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令和3年度京都府子ども議会について

令和3年度京都府子ども議会について

京都府では、議会や行政についての関心と理解を深めてもらうため、子どもたちに議会を体験してもらう「子ども議会」の取組を2年に1度行っています。
府内の小学5・6年生から公募で選ばれた子ども議員の皆さんが、身近な課題を持ち寄って話し合うワークショップに参加し、意見をまとめ、それについて知事や議長等が答弁を行います。
 

1 募集対象 京都府内に在住または在学の小学5・6年生(これに準ずる学籍の子を含む。)
2 募集人数 60名
3 活動内容 質問・提案づくりのためのワークショップ
  子どもたちが議長、副議長、議員となり、知事等に提案発表や質疑応答
4 日程

  日時 場所
第1回ワークショップ 6月26日(土曜日) 宮津総合庁舎
6月27日(日曜日) 京都府庁
第2回ワークショップ 7月17日(土曜日) 宮津総合庁舎
7月18日(日曜日) 京都府庁
子ども議会本会議
【新型コロナウイルス感染拡大防止
のため議場での開催取り止め】
8月10日(火曜日) 京都府議会議場

 

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子ども議員の質問と知事等の答弁

京都府知事 西脇 隆俊 あいさつ

 子ども議員の皆さん、こんにちは。

 保護者の皆様、指導教員の先生方におかれましては、これまでの子ども議員の活動をお支えいただき、感謝申し上げます。

 今年も新型コロナウイルス感染症の影響で、皆さんの生活は、これまでと大きく変わってしまったと思います。この「京都府子ども議会」の本会議も、8月10日に京都府議会の議場において開催する予定でしたが、感染防止の観点から、議場に集まっての開催を、取り止めることにしました。皆さんは、6月のワークショップから、班の仲間たちと一緒に、質問づくりや発表練習に取り組み、議場での本番を楽しみにされていた中で、大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。私も議場で皆さんに会うのを楽しみにしていたので、とても残念です。

 皆さんからの提案はすべて読ませていただきましたが、どの提案も、私たちの住む京都府をより良くするためにはどうしたらいいか、豊かな発想で一生懸命考えられており、とても感心しました。皆さんからいただいた提案には、ビデオレターという形でお答えしたいと思います。

 皆さんにとって、今回のような経験は、皆さんの将来にも活かせる、大切な財産になりますので、これからも、社会でどんなことが問題になっているのか、大いに関心を持って、積極的に行動してください。皆さんのこれからの御活躍を期待しています。

 それでは、皆さんからの提案にお答えしますので、御覧ください。

京都府議会議長 菅谷 寛志 あいさつ

 子ども議員の皆さん、こんにちは。

 京都府議会議長の菅谷寛志です。

 子ども議会は、子どもたちに、「議会や行政の仕組みを理解し、議会をもっと身近に感じてほしい。」、「普段はできない、京都府への意見や提言を通して、一緒に京都府を考えるきっかけとしてほしい。」という思いを込めて開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、参加いただく皆さんの安全を最優先に検討した結果、誠に残念ながら、今年度は議場に集まっての開催を取りやめることとなりました。

 本来、京都府議会へお越しいただき、京都府の子どもの代表として、皆さんが事前にグループで話し合ってきたことや、「もっとこんなことがあればいいのに。」と日頃から感じたり、疑問に思っていることなど、皆さんの思いを知事さんや京都府からの出席者にぶつけてもらいたかったところですが、今回はビデオレターという形で、皆さんの質問や意見・思いをしっかりと受け止め、回答させていただきます。

 さて、皆さんは、今回の子ども議会を前に、京都府の仕事や議会の仕組みについて、たくさん勉強されたと思いますが、私たち京都府議会議員は、京都府内の各地域から、京都府民の代表として選ばれ、私たちが生活するこの京都府を、より住み良いところにするため、府民の皆さんの願いや、思いをそれぞれの議員がお伺いし、そうした願いや思いを実現するためには、どうしたらいいのかを、西脇知事と一緒にしっかり話し合っています。

 今回の皆さんからの質問や意見が、今後の京都府の将来に向けた取組に繋がることと思いますし、子ども議会に参加したことで、皆さんがこれからも地域のいろんな事に興味を持ち、積極的に地域に関わっていくきっかけとなることを期待しております。

 最後になりましたが、大変お忙しい中、子ども議会の開催に向けて御尽力いただきました、多くの保護者の皆様、また、指導教員の先生方には、今年度の開催を中止することとなり誠に心苦しい限りであります。

 京都府議会では、本会議や委員会の傍聴、インターネット中継や出前高校生議会の開催、また、府議会だよりの発行など、府民の皆様に身近に感じていただける府議会を目指して、日々、取組を進めておりますので、今後とも、府議会の取組に御理解、御協力を賜わりますようお願い申し上げます。

 それでは、子ども議員の皆さん、これからも頑張ってください。

1班 一人ひとりが独立できる社会へ~みんなで思いやりの花を咲かせよう~

子ども議員質問

 私たち1班の考えたテーマは、一人ひとりが独立できる社会へ~みんなで思いやりの花を咲かせよう~です。その中で、2つのことを提案します。
 まず、人権について提案します。テーマは「多様な人々が認められ、差別のない京都府」です。このテーマにした理由は、多様であることで差別が起こることを少しでも減らしたいからです。そもそも多様とは、自分にしかないすてきな個性があるということです。そのような多様な人々が差別やいじめにあうのはおかしいので、差別はなくすべきだと思います。

 私達の回りには、障害のある方や他民族など、様々な方が生活されています。なぜ差別がおこるかというと、見た目の違いや考え方の違い、無知であるなどの理由が考えられます。可能であれば、幼少期から多種多様な人々との交流を持てる環境が用意されることで、お互いの特性を知り、住みやすい世の中にしていけると思います。

 今は差別が多くなっていると僕は思います。いじめについて調べてみると、令和元年度のいじめ認知件数は、過去最多の61万2,496件となっていました。また、ネットでは「コロナいじめ」が話題となり、新型コロナウイルス感染症をきっかけとした嫌がらせなどが多くなっているように感じます。
 これらの被害を最小限にするために、「差別を無くす」という課題意識を持って、その解決に取り組むことが大切だと思います。

 また、障害のある人もない人も、みんな平等で差別のない世界を実現するためには、年に何回か、色々な人との交流を持つことで、相手のことを知ることができると思いました。小学生でも、きっと国語や算数と同じように、当たり前の感覚として入ってくるのではないかと思います。

 京都府は「人権という普遍的文化の構築」を目標として取り組んでいます。人権、福祉教育に力を入れているのは、栃木県と福岡県も同じでした。調べていくと取り組んでいる地域が多くあることが分かってくる中で、私が興味深いと思ったのは、住民と行政が意見交換をしていることです。中でも、横浜市の「福祉のまちづくり推進指針」では、意見募集をして132件の意見が集まり、市が全てに返答し、活かそうとしています。

 そこで知事さんに提案します。私は、「知る」ということが、多様性を認め、差別がなくなる第一歩だと考えます。まず、外国人と共生する京都をつくるために、学校や自分の身近にいる外国人にその国のことを教えてもらったり、日本のことを教えてあげたりして、自分達の国の文化を交換し、インタビューで聞いたこと、知ったことをまとめて、京都府のホームページや新聞にアップしてみてはどうでしょうか。そうすることで、知らない国のことを身近に感じたり、もしどこかで、外国人に出会ったら、話ができるかもしれません。

 さらに、私たちは、差別や偏見があってはならないことや多様性が大切であることを、日本各地や世界各国との交流が深い京都から世界に発信してもらうことを提案します。私たちは、京都を差別や偏見がなく、多様性を認める都市にして、世界中の皆さんが京都で気持ちよく暮らせるようにしたいです。ぜひ知事に、多様性がとても大切であることをPRして世界を動かしてほしいと思います。

 次に、教育について提案します。テーマは、「不登校を出さない」です。このテーマにした理由は、ワークショップで、「夜間中学校」というものを知り、そこには、小中学校の時に不登校だった人も通っているということを知ったからです。
 そこで、僕たちが受けている教育の方法などについて班で話し合う中で、不登校になってしまった人を元に戻すのは難しいから、不登校を出さないことが大切だという共通の意見が出ました。

 京都府の小中学校の不登校の児童生徒の数は、平成22年度から右肩上がりに増え続けています。その数は、全児童生徒数に対して、小中合わせて約1.76%です。私は、この要因の一つとして、先生の業務が多すぎて、心に余裕がなくなり、児童生徒1人ひとりに寄り添うことができにくくなっているのではないかと考えました。
 私が自分の通う学校の先生を対象に行ったアンケートでは、3割の先生方が、自宅でも業務に携わることがある等、ワークライフバランスに問題意識を持っているという結果でした。

 私は、不登校を減らす取組について調べました。奈良県では「魅力ある学校づくり」、「絆でつながる仲間づくり」、「心の居場所となる学校づくり」などがありました。学校に通いやすく、そして、学校が安心できる場所であるということを目指した取組が行われているということが分かりました。

 そこで教育長さんに提案します。学校が安心できる場所になり、不登校をなくすためには、先生の働き方改革をよりいっそう進めて、先生の負担を減らすことを提案します。具体的には、先生の人数を増やす、勤務を午前と午後の2交代制にする、学校に託児所をつくる等です。
 先生が余裕を持って働き、そのことで、全ての子どもたちに寄り添ってもらえる学校を京都府全体でつくっていってほしいと思います。以上、知事さん、教育長さんはどのように思われますか。これで僕たちの質問を終わります。ありがとうございました。

知事答弁

 1班の皆さんの質問に、お答えします。
 皆さんは多様性や個性の素敵さについて話し合い、最近の「コロナ差別・いじめ」にも関心を寄せ、差別や偏見は決してあってはいけないこと、さらにお互いの多様性を認め合うことなど、思いやりのある大切な提案をしてくれました。

 まず、外国人との共生についてです。京都は、以前から、研究者や留学生を外国から受け入れ、文化、芸術、教育などの様々な分野で、積極的に国際交流に取り組み、外国人と共生してきた街です。

 例えば、京都府では、科学技術分野の国際的な研究者などを表彰する「京都賞」や、音楽の分野で、国際交流と世界の若手音楽家の育成を目的とした「京都・国際音楽学生フェスティバル」などが行われています。また、フランスのオクシタニ州と、互いの伝統産業である陶磁器分野での交流を行うなど、7つの国や地域との友好提携を結び、互いの国の理解を深めています。

 さらに、京都で学ぶ留学生の皆さんを「京都府名誉友好大使」に任命し、府内の小中学校や高校を訪問して、生徒の皆さんと交流してもらう活動にも取り組み、京都府のホームページ等で紹介しています。

 皆さんの提案を受け、今後は、行政だけでなく、民間団体なども参画しながら、広く府内で国際交流を深め、文化を交換し合う事例についても積極的に取り上げ、府民だよりやSNSを活用して発信していきます。

 次に、多様性の大切さについてです。先ほどお話ししたように、京都は外国や日本各地との交流が深く、長い歴史において、多様性を積極的に受け入れてきました。

 その中で、一人ひとりの尊厳と人権が尊重されるための努力を積み重ねてきました。

 現在、京都府では、人権が尊重される社会づくりを進めています。例えば、人権について考える参加型のイベント「京都ヒューマンフェスタ」を毎年開催したり、京都府人権ソング「世界がひとつの家族のように」を府内の小中学校でアーティストと子どもたちが一緒に歌ったりしています。

 今後は、多様性の大切さをより理解してもらえるよう、ヒューマンフェスタに福祉のまちづくりや、障害のある人の支援などに取り組む団体に参加いただき、その活動紹介や障害者の疑似体験のコーナーを設けます。

 また、皆さんが考えてくれた、すばらしい提案を取り入れ、「世界中の人々が、お互いの違いを認め合うことができたらいいね」という思いが込められた、京都府人権ソングを外国語で歌い、その様子をYouTubeで配信するなど、「多様性の大切さ」を京都から世界に発信していきます。

 こうした取組を通じて、外国人をはじめ、男性も女性も、子どもも高齢者も障害者も、全ての人が多様性や個性を大切にし、気持ちよく暮らせる京都府にしていきます。

教育長答弁

 1班の皆さんの御質問にお答えいたします。
 不登校についてです。
 不登校児童生徒数は、皆さんの質問にもありましたが、平成23年度から、8年連続で増加しています。

 不登校を出さないためには、全ての子どもたちが学校に来ることを楽しいと感じ、学校を休みたくないと思えるような魅力ある学校にしていくことが大切だと考えています。

 そのため、京都府内の公立学校では、学校生活のあらゆる場面で、皆さん一人一人が活躍できる場を作ったり、「わかりやすい授業」のために工夫したりするなど、奈良県で取り組まれているように、全ての子どもたちが安心できる「居場所づくり」や豊かな「人間関係づくり」に取り組んでいます。

 他にも、子どもたちの相談や悩み事を聞くための専門家であるスクールカウンセラーを各学校に配置しています。

 また、「不登校になってしまった人が学校に戻ることは難しい」という意見があったようですが、実は、不登校を経験しても、たくさんの子どもたちが学校に復帰しています。

 一方で、不登校の子どもたちを「学校に登校できるようにする」ということだけを目標にするのではなく、これからはタブレットなどを活用しながら、学校に来ることができない子どもたちが様々な学び方を選択できるような支援も考えていきたいと思います。

 皆さんからは、仕事が忙しい先生の働き方改革について、具体的な提案をいただきました。

 どれも、皆さんが班の中でたくさん話し合ったり、他府県の状況なども調べたりしながら考えてくれた大変素晴らしい提案だと思います。

 先生の人数を増やすことは、先生が余裕を持って働くためにとても効果的だと思いますし、何より、不登校になる理由は様々なので、先生が一人一人の子どもたちの気持ちに寄り添えるためにも、しっかり取り組んでいきたいと考えています。

 他にも勤務を午前と午後の2交代制にするという提案や学校に託児所をつくるという提案は、非常に大胆で、私たちでは思い付かない内容でした。先生や保育士さんの人数が足りないなど、実現に向けては課題もありますが、少しでも先生の負担を減らしたいという皆さんの想いがとても伝わってきました。

 京都府教育委員会では、今後も、各学校や市町村の教育委員会とも協力して、先生の働き方改革をしっかり進めることで、先生がいきいきと子どもに向き合い、皆さんの笑顔が絶えない、そんな魅力ある学校づくりを進めていきます。

 

2班 体験を通して、文化とスポーツの良さや楽しさをたくさんの人に知ってもらおう! 

子ども議員質問

 私たち2班は、『体験を通して、文化とスポーツの良さや楽しさをたくさんの人に知ってもらおう!』というテーマで話し合いをし、今回2つの提案をします。
 まず1つ目の提案は、京都の人々によって、昔から大事に守り、育てられてきた京都の文化を、もっとたくさんの人に知ってもらうことについてです。
 京都府には、世界遺産や日本遺産など、たくさんの文化があります。また、京友禅や丹後ちりめんなどの素晴らしい伝統工芸品が、多くの職人さんの技術によって作られています。

 しかし、京都の伝統工芸品には、いくつかの課題があります。一つ目は、それらの多くは大変高価で、多くの人にとって身近なものではないことです。「とても素敵なものだけれど、高いからなかなか買えない」という声を聞いたことがあります。若い世代の人たちでも、手にとって身に付けやすく、日常生活で活用できるものを創り出して、そこから伝統工芸品そのものの良さや京都の伝統文化のことも知ってもらえる情報発信などの仕組みが必要ではないでしょうか。
 そして、「この商品いいな、ほしいな」と思ってもらえたら、「こんなよいものを生み出す京都の文化は素晴らしい」と改めて思ってもらえるのではないかとも考えます。

 2つ目の課題として、京都の文化を守り、伝統工芸品を創り出す職人さんのなり手が少ないことがあります。私は、ニュースなどで、伝統文化を守る職人さんの高齢化が進み、職人になる若い人も少ないため、後継者不足に悩んでいるという話を聞いたことがあります。このことから、私たちは、京都の文化や伝統工芸品の魅力をもっと知ってもらうことで、職人になりたいと思う若い世代の人たちを増やしていく必要があると考えます。

 そこで知事さんに提案します。若い人たちはもちろん、広く世界の人々に知ってもらう取組として、京都の文化の魅力をインターネット等で様々な国の言語を表示して京都の文化を積極的にアピールしてはどうでしょうか。また、買い物をするとお得なクーポンがつくように、伝統工芸品を買うと、京都の文化施設を巡ることができるなどの特典があるとよいと考えますが、どうでしょうか。他府県でも、このようなお得な情報を工夫した発信も行われているようです。

 さらに、京友禅や丹後ちりめんなど、伝統工芸品を作るときに出る材料などを活用して、ネクタイやエコバッグなどの生活雑貨や服などを作って売り出す仕組みなどを作ってはどうでしょうか。これにより、伝統工芸品の良さを一層広くたくさんの人に知ってもらうことにつながり、京都の文化を支える人たちの暮らしも、より一層豊かになるのではないかと考えます。

 次に、体験を通してスポーツの楽しさをたくさんの人に知ってもらうことについて提案します。スポーツは、大変楽しく、健康にもよいものです。実際に体験することで、スポーツの楽しさや良さを実感したり、同じスポーツを体験することで、人と人が仲良くなったりすることもできると考えます。最近では、子どもからお年寄りまで、誰でも、どこにいても、楽しく簡単にスポーツに参加できる「eスポーツ」というものがあるということも知りました。

 また、私たちは、最近のスポーツを取り巻く現状や課題についても話し合いました。以前は、スポーツを目的にして多くの人が集まり、技を競い合うことで心や体を鍛え、スポーツの楽しさを感じる機会を持つことができていましたが、新型コロナウィルス感染症の影響などもあり、人と人とのコミュニケーションが取りづらくなり、思うようにスポーツを楽しめない人が多くいることが分かりました。

 もう1つの課題として、先程述べた、新型コロナウィルス感染症の影響もありますが、競技そのものを知る機会、教えてもらう機会が限られていることや、年齢が高くなるほどスポーツをする機会が減ってしまうという状況があることが分かりました。年齢や性別、障害のあるなしに関わらず、誰もがスポーツを楽しく体験して、健康になったり、人とのつながりができたりすることは、とても大事なことだと考えます。

 一方で、私が住む精華町では、予約をすれば地域の人は誰でも使用できるスポーツ施設があり、私は、サッカーを習い始めた時からこの施設を利用してサッカーを続けてきました。また、京都サンガFCが、子どもを対象にしたスポーツ教室を行ったり、京都府の他の地域でも、ボランティアが様々な活動をしたり、新たなチームを立ち上げたりしています。

 そこで知事さんに提案します。誰でも、いつでも、どこでも楽しめる「eスポーツ」などを体験できる機会を増やすことや、より多くの人にスポーツの面白さ、楽しさを感じてもらうためのスポーツ体験、あまり知られていないスポーツを紹介する動画のYouTubeなどでの配信、京都府のパンフレットやポスターなどでの紹介を通して、たくさんの人に広く知ってもらう取組を進めていくのはどうでしょうか。
 以上、知事さんはどのように思われますか。これで、私たちからの質問を終わります。ありがとうございました。

知事答弁

 2班の皆さんの質問に、お答えします。

 まず、京都の文化を、もっとたくさんの人に知ってもらうことについてです。京都の伝統工芸品について、高価で身近なものでないということや、後継者が不足しているという、2つの重要な課題を的確に指摘されたことに感心しました。私も全く同じ思いでいます。

 京都の伝統工芸品は、もともと私たち日本人の暮らしに身近なものとして使われてきましたが、最近の社会の変化があまりにも激しく、私たちの今の暮らしに合わなくなってきています。

 しかし、見方を変えると、高度な技術でつくられる京都の伝統工芸品は、いつの時代にも受け入れられる美しさがあり、長く愛用したくなる魅力を持っています。また、世界中で無駄をなくして資源を大切にしようと考える人が増えている中で、長く使える京都の伝統工芸品は、世界の人たちに受け入れられ、人々の暮らしを豊かにする可能性があります。

 そこで、京都府では、伝統工芸品の魅力を持ちながら、今の暮らしにも合う新しい商品づくりを進めるため、デザイナーさんにアドバイスをもらい、アクセサリーや服などの現代的で身近な商品を作って、世界中で販売するお手伝いをしています。

 また、伝統工芸の後継者を増やしていくため、技術を学ぶ専門学校を作るなど、業界の方々と一緒に後継者の育成に取り組んでいます。皆さんから提案してもらったように、京都の文化や工芸の良さを知ってもらうことが、後継者を増やすことにつながると思いますので、多くの人に魅力を伝えていきたいと思います。

 さらに、京都の伝統工芸品の魅力を、多くの人たちに知ってもらうことはとても重要です。京都府では、外国の人にも魅力を伝えるため、インターネット上で京都の伝統工芸品を、日本語のほか英語でも紹介しています。今後は、提案してもらったように英語以外の言語でも伝えていけるようにします。

 また、特典をきっかけにして、伝統工芸品に興味を持ってもらうチャンスが広がると思います。京都府でも、実際に着物を着てお出かけする楽しさを知ってもらうことで、着物のファンになってもらうために、着物を着てお店で買い物すれば、割引などの特典が受けられる「きものパスポート」の取組も行ってきました。

 この取組については、今はコロナの影響でお休みしていますが、皆さんから提案してもらったように、伝統工芸品を買ってくれた人への特典があれば、実際に使ってもらうことにつながると思いますので、さらに工夫していきます。

 次に、提案してもらった伝統工芸品の材料を有効活用した、価格面でも買いやすい商品づくりも重要な視点です。着物は、洋服と違って直線的に裁断しますので、使い道のない端切れはあまり出ませんし、出た端切れも、形が整っていて使いやすいという特徴があることから、それを活用して雑貨やバッグなどが作られています。

 さらに、着物は親、子、孫と受け継いで着ておられる方も多く、ものを大切にするという意味で着物は大変エコな商品です。クラスメイトなどにもこうした利点や魅力を伝えてもらえると嬉しいです。

 これからも京都の伝統工芸品が、世界中の人たちに愛され、伝統工芸品を通じて、京都の文化を世界中の多くの人たちに知ってもらえるよう、全力で取り組んでいきます。皆さんも、京都の文化のことを他の人に話したり、伝統工芸品を使ってみたりして、応援してください。

 次に、スポーツの楽しさをたくさんの人に知ってもらうことについてです。

 スポーツは、健康づくりや生きがいづくりに役立つだけでなく、オリンピックで日本の代表選手が大活躍をして、日本中が大喜びしたように、人々に夢や希望、感動を与える大きな力があります。

 しかし、皆さんが話し合ってくれたように、新型コロナウイルス感染症の影響で、京都府でも、スポーツ大会が中止や延期になり、また、人との接触を避けるため、多くの人が一緒にスポーツをする機会がとても少なくなりました。

 私も皆さんと同じように、年齢・性別・障害のあるなしに関わらず、誰でもスポーツに親しみ楽しめるようにするために、スポーツを体験する機会を作ることや、たくさんの人に知ってもらう取組をさらに増やしていくことは、とても大切であると考えております。

 京都府では、新型コロナウイルス感染症対策をしっかりと行いながら、子どもからお年寄りまで気軽に参加できる様々なスポーツ体験会の実施や、トップアスリートとの交流や、競技の体験会の開催、サンガスタジアムなどを舞台とした国際大会や全国大会の開催などに取り組み、スポーツの機会を増やしていきます。

 また、eスポーツについては、家でもオンラインで対戦ができ、性別や年齢、障害のある人もない人も、子どもからお年寄りまで一緒に楽しめる競技として、私もとても注目しています。

 今年の3月には、サンガスタジアムの中にVR・eスポーツ施設が新しくできました。この施設を使って、今後もeスポーツの大会などを開催していきますので、皆さんも、是非参加してください。

 また、あまり知られていないスポーツの動画配信などの提案をいただきました。私も、より多くの人にスポーツを楽しんでもらうためには、とても大切な取組だと思います。

 例えば、皆さんは「ボッチャ」というスポーツを知っていますか。
 「ボッチャ」は、ボールを投げて、一つの目標にいかに近づけるかを競うスポーツです。元々は障害のある方のために考えられたパラリンピックの正式種目ですが、現在は障害のある方だけでなく、障害のない方にも世界中で楽しまれています。

 京都府では、身近な場所で「ボッチャ」のルールを取り入れた競技などに挑戦している動画をホームページに投稿していただき、スポーツを通じた交流の機会をつくる「オンライン運動会」の取組を行っています。

 また、来年2月頃に、サンガスタジアムを使って、平均台や鉄棒のような障害物のあるコートで鬼ごっこをする、新しいスポーツである「チェイスタグ」大会も開催する予定です。

 これからも、大会を開催したり、動画やホームページ、パンフレットに載せたりして、あまり知られていないスポーツを紹介していきます。皆さんも、積極的にいろいろなスポーツを体験して、そしてお友達にも広めてください。

 

3班 京都を味わおう!~もっと京都を楽しめるような景観と食を目指して~

子ども議員質問

 私たちの提案は、「京都を味わおう!~もっと京都を楽しめるような景観と食を目指して~」です。そこで今回、二つの提案をします。まず一つ目の提案は、「京都を楽しめる景観づくり」です。
 このテーマにした理由の一つは、京都の街を歩いていると電柱がその風景に合っていないと感じることがあるからです。それは観光都市京都として、あまり好ましくないのではないでしょうか。ヨーロッパなどでは、景観を考えた町づくりをしています。だから京都も、観光客が楽しめるよりよい景観について考えてみてはどうかと思いました。

 景観をよりよくするために、どのようなことを考え、実行しなければならないか考えたところ、次の4点があがりました。
 一つ目は、どんな景観が好まれているのか、
 二つ目は、どうすれば実行できるのか、
 三つ目は、必要な費用をどうまかなうのか
 四つ目は、景観をそろえるため、意見をどうまとめるのかです。
 そして、京都府や他の地域ではどのような取組がされているのか、調べました。

 京都には、天橋立やかやぶきの里、宇治茶など、北部から南部まで様々な魅力があります。観光客からも人気がありますし、そこに住んでいる人たちも誇りに思っています。よりよい景観づくりのためには、こうした地域それぞれの魅力を活かした取組をしていくことが大切だと思いました。
 また、京都府では、それぞれの地域の特色に合わせて、美しい海が魅力の北部は「海の京都」、森林に囲まれた景観が魅力の中部は「森の京都」、茶畑が立ち並ぶ景観が魅力の南部は「お茶の京都」として、それぞれの地域の魅力を高めるための取組が進められてきました。

 次に、他の地域では、その土地の景観の特色に合わせた様々な取組を進めていることがわかりました。
 例えば三重県では、森林の木を生かして景観づくりをしたり、災害に備えたりしています。
また北海道では、雪を生かして、雪景色の美しい観光地やさっぽろ雪まつりをアピールしています。
 東京では、浅草の雷門や東京タワーなど、特徴的な建物に合わせた景観を考え、観光客を呼んでいます。

 そこで知事さんに提案します。京都であれば、歴史や風情を感じられるようにするために、寺院の周辺の店の色を統一したり、電柱を地中化したりすることができると思います。他には、お茶の名産地では緑を多くすることもできると思います。するとコロナ収束後、たくさんの観光客に京都の景観を味わい、楽しんでもらうことができるのではないでしょうか。こうした取組を通し、観光客のイメージや観光地に合う、よりよい景観にしていくというのは、どうでしょうか。

 次に、「知って感じて広めよう 京の食」というテーマで提案します。
 このテーマにした理由は、京都の食材を有名にしたいからです。有名になると京都の食材の消費が増え生産者のやりがいにつながり、作り手になりたい人も増えると思います。そのために私たちは2点のことが大切だと考えます。
 1点目は多くの人に知ってもらうことです。
 2点目は食材の魅力を実際に感じてもらうことです。

 課題の1つとして生産者の努力が消費者に気づいてもらいにくいということがあります。ぼくは以前、南丹市の生産者さんのところに援農に行った時、家族二人だけで作業しているということを知って驚きました。それと同時に心からお手伝いを少しでもしたいという気持ちになりました。ぼくがそうだったように直接畑に出向くことで農業への興味関心を抱いてもらえるのではないかと思いました。

 課題の2つ目は、京の食を広めるために、もっといろんな人に京料理のおいしさを知ってもらうことが大切だと思います。でも京料理は季節の食材を使って丁寧に作られているので手間がかかるため、値段も高く、気軽に食べられるものではありません。そこで若い人にも気軽に食べてもらう機会として京料理を知ってもらうためのイベントなどを行い、京料理のよさを体感してもらえるようにしていく必要があると思います。SNSやインスタグラムなどもうまく活用していけばよいと思います。

 私は、愛知県の地産地消を例として紹介します。愛知県では比較的地産地消が進んでいて、
食材から調味料までほとんど地元産のものを使ったお店もあります。また愛知大学では愛知県産の良さを伝える講座も行っています。他にも愛知県学校給食会では、栄養士さんが地元の野菜や調味料を使う料理講座を行っています。その取り組みは海外でも行われています。子供にも、地元の食材の良さを伝える取組が進められています。

 そこで議長さんに提案します。京の食を知ってもらう・感じてもらう・広めてもらう方法として、
 1つ目に、テレビのCMやSNS、パンフレットなどで多くの人に京の食の魅力、特長、どこで作られているか、その食のレシピなどを知ってもらうというのはどうでしょうか。
 2つ目に、実際に野菜作りを体験してもらったり、京の食を食べてもらったりして京野菜のおいしさを実感してもらうというのはどうでしょうか。
 3つ目に、京の食を感じてもらった人から、SNSなどを通して多くの人に京の食の魅力を伝えてもらうというのはどうでしょうか。
 以上、知事さん、議長さんはどのように思われますか。これで、私たちの質問を終わります。ありがとうございました。

知事答弁

 3班の皆さんの質問に、お答えします。

 まず、観光客が楽しめるよりよい景観についてです。

 年間約8,800万人(令和元年)の観光客が訪れる京都にとって魅力的な景観をつくっていくことは大切なことで、良く考えられた提案をいただきました。

 皆さんの提案を実現していくためには、観光客の見方や観点とあわせて、地域住民の方々にとっても、「大切で心地良い景観」だと誇りを持っていただくことが重要だと考えています。

 このため京都府では、「景観」という京都府民みんなの資産を守り、育てるため、平成19年4月に「京都府景観条例」を作りました。この条例に基づき、地元の皆さんと一緒になって、良好な景観を作っていくための計画づくりや、魅力ある景観を形成する建物などの保全・活用に取り組んできました。

 具体的には、寺社とその周辺の建物の壁について、土塗りや木、漆喰といった自然素材を使用する、あるいは、できるだけ近い色合いを使用することにより、色彩や質感について、町並み全体の調和を図る取組が行われています。

 電線類の地中化については、宮津市の「天橋立」の近くの道路において、日本三景にふさわしい景観をつくる事業を進めています。電柱が無くなることで、空が広く見えるようになるだけでなく、バリアフリー化や台風、地震からの被害軽減にもつながっています。

 また、お茶の名産地での取組としては、和束町において、道案内のための標識などをお茶の緑色にして、茶畑のイメージと合わせました。お茶にまつわる文化や歴史とともに、独特で美しい景観や町並みが評価され、「日本茶800年の歴史散歩」として、日本遺産第一号に認定されています。

 その他にも、京都府には、
 ・北部に、立岩(たていわ)、屏風岩(びょうぶいわ)などの海岸景観
 ・中部に、茅葺(かやぶ)き屋根の集落群
 ・南部に、西ノ岡の竹の径(みち)など、魅力ある景観がたくさんあります。

 こうした京都府内各地の自然や人々の暮らし、そして特色ある産業からなる景観と、それらの地域の歴史、文化の魅力を国内外の皆さんに楽しんでもらうため、府内を「海の京都」「森の京都」「お茶の京都」「竹の里・乙訓」という4つのエリアに分け、観光拠点の整備や情報発信を進めてきました。その結果、令和元年には、観光地を訪れる人の数が取組前(平成25年)に比べて約1.3倍に増加しました。

 これからも、皆さんのご提案のように京都を訪れる観光客にとっては「また来たい」と思え、地域住民の皆様にとっては「住みやすい、住み続けたい」と思えるような、魅力ある景観づくりを各地域の皆さんと取り組んでいきます。

議長答弁

 3班の皆さんから「京の食」をテーマとして、議長の私に対する質問をいただきましたので、お答えします。

 食べることは、身体をつくり健康を保つだけでなく、楽しみの場、コミュニケーションの場を作り出すなど、私たちの心豊かな暮らしにとって、とても大切なことです。
 皆さんが提案してくれたとおり、「京の食」を多くの人に知って、感じてもらい、広めることはとても大事なことだと思います。
 この「京の食」に関心を持ち、勉強をし、こうして質問してくれたことをとてもうれしく思います。

 私たちの京都府には、京都の長い歴史と伝統に育まれた、味・香り・彩りの優れた京野菜や水産物をはじめとするブランド産品がたくさんあり、これらがふんだんに使われた京料理という素晴らしい和食文化は、日本の伝統的な食文化として、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

 京都府では、令和元年度に、京都府立大学に和食文化が学べるコースを開設し、和食の歴史や魅力、調理の仕方など幅広い知識を学ぶことで、和食文化を将来に引き継いでいく人を育てることにも力を入れています。
 こうした中、皆さんから大切な提案をいただきました。

 まず、京の食の魅力や特長などを知ってもらうことについてです。
 京都府では、京都市と一緒になって、京の食文化ミュージアム・あじわい館を設け、和食の基本であるだしを味わってもらったり、京の食文化をよく知っている方々に京都で獲れる農林水産物の魅力などを詳しくお話をしてもらい、その良さを広めていこうとしています。

 また、農林水産物や食文化の情報を集めたポータルサイトを開設し、これを活用して、京の料理人がオンラインで京料理を解りやすく紹介する家庭向け料理教室を開催したり、京野菜などの農林水産物を手軽に購入できるようにするなど取組を広げています。

 次に、野菜作りを体験したり、食べたりして美味しさを実感してもらうことについてです。
 京都府では、「食」のプロである「きょうと食いく先生」を小学校などに派遣し、農産物の栽培や収穫、調理方法などの体験学習を実施しています。もし、皆さんの学校へ「食いく先生」が来られる機会があれば、ぜひいろんなことを聞き、ともに体験をし、多くを学んでください。

 また、多くの人たちに、生産者の方々の農産物に対しての思いや努力を知っていただき、農業に興味を持ってもらうため、農業体験や宿泊しながら家族で農村での生活を体験できる機会を作ったり、農村まで行くことが難しい人には、家庭にいながら農業の魅力を感じていただけるよう、農家の方々に、直接農業の楽しさや郷土料理などの美味しい食べ方を語ってもらう「オンライン産地見学会」を開催していますので、皆さんも機会があれば参加してみてください。

 最後に、知って感じたことをSNSなどにより、多くの人に京の食の魅力を伝えてもらうことについてです。
 「京の食」の魅力を体験した方々にファンになっていただき、その魅力をYouTubeなどのSNSを活用し発信してもらうことや、読者が思わずみんなに伝えたくなるような情報を作成することなどにも取り組んで行く予定にしています。この情報を皆さんからもお友達やご家族に広めていただけたらうれしいです。

 京都府には、それぞれの地域の特性を活かして、たくさんの野菜やお茶、お米などが栽培され、日本海ではいろんな魚介類が獲れます。
 きっと、皆さんの地元にも、京の食文化に欠かせない食材がたくさんあると思いますので、ぜひその食材の魅力はもちろん、皆さんが暮らしている地域の魅力にも気づいていただき、大切にしていただきたいと思います。

 私からの答弁はこれで終わります。ありがとうございました。

 

4班 すべての人の命を守れる京都

子ども議員質問

 ぼくたち4班は、「すべての人の命を守れる京都」をテーマに、大きく2つの提案をします。
 社会には赤ちゃんからお年寄りまで、さまざまな世代の人たちが暮らしていますが、京都府には外国の方もたくさん暮らしていたり観光に来られたりします。僕たちは、京都府にいるすべての人が安全に過ごせるには、災害に強いまちづくりをすること、そして一人ひとりの安全意識を高めることが大切だと考えました。

 まずはじめに、「災害に強いまちづくり」についてです。
 京都府では、台風や大雨による水害や断層による地震など、災害がよく起こります。気象庁で平成25年から取り入れられた「特別警報」が初めて発表されたのも、京都府でした。最近も大雨による警報が出され、学校が臨時休校になった地域もあります。また、近い将来、南海トラフ地震が発生すると考えられており、大きな地震がいつ私たちの身に起こってもおかしくない状況です。

 このような状況をふまえ、京都府では平成28年に「災害からの安全な京都づくり条例」が制定されました。
 他府県について調べてみると、防災マップを作成したり、川に堤防をつくって水害に備えたり、地盤を強化して地震に備えたり、緊急時に備えて食料を確保したりなど、災害について様々な対策がとられていることが分かりました。そして、このような対策は、京都府でも同じように取り組まれているそうです。

 また、先ほども述べたとおり、京都府にはたくさんの外国人が働いたり旅行に訪れたりしています。ぼくの父も外国人です。日本で初めて地震を経験したとき、どうすればよいか分からず困ってしまったという話を聞きました。同じような経験をした外国人の方はたくさんいると思います。
 そこで、京都府で暮らす全ての人たちが災害時に正しく情報を得られ、安全な行動をとることができるようにすることが大切だと考えました。

 そこで、知事さんに提案します。災害に強いまちづくりのために、携帯電話やスマートフォン、パソコンなどで簡単にアクセスできる「災害対策用アプリ」の開発です。川の増水や津波の様子についてリアルタイムで映像が見られたり、避難場所の地図や災害時の対応が分かりやすく表示されたりしたもので、外国の方も理解できるように外国語にも対応しているとよいと思いますが、どうでしょうか。

 二つ目です。災害に強いまちづくりには、お年寄りと若者とのつながりや、地域の人々とのつながりを日ごろから強めておく、「地域のきずなづくり」が大切だと考えます。
 今、学校では、児童数が減り教室が空いているところがあります。そこで、その空き教室や地域の公民館などで、お年寄りから昔の災害の経験を教えてもらうような機会を設けるなどの取組ができるといいと思いますが、どうでしょうか。お互いに顔見知りになっておくことで、いざという時に、助け合える関係を築いておくとよいと思います。

 二つ目の提案は、安全についてです。
 京都府内の交通事故は、16年連続で減少しています。でも、まだ年間49人の方が亡くなっています。犯罪件数も年々減っており、令和2年は約1万2千件で、一番多かった時期に比べ五分の一にまで減りました。とてもよいことですが、もっと件数を減らしていけるとよいと思います。
 そのためには、私たち府民一人ひとりの安全意識を、さらに高めていくことが大事だと考えました。

 京都府では、学校などで交通安全教室を行ったり、交通安全や犯罪についての安全マップをつくったりする取組を行っています。この安全マップについては、活用の仕方を見直すことで、子どもたちだけでなく大人の人たちの安全意識も高めることができると思います。また、安全について楽しく学べるよう工夫を考えることも、子どもたちの安全意識を高めるためには必要なことだと思います。
 私たちは、海外や他府県でどのような取組があるかを調べてみました。

 安全マップについては、誰にでも分かりやすいものにするために写真を入れたり記号や色分けで見やすく整理したり、二次元コードを付け情報を伝えたりしている地域があります。
 また、正しく自転車に乗ったり、歩行者のことを考え安全に運転したりできるよう、ドイツやフランス、オランダなどでは、学校と警察とが協力して自転車免許の取組を行っていることも分かりました。このような取組は、京都府でも同じように行われています。

 そこで、警察本部長さんに提案します。
 まず一つ目に、安全マップを活用した安全教室をすべての学校で行うというのはどうでしょうか。そして、子どもたちが楽しく学べるよう、タブレットやアプリを用いた学習ができるとよいと思います。
 二つ目に、自転車免許証の制度を大人の人にも広げ、自転車に乗る人たちの安全意識をさらに高めるといいと思いますが、どうでしょうか。
 以上、知事さんや警察本部長さんはどう思われますか。これで、私たちの質問を終わります。ありがとうございました。

知事答弁

 4班の皆さんの質問に、お答えします。

 まず、災害に強いまちづくりについてです。今年も熱海の土石流や、中国の大豪雨など、これまで経験したことのない自然災害が世界各地で起こっています。こうした災害に対する備えについてみなさんが話し合い、提案いただいたことを心強く思います。

 京都府では、これまでから洪水や土砂崩れを防いだり、道路や橋を地震から守る工事などを進めていますが、これだけでは災害による被害を完全になくすことはできません。

 危険な場所からいち早く避難することが大切で、みなさん一人ひとりが、周りの人といっしょに「自らの命を守るためにどのような行動をすれば良いか」を日頃から考えてもらう必要があります。

 そこで、一つ目の提案の災害対策用アプリについて、京都府では、「きょうと危機管理WEB」というホームページを作り、川に設置したカメラの映像や、雨の様子、土砂崩れの起こりやすさのほか、地震や津波の発生状況などをスマートフォンでも見られるようにしています。

 外国人の方に対しても、このホームページを15ヶ国語で発信しています。他にも、「Kyoto Trip+」というアプリで観光情報に併せて防災情報も発信しています。

 さらに、より正しい避難行動に結びつけることを目的として、川の水位や洪水で水に浸かる場所を予測するシステムを開発しています。また、危険が迫っている人に安全な避難経路を教えてくれるアプリについても、大学の先生や民間企業の方々と開発に向けて動き始めています。

 みなさんが提案してくれたとおり、システムやアプリは若い方やお年寄り、外国人の方々にも使いやすいものとなるようにしていきたいと思いますので、完成した時には、是非使っていただいて、改善のための御意見をください。

 二つ目の「地域のきずなづくり」についての提案です。様々な災害現場で、昔からの災害体験が受け継がれてきたことで、間一髪で命が守られた事例を多く見ます。みなさんのような若い方からお年寄りまで、あらゆる世代の方々で過去の災害の教訓を語り継いだり、助け合ったりするきずなづくりは最も大切です。

 京都府でも、災害に強いまちづくりのために、地域のきずなづくりの取組を進めています。

 例えば、これまで経験した災害や、市町村や気象台からの情報などを元に、いつ・どこに避難するかを地域のみなさんで話し合い「災害・避難カード」にまとめたり、地域で助け合いながら避難をするため、呼びかける人を事前に決めておくなど、いざという時に協力しながら、避難できるような準備を行っています。

 これからも、災害に対する備えについて、皆さんで話し合って、気づいたことはどんどん提案をしてください。災害に強いまちづくりを是非みなさんといっしょに進めていきたいと思います。

警察本部長答弁

 4班のみなさんの御質問にお答えします。
 今回、地域の安全について関心を持ち、よく考えられたご提案をいただいたことに、まずは感謝いたします。

 最初に、「安全マップを活用した安全教室」についてです。
 京都府下では、学校などで、通学路の安全や学区内の防犯対策として、安全教室や安全マップ作りがなされており、警察も、この取組に協力しています。

 こういった活動は、皆さん自身の安全意識を高めるとともに、皆さんを通じて大人の安全意識を高めることにもつながっていく、重要な取組と考えています。

 ですから、できるだけ多くの学校で、これからもこのような安全教室や安全マップ作りを進めていきたいと考えています。

 また、御質問にあったタブレットやアプリを使うというのも、とても良い提案だと思います。皆さんも、授業でタブレットを使い始めていると聞いていますので、学校の先生ともよく相談して、楽しく学べる工夫をしていきたいと思います。

 次に、「自転車に乗る人の安全意識」についてです。
 京都府警察では、平成18 年から、自転車安全教室に参加してくれた小学生に「自転車免許証」をお渡しして、皆さんの安全運転意識を高める工夫をしています。

 大人やお年寄りに対しても、交通安全教室は行っているのですが、大人相手だとどうしても自動車の話が中心になるので、自転車だけに的を絞った教室を開いて参加者に免許証を渡すということは、できていません。
 ただ、自転車が原因の交通事故の割合は少しずつ増えているので、大人に対しても、自転車の安全運転の話やシミュレーターでの体験をしてもらったりしながら、自動車に限らず自転車についても、交通安全の意識を高めてもらうよう、工夫を進めているところです。

 今回の提案をきっかけに、京都府警察は、これからも、皆さんの「安全についての想い」に応えられるよう、事故や事件のない安全な社会に向けて、一生懸命に取り組んでいきます。

 

5班 環境問題、一人ひとりが考えると、それは大切なことにつながる!! ~4.8℃の差~

子ども議員質問

 私たちの班は、環境について調べ、2つの提案をすることにしました。「地球温暖化」と、「ごみ問題」についてです。
 まずは、「地球温暖化」についてです。地球温暖化について提案する理由は2つあります。1つ目は、地球の気温上昇は一見緩やかに見えますが、近い将来、急激に進行する可能性が高く、今取り組まなければ手遅れになるためです。2つ目は、その影響は国境を越えて、全世界に及ぶため、世界中で対策が取られている問題だからです。

 今、CO2が増えています。それは車の排気ガスの量や、電気の使用量が多いからです。コロナ禍で、人と接することがないように車を使って外出することや、家で過ごすことが増えたことも原因ではないでしょうか。さらに、CO2が増えた影響で、気温が高くなっています。このまま地球温暖化対策をしないと、世界の年間平均気温は、20世紀末と21世紀末を比較すると、最大で4.8℃も高くなるそうです。

 最近、南極や北極では、地球温暖化により氷がどんどん溶けていっています。溶けた氷は海に流れ、海の水位は上がっていっています。そして、世界の土地の低い国は、だんだん海に沈んでいきます。日本も土地の低いところなら、沈んでしまうかもしれないと言われています。また、地球温暖化は、感染症や巨大台風、水不足などの自然災害が起こりやすくなると言われています。

 このように、CO2が増え、水位の上昇や自然災害が起こる可能性が高くなっているにもかかわらず、こうした地球温暖化の影響を知らない人が少なくなく、一人ひとりの意識が低いということが課題となっています。子どもはもちろん、大人でも地球温暖化について学ぶ機会が少なく、地球温暖化について知らないという人や、危機感を持っていない人が多いのではないでしょうか。

 そこで知事さんに提案します。一人ひとりの意識を高めるため、地球温暖化による様々な自然災害の怖さをアニメやゲーム、おかしのパッケージなどの身近なところで知ってもらうというのはどうでしょうか。また、一人ひとりが地球温暖化対策に楽しく取り組むために、大きな会社と協力し、節電ポイントを付けたりしてはどうでしょうか。さらに、そういった協力会社の取組や、一人ひとりの地球温暖化対策の取組を、SNSやCMなどで広めていってはどうでしょうか。

 2つ目は、「ごみ問題」についてです。まず、ポイ捨てをなくす工夫を考えました。身の周りの川やまちなかに捨てられているごみがたくさんあるので、きれいにして、「やっぱり京都は美しい」と思ってもらえるようにしたいです。また、ポイ捨てされたプラスチックがマイクロプラスチックになって、それを魚が食べてしまって死んだり、魚を食べる人間に悪えいきょうを与えたりするかもしれないので、ごみのポイ捨ては大きな問題です。

 そこで知事さんに提案します。公園や川などにあるかん板の多くには、「ポイ捨て禁止」と書いてありますが、かん板があるのにポイ捨てをしている人がいるということは、ポイ捨てをしないようにしようという気持ちにはなりにくい気がします。一方、禁止ではなく「いつもきれいに使ってくれてありがとうございます」と書いてあると、ポイ捨てをやめようという気持ちになりやすい気がします。
 このように、かん板の内容を工夫することでポイ捨てをする人が少なくなるのではないかと思いますが、どうでしょうか。

 もう1つ、私たちは、学校で使うプラスチックについて考えました。給食で、プラスチックはパンの袋や牛乳のストローに使われています。私たちの班でも全員がストロー付きのパックで飲んでいます。そのプラスチックをなくせば、学校のプラスチックの量をかなり減らすことができます。学校で取り組むことによって、子どもが環境に興味をもち、次に家族も環境に良いことをしようと考えるのではないでしょうか。

 また、学校から出るたくさんのストローは、プラスチックごみとして毎日たくさん出ています。そのことが地球温暖化につながっており、同時に、たくさんの生き物を傷つけています。一方、亀岡市ではレジ袋の廃止や紙ストロー使用など、いろいろな対策を進めています。
 まずは学校から、ストローなどのプラスチックごみを減らす取組を進めていくことが重要だと考えます。

 そこで教育長さんに提案します。プラスチックごみ問題などは、身近な問題として考えてもらうことが大切なので、まずは学校の給食で出されるストローをなくしていくのはどうでしょうか。そのために、牛乳パックをストローがなくても中身が飲めるようにしたらいいと思います。この取組をすることで、私たちの計算によると、京都府だけで年間約1.7tのプラスチックを減らすことができます。さらに、この活動が全国に広まると年間約970tものプラスチックを減らすことができます。
 以上、知事さんや教育長さんはどのように思われますか。これで、私たちの質問を終わります。ありがとうございました。

知事答弁

 5班の皆さんの質問に、お答えします。 

 皆さんには、環境をテーマに、一人ひとりが楽しく取り組むための工夫や身近なところでの対策について、提案していただきました。

 まず、地球温暖化についてです。気温の上昇は世界各地で様々な異常気象を引き起こしており、急いで対策を取らなければならない、とても大事な問題です。

 世界全体で取り組まなければならないにもかかわらず、一人ひとりの意識が低いと皆さんが気づかれたことは、とても鋭い指摘だと思います。

 京都府でも、将来の世代に暮らしやすい環境を残すため、昨年2月、CO2などの排出量を2050年までに実質ゼロにすることを宣言しました。この目標を実現するためには、一人ひとりが関心を高め、できることから実践することが重要です。「身近なところで温暖化の影響について知ってもらう」という皆さんの提案は、とても大切なことだと思います。

 これまでも、漫画や動画を使って温暖化について知ってもらう取組をしたり、地球温暖化防止活動推進員が行う小学校での出前授業などを支援していますが、こうした取組が、府民の皆さん、とりわけ若い世代の皆さんに十分知られていないことは、大きな課題だと感じました。

 今後は環境問題に積極的な会社や大学と一緒に取り組んでいる体験授業をより一層増やしたり、近い将来、温暖化により地球に起こる危機などをゲームを通して体感できるイベントを開催するなど、皆さんの身近なところで環境について学ぶ機会を増やしていきます。

 また、温暖化対策というと、どうしても我慢するというイメージを持たれることが多いため、皆さんの「会社と協力して楽しく取り組む」というアイデアは、大変重要な視点だと感じました。一人ひとりの取組を紹介することも、他の人の行動を引き起こすきっかけになると思います。

 京都府では、省エネ家電に買い替えた方に京都の食べ物をプレゼントするキャンペーンや、親子で省エネ活動を行ってもらい、参加者が多かった学校には会社から環境教材が賞品として贈られる省エネチャレンジなどを行っています。

 今後も環境問題に関心の高い会社に協力いただき、誰もが楽しみながら取り組める温暖化対策を考えていきたいと思います。

 さらにこれからは、高校生や大学生が考えた環境に優しい行動を、皆さんから提案のあったSNSなどを使って積極的に発信していくなど、いろいろな方法で一人ひとりの取組を広めていきます。

 皆さんもご家族やお友達と一緒に、今回の提案を機に地球温暖化についてさらに勉強し、自分たちに何ができるかを考え、取り組んでみてください。一緒にCO2ゼロの社会を実現しましょう。

 次に、ごみ問題についてです。

 皆さんの提案にあったように、「やっぱり京都は美しい」と思ってもらいたいという思いや、プラスチックごみが魚や人間に悪影響を与えるおそれがあり何とかしたいという思いは、とても大事なことです。さらに、ごみ問題は、CO2を削減することや資源を無駄にしないことからも、大変重要です。

 京都府では、一人1日当たりの家庭から出るごみの量は年々減少し、全国で一番少ない518gです。これは府民の皆さんが、ごみの分別・削減という身近なところから一生懸命取り組んだ結果です。

 一方で、せっかく家庭ごみが減ったのに、公園や川にごみが捨てられているのは、とても残念なことですね。
 皆さんが考えてくれたように、ごみのポイ捨てを無くすことは、京都のまち全体を美しくするためには、大切なことです。

 もともとごみがないところにはポイ捨てをしにくくなりますので、ポイ捨てを無くすためには、地域を美しくしておくことが大事です。
 例えば、京都を象徴する鴨川では、京都府の毎朝の清掃に加えて、「鴨川を美しくする会」の方々の定期的な清掃など、いろいろな活動が行われています。

 また、公園や川などの看板に「禁止」ではなく、「きれいに使ってくれてありがとう」と書くという提案も、とてもよいアイデアだと思います。
 これまで京都府では、市町村と共同で小学生の皆さんから募集したポイ捨て防止の標語で看板を作って掲示する取組を行ってきました。皆さんの提案を聞いて、府内のいろいろな地域に、看板の書き方を工夫する取組を拡げてみます。

 これからもごみのポイ捨て防止に取り組んでいきますので、皆さんも多くの友達に呼びかけて清掃活動に参加するなど、私達の街がきれいになるよう一緒に頑張っていきましょう。

教育長答弁

 5班の皆さんの御質問にお答えいたします。
 学校給食で使うストローなど学校で発生するプラスチックごみを削減する取組についてです。

 提案にもありましたが、川から海に流出したプラスチックごみは海洋生物の生態系を破壊するなど、世界規模で地球環境に大きな影響を及ぼす問題です。

 京都府内の小学校では、保津川や鴨川など、近くの川でプラスチックごみを回収したり、ポスターによる啓発活動を行うなど、様々な環境保全の取組が進められており、学校から家庭にも広がる提案が小学生の皆さんからあることは、大変素晴らしいことです。

 このように身近な事柄から環境問題を考え、地球環境を守る取組を進めていくことは、とても大切です。

 学校給食のストローについては、最近では、環境に配慮した製品の開発も進められており、紙ストローや、ストローを必要としない牛乳パックの開発も行われています。

 ある地域では、紙ストローへの変更を検討されましたが、費用が高くなるという課題があったため、口が大きく開き、ストローを必要としない牛乳パックを一部の学校で導入されました。

 ただ、小学1、2年生がうまく牛乳を飲めなかったり、牛乳パックを上手に開けることができないことが想定されるので、しばらくの間は、ストローも一緒に配ることにされています。

 このように、給食のストロー見直しにはいろいろな解決しなければいけない課題があります。今後、さらに新しい商品が生まれ、値段が安い紙ストローやストローがなくても使いやすい牛乳パックが広がれば、皆さんの提案が実現できると思います。

 京都府教育委員会としても、学校給食を行っている皆さんの地元の市町村と一緒によりよい方法を考え、給食から出るプラスチックごみを減らすことができるよう、取り組んでいきたいと思います。

 

6班 今、あるまちの良さや、魅力を生かした、みんなにとって過ごしやすく、住みやすく、安心・安全なまちづくりについて

子ども議員質問

 6班の質問は、「今、あるまちの良さや、魅力を生かした、みんなにとって過ごしやすく、住みやすく、安心・安全なまちづくり」です。まず、自分達が住んでいる中丹・丹後に共通する課題として、人口の減少や観光客の減少という意見が出されました。
 そこで、どうすればよいかを考えたところ、今、住んでいる私たちにとって安心・安全に過ごせるまちにすることが、みんなにとって魅力あるまち・人が来てくれるまちになるのではないかという意見にまとまりました。私達にとって過ごしやすく・住みやすいまちづくりが、お年寄りや小さい子ども、障害のある人や観光で来られる方にとっても過ごしやすいことにつながると考えました。そして、私達が目指すまちづくりには、新しく作り出すだけではなく、それぞれのまちの良さを伝えることが重要ではないかと考えました。

 ぼくは、舞鶴に住んでいます。舞鶴は、海に面していて近くに港があります。以前は、大きな客船がくることも多かったと家族に聞きました。コロナ禍で、外出が減ったり、買い物に行く機会が減ったりしたことで、人の行き来が少なくなり、お客さんが減っている現状があります。商店街も閉まっているところが多くなりました。ぼくは、いろいろな人に舞鶴に来てもらいたいです。いろいろな人に舞鶴のよさや魅力を伝えるには、まずは、自分が舞鶴にどんなお店や施設、特産物があるのかを知ることが大事だと思いました。そして、舞鶴に来たことをきっかけに、ここに住みたいと思ってもらえるようにしたいと思いました。

 私は、人口の減少や観光客の減少について原因は何かを考えました。
 私たちの班のみんなが住んでいる地域は、中丹・丹後の中でもそれぞれ違いますが、歴史や伝統的な文化など他の地域の方に広めたいものがたくさんあります。けれど、今は、まちの人と触れ合う機会が少なかったり、まちの良さが生かし切れていなかったり、十分に伝わっていなかったりするのではないかと思いました。コロナの影響もあり観光客も減っています。また、障害のある人にとって住みやすく・過ごしやすい町になっているかどうかという点を考えると、歩道や施設などの整備をする必要もあります。コロナウイルス感染症の拡大防止対策もしっかりしながら、みんなにとって、より過ごしやすく・住みやすい安心・安全なまちにしていきたいです。

 私は、他の地域で取り組まれている事例について調べました。
 栃木県の市貝町では、障害のある方が災害時に安全に避難できるようにという目的で車いすのフレームに取り付けて使うレバーを活用し、車いすを人力車のように動かせるという記事を見つけました。
 このレバーを使えば、車いすを人力車のように引き、坂道や整備が十分でない道路でも楽に移動することができます。これを使えば障害のある方の移動もしやすくなるのではないかと考えました。
 他にも「WheeLog!」というバリアフリーマップのアプリでは、車いすの方々でも使える施設や参加できるイベントなどがマップに分かりやすくマークで示されています。このアプリを活用することで、観光などで訪れた方たちが、安心して私たちの住んでいる地域で過ごしてもらえるようになると思います。

 そこで知事さんに提案します。1つ目が誰にとっても安心、安全に過ごせるようにするために歩道の段差をなくすことと、車いすのフレームに取り付けて使うレバーを貸し出し、人力車化するというような、車いすの方が安心して観光できるような取組をするというのはどうでしょうか。
 最後に、障害のある方や観光客だけではなく、誰にとっても便利で使いやすく分かりやすい、まちの良さや魅力が伝わるようなマップアプリを作るというのはどうでしょうか。そのまちの歴史・景色・特産品・バリアフリーや、イベント等の情報をそのアプリ1つでわかるようにするというものです。
 以上、知事さんはどのように思われましたか。これで、私たちの質問を終わります。ありがとうございました。

知事答弁

 6班の皆さんの質問に、お答えします。

 みなさんが提案してくれた、「自分達にとって過ごしやすく住みやすいまちづくりが、お年寄りや子ども、観光客にとって魅力あるまちづくりにつながる」という考えは、大変素晴らしい発想だと思います。
 私も同感であり、地域の課題を、自分達一人ひとりの問題として一生懸命考えてくれたみなさんを非常に頼もしく感じています。

 中丹・丹後地域は、人口の減少や高齢化が南部地域より進んでいますが、海や山などの美しい景色、京野菜や海産物などの豊かな食、天橋立などの観光資源といった様々な魅力にあふれた地域です。

 京都府では、地域の特徴や資源を活かした地域振興計画を作り、一人ひとりの夢や希望が各地域で実現できるような地域づくりを進めています。

 例えば、中丹地域では、田舎暮らしやまちなかの暮らし、さらに2つの地域を行き来する生活など、誰もが希望にあったライフスタイルが実現できる地域をめざしています。

 また、丹後地域では、誰もが自分の力を発揮しながら、仕事や自治会、ボランティアなどで活躍できる地域をめざしています。

 ただ、新型コロナウイルス感染症の影響で、京都舞鶴港を訪れるクルーズ船などが減少し、残念ながら中丹・丹後の観光客は少なくなっています。

 コロナの影響が落ち着いた後に、誰にとっても過ごしやすいまちにするためには、地域ごとの計画の実現に取り組むことと併せて、みなさんが提案してくれたバリアフリーの推進やまちの魅力の発信を一層進めることは、ますます重要になってきます。

 まず、バリアフリーの取組についてです。

 京都府では、全国的に見ても早い時期に「京都府福祉のまちづくり条例」というルールをつくり、多くの方が利用する駅や公共施設などの建築物や道路を整備するときの基準を定めています。

 例えば、道路については、歩道の幅を拡げたり、傾きを無くしたり、点字の誘導ブロックを設置しています。提案してくれた歩道の段差については、車いすの方が通行でき、視覚障害者の方にとっても車道との境界が分かるように、横断歩道がある部分の歩道と車道の段差を2cmと決めて整備を進めています。

 京都府内には、重点的に道路をバリアフリー化することを定めた地区が16あり、今年の3月までに約6割の整備が終わっています。

 それ以外の地域でも、綾部市豊里町(とよさとちょう)の通学路整備のように、新たに歩道を作る際には、障害者の方にも使いやすいように工事しています。これからも、誰にとっても安心・安全で快適なまちづくりが進むよう整備していきます。

 次に、車いすのフレームに取り付けて使うレバーを活かした取組についてです。

 このレバーは、「てこの原理」により車いすの前輪を人力車のように浮かし、段差や砂利道、ぬかるみなどの通行しにくい場所でもスムーズに移動できるようにするものです。

 京都府では高齢者や障害のある方などを含むすべての方の災害からの「逃げ遅れゼロ」を目指して、避難所を運営する市町村がこうしたレバーを購入する時に京都府もお金を出す制度を設け、整備を進めています。

 今後は、災害の時に使うだけでなく、車いすの方が安心して観光するために、みなさんが提案してくれたような、レバーを無料で貸し出しする仕組みや車いすで安心して回れる観光ルートの案内などを考えていきます。

 最後に、マップアプリについてです。
 皆さんに紹介してもらったバリアフリーマップ「WheeLog!(ウィログ)」は、バリアフリースポットの情報や車いすで移動できる経路を、利用者が自分で入力し、共有できるマップアプリです。京都府内でも、このアプリを実際に使用しながらまちを歩き、バリアフリー情報を発信していくイベントを行っています。

 また、観光連盟や民間企業と一緒に開発した、地域の観光情報などを発信するアプリ「こことろ」や、福知山や綾部を含むエリアを対象に、観光施設やイベント情報、目的地までの行き方、料金を調べることができるアプリ「森の京都ナビ」などもあります。

 このように色々なアプリの開発が進んでおり、京都府としては、新たにアプリを作るのではなく、今あるそれぞれのアプリがより魅力的なものとなるよう、内容の充実を図っていきます。

 そして、魅力的なアプリにするためには、住んでいる皆さん自らが、まちの良さや魅力を発見し、それを発信していくことが大きな力になります。

 皆さんから紹介していただいた「WheeLog!(ウィログ)」のような仕組みも参考にしながら、みんながほしい情報が得られ、便利なアプリになるよう今後も知恵を絞っていきますので、みなさんも今住んでいるまちの良さを積極的に発信してください。

京都府議会副議長 村井 弘 メッセージ 

 子ども議員のみなさん、こんにちは。

 京都府議会副議長の村井弘です。京都府議会で議長さんをサポートする役割をしています。

 みなさんは、この子ども議会に向けて、それぞれ問題を発見し、解決に向けた意見をみんなで話し合い、それを上手く伝えられるよう繰り返し練習を重ねてこられたことと思います。

 練習時の映像ではありましたが、みなさんが発表される立派な姿を見て、とても頼もしく思いました。そして、京都府の未来を、皆さんに安心して任せることができると改めて感じました。

 残念ながら開催が中止となったことで、練習の成果を存分に発揮することは叶いませんでしたが、これまで、準備をしてきた中で得られた経験は、きっと皆さんの将来に役立つことと思います。

 皆さんには、京都府の仕事や、議会の仕組みを勉強されたこの子ども議会を通じて学んだことを、これからは学校生活や地域での活動など、様々な場面で活かしていただきたいと思います。

 最後になりましたが、保護者の皆様や関係者の皆様、お忙しい中、子ども議会の開催に向けて、御尽力いただきまして、誠にありがとうございます。

 我々、京都府議会は、府民の皆様方の信頼に応えるとともに、議会を身近に感じていただけるよう、一層努めてまいりますので今後とも御理解、御支援を賜りますようお願いいたします。

 それでは、子ども議員の皆さん、今後も、健康に気を付けて元気に頑張ってください。

お問い合わせ

健康福祉部こども・子育て総合支援室(青少年係)

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4792

kodomo@pref.kyoto.lg.jp