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株式会社坂製作所 (京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

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ロボット・工作機・ショーケースにも組み込める小型・省エネ・静音コンプレッサーと単品から中ロットまで対応できる高度なノウハウ

画像:SAKAパーソナルコンプレッサー。コンプレッサーの常識を打ち破る極小型・省エネ・静音

(掲載日:平成30年12月3日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

株式会社坂製作所(京都市)の坂代表取締役にお話をおうかがいしました。

単品×大急ぎ×超精密

―近年、「SAKAパーソナルコンプレッサー」で有名な御社でらっしゃいますが、まずは、御社の概要を教えてください。

坂) 1960年創業、現在12名で、生産設備・自動機等の部品加工・組立、試作等を行っています。特徴としまして、まず1つは、様々な金属を、高精度に、単品加工を、短納期で対応してきました。2つ目は、そうした高精度加工技術を活かして極小型・静音コンプレッサーの開発・販売です。3つ目が、量産体制を整え、増加している中ロット生産品対応にも幅を広げているところということです。

―1つ目の特徴から順番にお聞きしたいのですが、社長は何代目でらっしゃいますか?

坂) 3代目です。祖父が創業した戦後は、部品加工でスタートしました。やがて高度成長期に差し掛かり、バブル経済期まで、京都の大手メーカーの下請けの仕事が当社の売上割合の大半を占めるようになりました。当時、重要だったのは「品質」と「納期」。それこそが顧客が求めるものだったのです。しかし、バブルがはじけ、状況は一変しました。そこで「我が社の本当の強みは何だ」ということになりました。

―なるほど。

坂) 旋盤、フライス盤、マシニングセンタを用いた加工を得意としてきましたが、「なんでもできます」ではなく、もっと絞り込んで表現しないと、と考えました。振り返って、特に他ではなかなかできなかったものが、半導体製造で使われるシューター部品で、空気の通る溝を趙精密に加工するという技術でした。

 

―そして、こうした超精密加工を短納期で行える体制も整えてらっしゃると。

坂) はい。ツールは整然と整理するとともに、多数の加工プロセスや社内データ編成はシンプルに構成し、変更対応も容易にしています。検査冶具もすぐそばに備え付け、加工時に確認し、3次元計測器などで加工後も検査を行う体制が整えています。

 

―なるほど。

坂) また、社員個人個人のパソコンで社内でのデータベース閲覧やファイル転送が手軽に使える環境を整えており、分担作業がスムーズですし、管理システムで納期や材料、加工工程などの手配内容や加工時間、製作状況の確認も手軽に行えます。こうした体制も整え、超精密と短納期を両立しています。

図:管理システム

小型なのに強力、これまでにない静音を実現したコンプレッサー

―そうなのですね。

坂) さきほどのシューター部品で用いている技術を活用したのが「SAKAパーソナルコンプレッサー」です。

画像:弊社新型モデルFC01 新型タンク付きFC01U-T1.3

―その特徴をお聞きする前に、コンプレッサーについておさらいをしておきたいのですが。

坂) 気体を圧縮し送り出す装置で、外で見かけるもので言いますと、塗装や空圧工具にもよく使われていますね。自動車のタイヤのボルトを締めるのに使われているのもそうですね。土木工事やレジャーでもよく使われています。電気の力より圧縮空気の方が強いのです。もちろんコンプレッサー自体の動力源は電気ですが。

―よくイベント会場などで、大きな箱型のものが、どどどどって音させてますものね。

坂) 空気を圧縮するときには熱が発生し、逆に空気が膨張するときには熱を奪いますから、加温や冷却にも用いられ、エアコンや冷蔵庫の部品としても組み込まれています

―なるほど。

坂) 我々の世界ですと、工作機械やプレス機等にも欠かせません。マシニングセンタの主軸を動かすのにも使われています。ロボットアームの先端部分を動かすのもコンプレッサーです。電動だと、必ずその部分にモーターが必要になりますが、コンプレッサーだと、別の場所から配管で圧力を伝えればいいだけですから。なので、我々の工場でも、コンプレッサーは、大型のものを1台置いておいて、配管でその圧力を伝えて用いるというのが一般的です。ほら、あの管はコンプレッサーの配管です。

―なるほど。ところが「SAKAパーソナルコンプレッサー」は・・・。

坂) 小型なのに強力で、これまでにない静音を実現しています。

画像:驚きの手のひらサイズを実現

―まず、どうしてそれが実現できたのか、教えてください。

坂) コンプレッサーの心臓部であるスクロールに秘密があります。浮動スクロールが回転することで、固定スクロールとの間で、溝の幅が変化することによって、送られた空気が圧縮し送り出されるのですが、2つのスクロールは金属ですので、ぶつかるわけにはいきません。よってどうしても隙間が生じますし、隙間から空気が漏れれば圧縮できませんので、その隙間を埋めるために、チップシール、分かりやすく言えば、パッキンですね、それを取り付けています。そのため、永らくそのパッキンが重要部品で、チップシールがスクロールの寿命を決めるものでありましたし、チップシールがついているため、スクロールを高速回転させることができませんでした。

―そうなのですね。

坂) しかし、当社では、半導体のシューター部品で用いてきた超精密加工技術を駆使して、何千個もの試行錯誤を経て、チップシールなしでも空気が漏れない精度のスクロールを開発しました。真似はできるようでできないです。一見単に平らにしているだけに見えますが、ねじの位置ですとか、パターンによって全体をどうするかとか、何千個と試作を重ねる中で培ったノウハウによりますので、形だけ真似をしても空気が漏れないようにすることはできません。特許は取りましたが、逆に他から「うちの真似をしただろう」というようなことを言われないようにする守りのためです。こうして、チップシールが不要なので、高速回転が可能となり、スクロール型のコンプレッサーにして、小型でも強力なものができました。

―なるほど。他に小型のものはないのですか?

坂) ピストン方式のもので小型のものはありますが、ピストンの音がうるさいのです。当社のものは43dbと極めて静かです。実際に音を聞いてみてください。

図:騒音環境と騒音感覚

組込みにより工場省エネ、ロボットの自由移動を実現するコンプレッサー

―おお!ほんとですね。これだと家の中で用いても全然平気ですね。用途はどういったものが想定されますか?

坂) これまでにないものなので、その用途開発中状態ですが、本当に様々なシーンで利用できると思います。例えば、先ほど申しましたように、今までは工場全体にくまなくエアを送る集中管理方式でしたが、使用したい部分だけにエアを送る分散方式にすることができますので、無駄な稼動を抑え大幅に省エネを実現することができます。

―いいですね。

坂) また、小型で強力なので、これまで組み込まれていなかった、工作機械、ロボットにも組み込むことが可能です。移動するロボットにも、これまでの集中管理方式だとエア配管がついて遠くに動けなかったものでも、組込型にすることで、配管から解放されます。

画像:刻印機、プレス、カシメ機に 画像:機械に組み込めばAC電源のみで使用可能

静音で病院・施設・美術館にも広がるコンプレッサー

―素晴らしいですね。

坂) また、静かですので、病院等でもお使いいただきやすいですし、最近は、美術館や博物館からの引き合いも増えてきています。ショーケースの温湿度管理装置用ですね。

―いい話じゃないですか!

坂) お客様の仕様に合うよう、カスタマイズも行っています。

画像:ご要望に合わせた形状に変更可能

中ロット対応の高度なノウハウ

―では、最後に、中ロット生産品対応についてですが、単品とはどういった点が違って、難しいのですか?

坂) 加工の寸法交差を、ミクロン単位で合わすわけですが、それを例えば10個の部品とも、全てそうするということです。

―そうやってそうするのですか?

坂) 例えば、マシンも稼働していると熱を帯びますので、微妙にずれてきます。だから、同じ加工加工プログラムではずれてくるわけですので、同じ加工なんだけど、プログラムを変えたりするといったことがあります。

―そうなんですね!では、最後に今後の展望や課題についてはいかがでしょうか?

坂) そうですね。様々な分野の方々と連携したいですね。例えば、コンプレッサーの応用例はまだまだたくさんありまして、消毒液の噴霧用の引き合いもございますが、その噴霧範囲の測定ですとか、あるいは、コンプレッサーのデザインですとか、様々な方にもご協力いただきたいですね!

 

 

今後の展開が大変楽しみです!

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp

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