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京都府では、飲食時における新型コロナウイルス感染リスク低減に向けた安全対策の向上を図るため、全国で初めてとなる飲食店等のCO2濃度等のモニタリングを実施しています。
今般、CO2濃度モニタリング事業に御協力いただいている「CO2濃度モニタリング協力店」の皆様から、よくご質問をいただく内容についてまとめました。(内容は随時更新いたします。)
【監修】
国立大学法人電気通信大学 石垣 陽 特任准教授
公衆衛生学博士 天野 方一 医師
Q2.サーキュレーターは、かえってウイルスを撒き散らすのではないでしょうか。
Q3.暖房器具(石油ファンヒーター等)を使った場合にすぐにCO2濃度が上昇します。換気のタイミングはどのように判断すれば良いですか。
Q4.季節や天候によって、CO2センサーの数値が上がってしまうことはありますか。
Q5.エアカーテンを設置しましたが、使用するかどうか迷っています。感染対策として使用した方が良いですか。
Q6.窓が一つしかないので、奥まで換気が行き届いているかどうか不安です。どうすれば良いでしょうか。
A1.基本的にはどこに設置しても大きな差異はありませんが、以下の場所は避けるようにしてください。
A2.自然換気を行う場合や風が弱い場合、サーキュレーターを利用するのは1つの手段ではありますが、ご懸念のように、サーキュレーターの風が直接、コロナウイルスの陽性者に当たってしまうことで、ウイルスを含むマイクロ飛沫(※)が撒き散らされ、集団感染が起きた事例が国内で報告されています。
マイクロ飛沫…空気中を浮遊する小粒子や細かい飛沫
サーキュレーターは「汚れた空気を押し出す」ために使うことが有効です。例えば、窓に向かってサーキュレーターを配置するなど、風を直接人に当てないように注意してください。
A3.燃焼式の暖房器具はCO2が大量に発生するため、これらの暖房器具の使用中は、CO2センサーで換気のタイミングを計ることは難しくなります。
なお、感染症対策とは異なりますが、CO2濃度が1000ppmを超えると意思決定能力の低下が報告されており、感染症対策のみならず、労働衛生の観点からも、CO2濃度を1,000ppm以下に保つことは有用といえます。
また、一酸化炭素中毒による死亡事故を防ぐため、こまめな換気(30分に一回以上、数分間程度、部屋のドアや窓を全開する)を推奨しています。こちらは感染症対策でも推奨できることですので、ぜひ遂行してください。
Q4.降雨・降雪ではCO2濃度が減少すると言われていますが、その減少量は50ppm以下ですので、天候による大きな影響はございませんが、乾燥した大気中では粘膜も乾燥してしまうため、ウイルス感染のリスクが上昇します。
基本的には天候に関係なく換気を実施していただくことが、感染拡大防止において非常に重要です。
冬場や梅雨で窓・ドアを開けにくく、自然換気ができないような時期は、機械換気の能力を上げる事で、なるべくCO2濃度を下げるよう心がけてください。具体的な対策として、以下が挙げられます。
A5.エアカーテンの設置方法によっては有効に働く場合がありますが、使用方法を誤るとサーキュレーターと同様に、風が直接コロナウイルスの陽性者に当たってしまうことで、ウイルスが撒き散らされてクラスター化する等の逆効果もありますので、使用する際は以下の点にご注意が必要です。
A6.窓が一ヶ所だけの場合でも換気効果はあります。実際、窓を一ヶ所、数cm空けるだけでも、換気扇などの換気設備による換気に比べ、換気量が2倍に増大した事例もあります。
しかし、奥の空間に空気が滞りやすいことは事実です。そのような場合はまず、奥の空間にCO2センサーを設置して換気状況をモニタリングすることを推奨します。その上で、奥の空間の換気が悪い場合には、次のような換気対策を行ってください。
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