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洛陽プラスチック株式会社(京都企業紹介)

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図面レスの開発から完成品まで一貫対応の高品質・高精度樹脂加工

(掲載日:平成28年8月29日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

 
洛陽プラスチック株式会社(外部リンク)(宇治市)の本田専務取締役様にお話をおうかがいしました。

オンリーワンの「エンボスパネルシート」試作― 魅せる樹脂加工

―まず、事業の概要を教えてください。

本田) エンプラやスーパーエンプラなどの樹脂を削る加工を行っています。また、樹脂製品への印刷加工も行っております。

   

―特長的なものにはどんなものがありますか?

本田) 例えば機器スイッチの概観の仕上がりを大きく左右するパネルシートですね。当社はもともと表面処理の一環でシルク印刷を行ってきた結果、ノウハウがあります。図面の有無にかかわらず、配色、材料をご提案しながらイメージどおりにお作りします。特に、普通はパネルシートの金型を作らねばならない、ボタン部分を少し膨らませて押しやすくした形状の「エンボスパネルシート」の試作を、小ロットから対応するところは他には見当たりません。

 

段取り時間を最小化する手法と機械の追求

―加工工程での工夫についてご紹介ください。

本田) まず1つは、機械金属加工の場合は、バイスでがっちり掴んで加工材を固定しますで、取り外しに手間がかかる上に、バイスで掴んでいる近辺は加工ができないというケースがあります。プラスチックは金属と違って水分を吸うということもありますので、当社では基本的に切削油を使用せずにエアでのクーラントと切削屑の除去を行いますので、バイスで固定せず両面テープのようなもので固定するなどという方法を採ることが出来ます。そうすると、材料を複数個設置でき得ますし、脱着の手間もなく、周辺部が加工できないということもありません。こうして機械に人が張りつく時間を短く、機械が自動で動いている時間を長くし、次のプログラミング作成や他マシンの段取りに取り掛かる時間を少しでも増やす工夫をしています。

―なるほど。

本田) 金属も同様でしょうが、温度により材料が膨張したり縮小したりするので、温度管理をしっかり行い、膨張率等を踏まえて加工しています。

 

―いろいろ留意点があるんですね。

本田) そしてもう1つの工夫というか特徴は、フライス盤、マシニングセンタのほか、少し大きめのNC旋盤を導入していることです。機械金属加工の業界に比べると、プラスチックで必要とされるワークサイズは小さいものが多いので、当社のような大きいものは珍しいです。人が育ってくるに従い機械はどんどん増やしていまして、いずれは現工場も手狭になる日が来るかもしれません。

楽しく切磋琢磨できる人員・機械の体制

―御社の強み、特長はどういったところにありますでしょうか?

本田) 難しい加工の依頼が来ても、「とにかくやる」という姿勢で、断りません。そのための技術水準を維持しています。当社では、仕入れる材料を加工に見合った大きさにカットする最初の工程以外は、すべて1人で行います。すなわち、自ら工程設計して、加工まで一人でやり切ります。そのため、CAD/CAMも、加工機も1人ずつ割り当てています。加工機の場合は、同時に複数機を自動で動かしていることもありますが。段取り時間を最小化し、機械を自動で動かしている間に、どんどん次の、新しいプログラミングをしていくので、「楽しい」わけです。

―なるほど。

本田) しかも、当然みんなそれぞれ違うやり方をしたりするわけですが、そうした中で、互いに教え合って高めあったりするわけです。個人のスキルが上がって、結果的にみんなのスキルが上がっていく環境です。

他の加工屋が営業していない時期から営業

―素晴らしいですね。顧客についてはどうですか?

本田) 2000年代半ばから東京の展示会に出始め、営業を開始しました。当時は加工屋が営業に行くというのは、まだ珍しい時代でしたし、当社の高精度の技術、納期遵守の姿勢などが認められ、結構お客様を獲得できました。今の顧客企業様はその時代からお世話になっているところが多いです。

―東京の取引先への納期は、京都では不利ではないのですか?

本田) プラスチックの場合、それほど重いものではありませんので、配達の便に乗せますと、東京でも京都でも差がないのです。

―なるほど。本田専務の、何と言いますか、良い意味で、少し力の抜けた姿勢も、営業的に良かったんでしょうね(笑)

本田) ぐいぐい来られるよりは、ちょうど良い加減だったのかもしれませんね(笑)。営業は少々力を抜き加減で、でも、仕事はしっかりする、ということです。

「開発部」を作りたい

―最後に今後の展望はいかがでしょうか?

本田) 既に対応していますが、図面なしでも対応するというケースをもっと増やしたいですね。ご相談を受け、ポンチ絵を作って、データ化・プログラミングして、作っていくといったような。将来的には「開発部」を作りたいと思っています。

 

同社のますますの発展が楽しみです。

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