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青年海外緑と文化の大使レポート(パラオ)

S・M(出身:綾部市) 平成19年度2次隊(職種:小学校教諭)

私は現在、青年海外協力隊員として、パラオの現地の小学校で教員として活動している。

私の暮らしている国、パラオは太平洋に浮かぶ島国である。日本から飛行機で3、4時間程で、時差はない。国土は屋久島と同じくらいの面積で、大小200以上の島々がある。人口はたった2万人程で、国民全員が知り合いのような本当に小さな国である。気温は年間を通じて約27度と一定で、湿度は非常に高い。なんだか日本の梅雨開けの頃の気候を思わせる。1日中雨が降り続くことはないが、さっきまで晴れていたのに急に雨が激しく降り出し、数分でまた晴れるということがよくある。日差しが非常に強く、炎天下に数時間いるとひどく日焼けをして痛い目に遭う。私も一度やけすぎて背中に水ぶくれができたことがあり、非常に大変な思いをした。

パラオは1914年から第2次世界大戦が終わるまでの約30年間、日本の統治下にあり、戦前は多くの日本人が住んでいた。また、戦中は国内のペリュリュー島とアンガウル島が戦場にもなった。それにも関わらず、パラオでは、かつて日本が侵略した他の国々がもつような反日感情が全くと言ってほどない。それはなぜかとパラオの人々に聞いてみると、日本はパラオに優れた技術と文化をたくさん残してくれた。そして、日本人は非常に礼儀正しく親切だったからだと答えてくれた。多くの人々が日本が、日本人が大好きだと言ってくれる。実際に私が道を歩いているとたくさんの人に声をかけられる。日本人として本当にうれしく思う。

そういった歴史的背景もあり、パラオには日本の文化や習慣が数多くある。パラオ語になっている日本語は約800語もあるという。

例えば、野球は『やきゅう』と呼び親しまれ、老若男女問わず大人気のスポーツである。州ごとにチームが組まれ、年に一度、「メジャーリーグ」と呼ばれるリーグ戦も行われている。また、応援することも『おうえん』というパラオ語になっている。以前、そのやきゅうのおうえんに行ったときのことである。試合は打撃戦で、両者の勢いは互角であった。こんな試合に観衆は大盛り上がりでおうえんしている。そこで私の耳に聞こえて来た言葉は、「どっこいどっこい!!」私は耳を疑った。「今何て言った?どっこいどっこいって言った?」尋ねてみると、やっぱり「どっこいどっこい。」しかも意味も日本語と全く同じ。こんな言葉までパラオ語になっているのかと本当に驚かされた。

また、こんなこともある。私はパラオ人のお宅にホームステイをして、家族には83歳のおばあさんがいらっしゃる。おばあさんは子どもの頃、日本の教育を受けられたので日本語がとても上手。だから、私がおばあさんと話す時はいつも日本語。 また、おばあさんはパラオでも放映されているNHKを毎日楽しみに見ていらっしゃる。そんなおばあさんと一緒に大晦日を過ごしている時のことである。おばあさんが正月の準備だと言って作り始めたのは、なんと白玉入りのお汁粉。パラオにはお正月にお汁粉を食べる習慣があるそうだ。そして数時間後、出来上がったのは日本のものと全く変わらないおいしいお汁粉。まさかパラオでお汁粉が食べれるとは思っても見なかった。その後、おばあさんとそのお汁粉を食べながら、NHKの紅白歌合戦を見て、それに出演している演歌歌手について日本語で話していると、気候が暑いことを除けば、完全に日本にいるような気がしたことはいうまでもない。

このように、たまにここは日本の離島かと思わせるようなこんなパラオで、明るく親切なパラオの人々とこの2年間楽しく過ごしたいと思う。そして充実した活動を行えるよう頑張りたい。

 

 写真 算数の授業(5年生)

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