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株式会社サンエムカラー(京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業等を紹介するページです。

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印刷の未来を刷る会社

(掲載日:令和2年12月7日、聞き手・文:ものづくり振興課 安井、岩橋)

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 令和2年度京都中小企業技術大賞(外部リンク)の技術大賞を受賞された株式会社サンエムカラー(外部リンク)(京都市南区)の松井代表取締役会長兼社長にお話をお伺いしました。

高精細な印刷技術を追求する

-まず、御社の概要を教えてください。

松井)昭和59年に創業し、従業員120名、あらゆる印刷物を企画から製品完成までを行う総合印刷会社として営業を行っています。
また、近年は印刷物の枠組みにとらわれない古典美術のデジタルアーカイブやコンテンツを使ったオリジナルグッズ商品の開発、作家やアーティストの活動をサポートするイベント企画など、美術・文化の分野へも営業活動を広げています

 -手掛けられた作品が多くの賞を受賞されていますね。

松井)近年、画質の高精細化が強く求められるようになり、技術開発に取り組み、国宝級の絵画・屏風・掛軸や古文書など、文化財の複製などの新たな市場ニーズを生み出し、多くの作品を手掛けてきました。さらに美術カタログや芸術写真集などアートブックの分野も多くの受賞作品を手掛けています。

超高精細印刷 燦・エクセル・アート(印刷の8K)

 -令和2年度京都中小企業「優秀技術賞」を受賞された「超高精細印刷 燦・エクセル・アート(印刷の8K)について教えてください。

松井)通常のオフセットカラー印刷の33倍の高精細化を実現し、画像本来の彩度と精密さを再現するために装置メーカーと共同開発したものです。色鮮やかで彩度が高く、細部のクリアな表現が可能で、再現性の精度が全く異なります。
 印刷の前工程である画像技術に関する装置自体は、(株)SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ、資材である印刷プレートは富士フィルムグローバルグラフィックシステムズ(株)が開発しています。しかし、装置スペックが高く使いこなせる企業がなかったことから、当社が加わり、当社の印刷ノウハウと画像技術が一体化したことで、写真のような高精細印刷が可能となりました。 

-なるほど。

松井)通常のオフセットカラー印刷では、175~230dpi(=1インチ四方の網点の密度)が用いられていますが、当社の技術は1000dpi相当になります。インキを拡大してみると、175dpiではインキのドット(網点)が大きく、模様がほぼ確認できません。網点が大きいので、網点同士が重なることで色が混ざってしまい、濁りが出てしまいます。また、インキ量が少ないことでモアレ(意図しない模様)も発生しやすく、色が濁って見えてしまいます。

 燦・エクセル・アート(印刷の8K)は、インキを最大に盛ることで、色の混ざりや網点の潰れなどが起こらず、鮮やかな色彩が表現できます。彩度の高い印刷が可能な他、網点の太りによる濁りも解消されます。

 

 

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(左;インキ拡大図、右:緑を表現する場合の網点)

-なぜ、御社では超高精細な印刷が実現できるのでしょうか。

松井)インキを極細のピラミッド型の先端に、できるだけ最大に盛る当社のオフセット印刷は、印刷面の画線部と非画線部を、1枚の平らなアルミプレート上で、水と油(インキ)の反発作用を利用した印刷方式です。「版」に「インキ」をつけて、版に付いたインキを「ブランケット」というゴムの胴に転写させます。ブランケットはゴムなので状態により伸縮するため、1週間に1~2回点検、整備を行います。高度な品質は、手間暇をかけて丁寧に印刷機を調整することから実現できます。
 また、版面の水の調整と、ゴムの胴のミクロ単位の調整により、印刷する作品集の品質が非常に変化してきます。
 この微妙で緻密な調整は、長年高品質な印刷物に取り組んできた我々だからできる動作で、また、数値や印刷機のマニュアルにとらわれない、「目で見て」良し悪しを判断できる、経験と実績に裏付けされた高度な技術と言えます。

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アナログとハイテクで作り出す

 -超高精細な印刷技術により、文化財なども再現性が高まるのですね。

松井)国宝級の絵画や古文書などは、劣化による文字の剥がれた感じや素材感などを再現するために、画像処理も重要になってきます。

ただ、印刷する時には、処理した画像と現物を見た時の印象から乖離をしないように最終的な調整を行っています。「見た」感覚を再現するということです。

 例えば、色の差異を表す「ΔE(デルタイー)」という値がありますが、一般的には「3」で差異なしとなります。しかし、「1」であっても我々の目で許せないものがあったりします。 

-なるほど

松井)画像処理には、「ギガピクセル・アートスキャナ」を使用します。縦方向は最大2メートル、横方向は4メートルまで対応できます。機能はスキャナと同じですが、ライトが5本入っています。4方向から撮影可能で、カメラと一緒に光源が移動するため、作品に光を均一に当てることができます。また、ライティングの設定により、金や銀の光沢をコントロールしたり、影の付け方を微調整できます。そうすることで、紙の凹凸感、素材感などを細かく調整できます。

 デジタル技術を駆使した高解像度の画像処理、アナログとハイテクの融合、そしてカラーコーディネート、これが当社の売りですね。

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 -職場を拝見したところ、画像処理のご担当の方々は、若い社員さんが多かったですね。

松井)美大、芸大出身の社員を多く採用しています。中には、伝統工芸作品の模写、復元の専任者もいます。

以前は、印刷業界に関心を持ってもらうよう、夏休みを利用して大学生向けに印刷技術に触れる機会を設けていました。今後こうしたプリンティングアカデミーを再開し、若い有望な方々と新たな取組をしていきたいですね。

-社内での人材育成はどのようにされているのでしょうか。

松井)最終的な印刷の色彩は私が決定していますが、印刷物の色彩度を3%、5%と微妙に調整し、見比べています。そうして職員の見る目を鍛えることが大切だと思っています。

社名の「SUN」=太陽 のように明るい笑顔が印象的な松井会長。京都の印刷業界を牽引するご活躍に注目です!

 

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp

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