならアルバイトの方でも加工が可能です。この点は、単に「生産改革」というだけでなく、「職場改革」にもつながっています。その1つは、技術の標準化です。技術をデータベース化して個人の技術ではなく、会社の技術として、製造員全てで共有できます。そして、もう1つは、人材育成の標準化です。特定の人に人材育成を頼らずとも行えるようになりました。かつては、自立した技術者を育成するために、何年もの月日がかかりました。それまで我慢できずに退職してしまうという若年者がたくさんいました。また、自立したとたん、転出してしまうということもありました。そのような仕組みでは、定職率も悪く、安定した仕事ができなくなります。それが、このシステムを導入する大きな理由でもありました。お陰さまで、。職場の風通しは一段と良くなり、若い社員も増えました。

「この子こんなに変わったの」と驚く人材育成研修

―標準化されて、特徴がなくなることはないのですか?

伊東) 標準化は進めながらも、常に新しい工具のこと、プログラムのこと、製品のことなど、社員は研究しています。OJTでは、新しい、難しい製品には、ベテランと新人でコンビを組んでトライするようにしていますし、集合研修は同業他社とも共同で実施し、外部との交流も含め互いに刺激を受け切磋琢磨するようにしています。

―そうなのですね。

草川) 広い視野を身につけたり、人の話をよく聞くようになったり、「えっ、この人、こんなに変わったの?!すごい!」と思うこと、ありますよ。

チームで飛躍を目指す

―素晴らしい。

伊東) 現社長は、生産も、営業購買も、財務もで全て一手に引き受け、自身のモノとしてここまで会社を成長させきましたが、それを継いで現社長のように、一人で全てを把握して会社運営をする人材育成はとても難しいと思いました。そこで、新しい発想として、それぞれが専門的な能力を持つリーダーが集まり、いずれはチームみんなで社長の意志、方針、経験、技術などを受け継いでいこうとも思いますね。

―いわば、新しいカタチの事業承継ですね。素晴らしい考え方です。チームと言えば、「京都航空宇宙産業ネットワーク(KAIN)」はいかがですか?

草川) 今回立ち上がった「京都航空宇宙産業ネットワーク(KAIN)」は大変有意義です。合同での展示会出展はもちろん、情報交換により「これからの旬」な業界情報もいただけます。そして、それぞれ分野が異なる企業が集まっているので、営業面でも有利ですし、お互いに取引もできます。今後、このチームで様々なチャレンジを進めていきたいですね。

 

同社の今後の発展がますます楽しみです!

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp

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