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「京都府文化力による未来づくり審議会」(第10回)の開催結果

第10回議事概要(印刷版)(PDF:214KB)

1 開催日時

令和5年6月14日(水曜日)午後5時~午後6時40分

2 場所

京都ガーデンパレス 2階「祇園」(京都市上京区通下長者町上ル龍前町605)

3 出席者

  • 審議会委員13名(欠席7名)

4 議事要旨

  1. 審議

    • 新・文化振興条例の制定に向けて(事務局による資料説明の後、出席委員から各分野の立場において意見交換)

5 審議結果

  1. 条例・基本計画に関する考え方(事務局)
    • 基本計画の改定の機会ではあるが、現計画策定から文化庁京都移転をはじめ、この間の社会情勢の変化に対応するためには、新条例の制定が必要と考えている。
    • 新条例では、文化が根ざす京都をめざすことを目的とする場合、現条例より幅広い施策を対象にしたいと考えている。
    • 文化とは何か、条例の目的をどうようにするか、委員の皆様のご意見を伺いたい。
       
  2. 委員意見をもとに条例・基本計画策定にあたり重視すべき視点の整理
    1. 文化庁京都移転の捉え方
      • 京都にとって象徴的なPR効果はあるが、移転によって具体的に京都文化の何かが変わったり、国の関与が強くなったりといったことは期待できないのではないか。
      • 文化庁では「京都移転」を「新文化庁」や「機能強化」といった言い方で表し、文化施策を総合的に推進する司令塔を目指すことを明確にした位置づけとしており、より豊かな文化活動になるよう、好循環を生み出そうという大きな流れがあるので、地方自治体の文化政策においても同様に反映させていくほうが良い。
      • 京都移転を契機に文化庁に助けてもらおうという発想や国に依存的になってしまってはいけない。
    2. 京都府が目指すべき姿とは
      • 国がどうあれ、自立して考え行動し、京都府が京都の文化的な土壌に根差した、質が高く独自性のある文化行政を行うことで、文化庁が立地するにふさわしい場所であり、文化行政のモデル自治体であることを示していく。
      • 「京都」という圧倒的なブランド力を持っている強みを生かして、リーディングポジションをとって、課題を抱える地方公共団体を引っ張っていきながら日本や世界を盛り上げていく。
      • 京都の文化の大きな特色は「継続性」。そして、文化が継続していくためには変化や変化を受け入れることも必要。
      • 何百年も継続する文化への尊敬を抱きながら、新しい文化を受け入れ、京都の文化的な土壌に根付かせ、伝統としていくことにも力を注ぐ。
      • 都市部だけではなく、北部から南部までの広域な京都府に暮らすすべての人々の文化に想いを寄せ、守り、推進していくことがきちんと表現されるべき。
      • 僅か100年あまりしか経っていない建物が文化財の指定を受ける危機的状況にある社会で、有形のものを守り残していくということは、有形にとどまらず、その場所で育まれてきた無形の文化も同時に守るということ。
      • 文化には本質的に、人の魂を揺さぶり、涙を流させ、人間の本能に通じるような体験をもたらす力がある。だから文化は何百年も続いてきた。このような本物の文化体験ができる場を残していくことが大事。
    3. 現在の社会を取り巻く状況
      • AIやメタバースといったテクノロジーが伝統文化に与える影響を注視しながら、本物の伝統を守っていく。
      • テクノロジーがもたらす大きな変化が今後10年20年と起こり続け、社会が変わり続けることを認識した上で、文化に与える影響、向き合い方、また、どのように吸収していけるかについて考え続けるスタンスを持つこと。
      • 社会のあらゆる事柄が文化芸術に関係しており、社会状況の変化を新型コロナウイルス感染症の影響と安易にまとめてはいけない。
      • 社会の変化をモノだけで捉えるのではなく、人の内面や生活スタイルも大きく変わってきており、そのことが文化に与える影響についても捉えるべき。
    4. 用語の捉え方
      • 文化について、共通の理解と認識に基づいて審議会で議論していくために、「文化」という用語の定義について整理を行う必要がある。
      • 「変化」とただ記載するだけでは曖昧で、具体的に考えると新型コロナウイルスのように従来なかった変化もあれば、少子化や国際化といった20年30年と続いている変化もあり、新テクノロジーといった加速度の大きい変化もある。用語として使用する場合は中身まで考え、区別して具体的に用いることが必要。「新たな」や「根ざす」といった言葉も政策の場や京都という場所で使われやすいが、枕詞のように安易に使用されてはいけない。
    5. 注意・留意すべき点
      • 文化芸術を含む「文化全体」、人々が生活する「社会全体」、日常の経済行為に企業活動やイノベーションを含めた「経済活動全体」それぞれの関係性を捉えつつ、そこに国との関わり、自治体使命、新テクノロジーの動向といった諸要素を具体的に位置付けながら「文化政策の構造」を考えて条例等の議論を行うべき。
      • 条例が文化活動を制限してしまうものではなく、方向性や理念を未来に向けてしっかり示すものであってほしい。
      • 理念に加えて、具体的な目標と、目標をどの程度達成できているかというモニタリング、評価する仕組みまで、審議会の中で議論したほうがよい。
      • 例えば「経済活動」といった言葉が強い力や意味を持ちすぎることがある。言葉を利用されて「文化」を損なうことにならないよう、文化を守るということの優先度を高くし、言葉選びを本当に慎重にすべき。
      • 条例や基本計画は京都府内すべての人に向けられるものであるから、記載はわかりやすい言葉、内容で、わかりやすい方針が示され、その内容について、多くの人が議論できるほうがよい。
      • 深刻な家庭環境や重度障害にある方など、文化に触れるもっと手前、生活に精一杯という現実に直面している方々も非常に多い。「文化」がそういった状況にある方や社会をより良く変えていくための手がかりであり励みになる存在であって欲しい。文化を扱う者の「責任」として、社会のマイノリティーへの配慮や思いの馳せ方を条例に踏まえていくべき。
      • 「文化とは豊かな暮らしに必要である」と安易に使われがちだが、豊かな暮らしに必要とされる文化には大変な責任が伴っている。豊かな暮らしを実現するために果たすべき文化の責任に向き合い、行動しなければならない。
    6. その他
      • 文化庁の職員には京都の風や空間に触れ、様々な分野の当事者の生の声を聴き、5年10年100年先を見据えた視点を持って「生の文化」に近づいてきてほしいと期待している。​​​​​​

お問い合わせ

文化生活部文化政策室

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

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