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第2回(第106回)京都府スポーツ推進審議会の議事要旨

1 開催日時

平成24年2月28日(火曜日)午後3時から同4時30分まで

2 場所

ルビノ京都堀川「ひえい」の間

3 出席者

出席委員

桝岡義明会長、水野加余子副会長、小西正利、田中洋三、山本誠三、森本豊、藤田信之、河合美香、荒賀知子、梅田陽子、木村祐子、松永敬子、松本崇寛、岩﨑万喜子、南部照一、中村重夫 各委員

事務局

永野指導部長、渡邉保健体育課長 他事務局13名

欠席委員

森 洋一、能登英夫、太田貴美、二木久雄 各委員

4 内容

(1)開会

桝岡会長あいさつ

(2)報告事項

ア.「スポーツごころ」の気づきと醸成について(提言) 

    ~京都府民の運動・スポーツ実践への誘い~

 

イ.本府におけるスポーツ推進に係る基本計画の策定について

 

ウ.「ジュニア選手育成専門部会」について

 

エ.京都府におけるスポーツ施設のあり方懇話会について

(3)協議事項

ア.競技スポーツ充実プランについて

(4)閉会

永野指導部長あいさつ

審議(報告事項)内容(結果及び主な意見)

(1)「スポーツごころ」の気づきと醸成について(提言)

    ~京都府民の運動・スポーツ実践への誘い~

事務局からの説明

一昨年度の第102回審議会から継続して審議いただいた、京都府スポーツ振興計画の喫緊の課題である「成人の週1回以上の運動・スポーツ実施率を50%(2人に1人)以上にする。」という目標達成のために、府民の誰もが持っている前向きな気持ちを喚起し、運動やスポーツの実践へと誘う啓発が重要であると考え、本審議会では、『目覚めよう「スポーツごころ」に!はじめよう「スポーツごころ」で!』をスローガンとした。会長と事務局で調整をし、資料のとおり、提言としてまとめた。

p1では、誰もが持っている前向きな心のありようが、「スポーツごころ」である。その存在を改めて自覚してもらい、さらに高めるように心掛けることが必要である。また、その「スポーツごころ」によって、高められる気持ちは、我々が明るく豊かで元気に暮らしていくために求めているものであり、さまざまものがある。「スポーツごころ」によって、わずかでもその気持ちが前に向くことで、その気持ちは、「スポーツごころ」となる。 

以上のように、「スポーツごころ」は「気づく」ことから始まり、「意識する」へと進み、「実践する」という順を追う。その繰り返しにより、さらに醸成されていく。このことをp2で図式化した。

p3では、その「スポーツごころ」から運動・実践へ誘えるように、図2では「運動・スポーツ活動が内包している目的性」の整理として、その目的のどこからでも入ることができるよう、そして、様々な目的が融合する、ということを図式化している。また、その内容を、p4・5に分類・整理し、まとめた。

p6では、『目覚めよう「スポーツごころ」に!はじめよう「スポーツごころ」で!』というスローガンのもと、府民向けのチャートの作成と活用を謳っている。そして、『「スポーツごころ」をもって日々の暮らしを前向きに過ごしましょう』ということで締めくくっている。なお、現在、府民向けのチャートについて、更に調整と検討を続けているところである。

  • スポーツ振興審議会として、一定の結論を出して提言し、京都府のスポーツ振興計画がつくられ、その後、平成20年に中間年改定をし、修正した。修正して間が無いので、推進審議会としては、提言において、実施率の目標を変えるべきではないだろうとしている。実際には、何人に何人という具体的な数字は、2人に1人というような書き方をしておく方が良いのか、逆に国の方は3人に2人とはっきり出ており、京都市でも3人に2人としている。その指針となる府が2人に1人でよいのか。これは、今回の提言の中身にも影響する。それだけに忌憚のない御意見・御質問もあれば出していただきたい。
  • 本日の新聞にも、実施率について掲載されていた。 実際としては、まだ目標に届かないから、2人に1人という目標が出たのであろうと思うが、数字目標は、インパクトが強い。実体として50%に届かないが、単純に3人に2人として変えてしまって良いのではないだろうか。
  • 同感。p6に記されたとおり平成20年の調査でも、スポーツをよくする人が40%ある。たまにする人が23%、3分の2から、さほどかけ離れていないのではないか。
  • 京都市が3分の2という話だが、府民の立場から考えるとダブルスタンダードになった時に、京都市民は、どちらを向けば良いかということになる。なるべく目標を一つにして、目標であるなら、高い方に習うのが合理的なのではないか。
  • 提言においての書き方は、さまざまなやり方があると思うが、最終的には、やはり目標は3分の2にすべきという意見であると考える。提言では、3人に2人と記してもらうということで確認したい。
  • p2の図1がとても分かりやすくなった。文の構成で「1 はじめに」とあり、「1…2…3…4…5…」と続いているが、p6の「5 府民誰もが『スポーツごころ』を持って」は、「1 はじめに」と合わすならば、「5は、おわりに」とし、あとがきになるのではないか。文の構成の整合性を考えると、最後の項は「おわりに」で結ぶとよい。
  • 5は「おわりに」ではない。あとがきとして「おわりに」とするならば、別途新たな内容が必要だと考える。
  • p6では、チャートをつくり、活用していくと記されている。誘いということを考えるならば、チャートを使って気づく、そして、気付いた後に誘うための展開が最終的な目標だと思う。具体的に今後の展開を教えて欲しい。特に、イベントやどのような施設を使って広報するかなどを教えて欲しい。
  • このチャートは、気づきから、誘うという内容で構成する。どのようなスポーツの実施内容を自分でやれるかを示している。そして、具体的にどのようなスポーツ・運動が良いかを示している。まだ、どのような施設で、どのようなイベントをというところまでは考えていないが、それぞれ各人でやっていただければよいという指標を示したものを考えている。もちろん、有効なイベント等企画できれば良いと考えている。
  • 一番大事なことは、『「スポーツごころ」という言葉を使ってよいのか。』ということであり、押し通していって良いのかということが、問題である。チャートづくりについて、私自身は4・5頁については、本当の「スポーツごころ」ではなく、「スポーツではないのか。」という意見も持っていたが、事務局と検討する中、若い方々の意欲に負け、今に至っている。提言は、我々委員が唱えることであり、世間の方々から「推進審議会は何だ。」と言われないように成文化していきたい。
  • p4(3)<楽しみ>のDの記載内容、「継続時間は長くないが、体を動かすことを楽しんでいる。」という箇所は、気分転換とか、ちょっとした運動という意味で捉えているが、「精神的充足」と書いてある。そうなると今問題になっているのが、「継続時間を長くするとか、継続的に続けることが精神面を考えると良い。」と言われたりしている。一過性のことを書いているのだと思うが、あえて継続時間は長くないが…と書かれていることについて、違和感を感じる。
  • 短時間に昼休みに少し歩いてくるなどの気晴らしになるなどのイメージを持っていただければと思う。 ということは、30分くらいというものも含んでおり、4・5分ということもあるということか。
  • 時間的な問題ではなく、ある程度気楽にしてリフレッシュしていただくものを考えている。例えば気晴らしにストレッチするとか、キャッチボールするなどの本当に短時間で気晴らしにできるというイメージで記載させていただいている。
  • 一日で、トータルでどれくらいの運動がよいかという視点が大切ではないか。
  • 時間についての補足として、もともとこの話の原点が、「30分以上スポーツをしていないとスポーツをしていない。」という府民の皆さんの意識であったものを「そうではなく、少しで良いから動こう。」という提案でとなった。時間に関係なく、「自分は運動ができていない。」と思っている方々に、少しでも動いていただこうという目標があったので、3のように効果・成果は別として、時間に関係なく、スポーツ実践しているということを自覚していただきたいということで記載している。
  • そのようなことであれば、書かなくてよい。解説が必要な、ややこしい、怪しげな明記はいらない。スタイルを合わすことが目的なら、無理矢理な解説となる。だから、別に書かなくてよい。
  • トータルで、これも運動・スポーツになるのだということをどこかに書いていただければと思う。そういう意味で、この観点はとても良い、一般府民にはとても良いと思う。だから、トータルとしてのとらえ方ができればよい。
  • 「ひと駅前から歩きましょう。」「意識して階段を登りましょう。」という記載では、運動とは該当しないが、トータルとしたら効果は十分にあるかもしれない。そのような表現ができればよい。表現は難しいが。
  • 「運動・スポーツとは、一体何だ。」という論議のスタートの話に戻る。たとえば散歩で犬を連れている、逆に一人できちんと服を着替えてウォーキングしている人もいる。我々としては、その犬を連れて散歩している人も「スポーツ・運動している」と捉えたい、自覚していただきたいという議論から始まっている。職場で昼休みに歩く人は、食後毎日10分でも歩いている。部屋に閉じこもっているなら、「朝、頑張って歩こう。」というようにトータル的に1週間でどれだけやったかなど考えていただくことで、スポーツに誘うということに、若干であっても入っていけるかと思っている。
  • これは、最終的には行政が受け止めて考えてくれるチャートに表れてくると思うが、我々としても誤解が生まれないように文章化しなければならないと思う。
  • ここに「運動とスポーツ」と書かれてある。「運動」というのがスポーツ前に書かれているので、これでちょっとしたジョギングなども運動と捉えて、スポーツに絞り込まなくても良いと考えられるようになっていると思う。
  • 良い方向に捉えていただき、ありがたい。前回、私と事務局に預けられ中身を整理した。本来は、受けた行政が府民にどれくらい府民に訴えていくかということが重要であるが、提言が一人歩きすることがあるかもしれないということを考えなければならない。十分注意していく必要がある。年度前には提言するのか。
  • 年度内に提言いただき、チャートに取りかかりたいと考えている。できるだけ早く提言をいただきたい。
  • 前回、種目に関して入っていない種目や順番に、ある程度基準を設けて、記載して欲しいとお願いし、検討いただきありがとうございました。その観点で、p4のC(2)のウ 「表現を楽しむ運動・スポーツのダンス」について、新学習指導要領ではダンスが必修となる。4月以降ダンスに関しては敏感に反応される可能性がある。ストリートダンスが入ってくるなど学習指導要領に載っているものは記載して欲しい。また、その上のイ「自然に親しむ運動・スポーツ」のところで、府民または国民のスポーツ実施の順番はおそらくハイキング・登山が上位である。並びの順番は、親しみのあるものを上にする方が良い。海水浴はかなりシーズン的なものになる。並びの順番はインパクトがあるので、種目などの関連表記は並びが大きな影響を受け安いことを配慮してほしい。リーフレットなど府民向けに出されるときは、もう少し並びを意識していただくことをお願いしたい。並びも規則性がある方が良い。p2の図1において、提言では問題ないが、府民向けに出すなら、融合した気持ちという表現は難しい。できれば、親しみやすい文言を使って欲しい。体裁について、図や表の標記は、一般的には、図1と記載する場合には、図の下に、表1と記載する場合は、表の上に記されるはず。また、図1に黒帯があり、白抜きに記載されると表題と重なり、目に留まりすぎるので、変更する方がよい。
  • 詳細を見ると、「よさこい」はどこに入っているのか。ダンスではないか。
  • 新学習指導要領には、「よさこいソーラン」は、記載されていないと思う。また、ストリートダンスについても、認識が無いので再度確認する。
  • いつも気になるが、せっかくこれをつくっていただいて、p1はじめにのところに「関係機関に、啓発を期待する。」とあるが、京都の「スポーツごころ」の啓発推進大運動の発信手法は、具体的にどのようなイメージを事務局では、持っているのか。
  • 提言を出していただいた後、府民向けのチャートを作成する。配布するだけでは、府民に定着しないと予想するので、その問題克服のため、総合型地域スポーツクラブや学校現場、地域のスポーツ推進委員、体育協会等にお手伝いいただきながら広めたい。さらに細かな方法を考えないと、実施率の4割が5割に、5割が6割には増えないだろうと考える。運動をすでにやっている方は、週に何度もスポーツをされているが、実施されていない方々の取り込みが重要と考えている。運動をやらない方々をどのように引っ張り出すかということが課題であると考えている。
  • 過去、ドイツがゴールデンプランの中で、「第二のスポーツ」を謳い文句で競技スポーツとは異なるスポーツとして啓発していたが、翌年にEUでトリム運動が盛んになり、「第二のスポーツ」は消えた。やはり響きが良くて理解しやすいものが浸透して残り、ドイツでは「第二のスポーツ」を取り下げたと聞いた。これと同じように、日本体育協会も「みんなのスポーツ」として啓発したが、皆が理解しているわけではない。それをみると、この「スポーツごころ」を、行政中心にわかりやすく府民に浸透することができれば、府民に受け入れられるという期待感がある。再度、本日いただいた意見を十分に受け止め、事務局と私に一任いただき、年度内に提言をするということでよろしいでしょうか。
  • 異議なし
  • ありがとうございました。本日いただいた御意見をもとに、会長と事務局とで最終調整し、年度内に会長から京都府教育委員会に提言をいただくよう進める。また、京都府のスポーツ推進に関わり、より一層努力する。御協力、御助言よろしくお願いする。

(2)本府におけるスポーツ推進に係る基本計画の策定について

事務局からの説明

平成16年~平成25年までの概ね10年間を見据えた京都府スポーツ振興計画については、あと2年程度で完了となる。これは、平成12年9月に策定された国の基本計画を踏まえたものである。平成13年~平成22年までの国のスポーツ基本計画については、平成22年8月に策定されたスポーツ立国戦略が受け継ぎ、現在に至たっているが、平成23年6月公布のスポーツ基本法を受け、現在国のマスタープランを策定中である。この3月末には、策定されるという計画である。そうすると国は、平成24年~平成33年のプランとなる見通しであり、その国の策定を受けて、京都府でも検討を始めたいと考えている。京都府の策定計画については、平成24年7月予定の京都府スポーツ推進審議会にて、検討小委員会の設置要項等を作成し、検討委員会を設置。その検討委員会で策定計画を検討いただき、審議会へ提言いただく予定である。スポーツ推進に係る計画案を策定後、パブリックコメント等を経て、できれば平成25年中には策定したい。計画が策定されれば、平成26年~平成35年までの概ね10年間の京都府のスポーツ推進に係る施策を行っていく予定である。策定後5年での中間年改訂による見直しをしていく予定なので、承知いただきたい。

(3)「ジュニア選手育成専門部会」について

事務局からの説明

昨年度来、ジュニア選手育成について、専門部会で検討しており、その進捗状況をお知らせする。申込人数214名に対して、風邪や寒さ等の影響もあったのか、157名の参加となった。選考会は、昨年12月17日京都府立乙訓高校にて、新体力テスト5種目、京の子どもスタンダード3種目、専門適性の3つの測定を行った。この際、府立乙訓高校のスポーツ健康科学科の1年生をはじめ、バドミントン部、フェンシング部の高校生、あるいは同志社大学の学生など、多数のお手伝いによりスムースな運営が出来たことに対し、JOCやJISSなど、中央の方からもお褒めの言葉いただき、無事に終了した。2月16・18日の両日に、保護者、子どもさんとの面談も終了し、その結果として、小学校3年生9名(内訳:男子5名、女子4名、地域:京都市・乙訓地域7名「男5・女2」 山城地域1名「女1」中丹地域1名「女1」)を「京都きっず」として決定した。現在は、来年度から始まる育成プログラムの検討、作成に入っており、4月中旬~下旬に開講式を経てスタートする。

(4)京都府におけるスポーツ施設のあり方懇話会について

説明

昨年1月に一次提言をいただき、方向性が出たので報告する。論点は2点。一つは、市民スポーツ施設の整備を図るため、府民ニーズを踏まえた府立のスポーツ施設の総合的リニューアルである。府立体育館を国際大会に耐え得る施設として改修する予定。また、山城総合運動公園・丹波自然運動公園については、府民のニーズにこたえる形で検討している。2点目は、現在の府立のスポーツ施設では対応できないスポーツに対応する施設の重点整備。サッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなど京都において高い需要があるにも関わらず、国際的な試合や全国的な試合の開催が可能な球技場がないことから、そのことに対応する施設の重点的整備である。以上の論点を3つの部会で検討いただいている。具体的には、次の通り。府立体育館は、国際試合ができるように、環境エコ体育館、床面全面改修、照明改善、空調設備の更新、ドーピングコントロール室等の増設、トイレ・シャワー・更衣室の増設改修、室内内装、玄関外構舗装改修、太陽光発電施設の設置を平成24年の下半期に工事ができるように準備を進めている。山城運動公園は、敷地面積が広く、交通の便がよいという特性を活かして、新たな競技種目への対応、様々なスポーツを体験できるスポーツ活動拠点として整備するための構想を策定し、これらの構想を運動公園部会で検討する。丹波自然公園は、府内唯一の宿泊施設があり、自然豊かな環境である。この環境を活かしながらジュニアアスリートを中心とした選手育成国のNTC(宿泊・基礎トレーニングを同時にできる専用の施設)のミニ版がイメージである。競技場については、ニュースポーツ等の新しい種目に対応でき、災害対応機能面を備えた、2万5千人規模のJ1の試合が出来る器が必要であると考え、至急に候補地の募集を行った。候補いただいた5つの候補地を調査すべきという提案をいただき、第三者委員会である用地検討委員会を設置し、現在検討中である。

  • 当スポーツ推進委員会としても、先々意見が言える場面があると思うので、また、その機会にお願いする。

審議(協議事項)内容(結果及び主な意見)

(1)競技スポーツの充実について

事務局からの説明

  • 「競技スポーツの充実について」をテーマとして協議を願いたい。 「京都府スポーツ振興計画」の中間年改訂のリーフレットに、三本柱のプランの内容が記載されている。これまで、子どもの体力についての「子どもスポーツ充実プラン」については、「京の子ども元気な体スタンダード」の内容で協議いただいた。また、「生涯スポーツ推進プラン」については、「スポーツごころと気づきについて」協議いただいた。今回からは、プラン3の赤い部分の「競技スポーツの充実について」協議いただきたい。 ここでの具体的目標は、1国体での常時入賞、2京都府関係者のオリンピック参加競技を倍増させるというところである。1については、京都国体開催後23年が経過し、この23年間で入賞15回を誇っているが、ここ5年間では1回の入賞しか果たせず、厳しい状況にある。2については、今年のロンドンオリンピックの選手がこれからどんどん決まっていく状況だが、トライアスロン女子の上田藍選手とボクシング競技の村田諒太選手の2人は決定している。目標を達成するための具体的施策がⅠ~Ⅳまである。タレント発掘・育成事業の「京の子どもダイヤモンドプロジェクト」で「入口」の部分の施策、指導者の高齢化に伴い次世代指導者の育成をする施策など、取組を始めているが、振興計画の中にも盛り込まれている一貫指導システムでいう、「出口」の部分の整備や施策が、まだまだ進められていない状況にある。厳しい経済状況の中で、出口の保証は難しい課題ではあるが、京都府としても、国体での成績低下が続く中で、成年選手をいかに確保し、育成するかということは、検討しなければならない大きな課題である。ついては、Ⅰの特に3の内容である「トップアスリートが京都府内に活動の拠点を置くことができる新たな仕組みづくりの推進」について、「京都府ならでは」のしくみづくりができないかと考えているので、御助言をいただきたい。その参考資料として、議事関連資料p2の「JOCのトップアスリートの就職支援ナビゲーション」についてですが、これは、図のように、JOCがいわゆるコーディネーター役となって、企業とトップアスリートを上手くマッチングできないかということである。トップアスリートは、「競技を続けるための様々な支援が受けられないか。」そして、企業側は「この条件ならば支援できるし、会社のメリットを見いだせる。」という、お互いに条件が合えば採用というものである。 昨年2月25日に行われた説明会では、オリンピックを目指す6名の選手が、114社146名の企業役員等に対し、就職先が見つけられない状況を説明し、それぞれが企業のために貢献できることを話した上で、支援を求めた。アスナビは、一昨年秋にスタートし、これまでに5社6名が内定。現在、14競技23人がエントリーをしている状況である。 次に、議事関連資料p3、4に掲載の文部科学省が昨年から始めた「地域スポーツとトップスポーツの好循環推進プロジェクト」は、地域スポーツとトップスポーツの垣根をなくし、人材の好循環を生み出していくことを目的としている。また、スポーツクラブはもとより、小学校においてもコーディネーターを派遣して、民間人の活用を進めていくものである。資料p4の図がわかりやすい。①は、他クラブ等へ巡回指導に行くものであり、③は小学校へ体育授業等の支援を行うものである。②は、地域課題解決の取組等も行うプロジェクトリーダーをおくものである。このように、トップアスリートが企業に就職できれば良いのだが、できない場合には、トップアスリートが巡回指導を多数行えば、競技を続けながら、生活基盤の助けにも成り得るのではないのかと考えている。予算額は、1クラブ最大2,000万円。資料p3の4に記されているが、昨年は73クラブが申請しているが、京都府からは申請がなかった。以上、説明したが、これは成年選手を確保していくというねらいでいうと、一つのヒントを示していると思う。「京都ならでは」の仕組みを検討していければと考えている。

  • 東京マラソンの藤原新という選手が、新聞に載っていた。プロだとか、自前で活躍しているという内容であったが、提案のあった内容はそういうことか。
  • 彼は、そのような選手ではないと思う。企業は駅伝を中心として考えるが、彼は、駅伝に縛られたくないと考え、企業と方向性が違うので辞めたのではないか。もちろん、サポートしてくれる企業を探していたと思うが。
  • 京都国体の時に企業開拓した時の状況はどうであったか。記憶するところでは、商工会議所に選手の雇用と募金をお願いした。チーム単位では雇用が無理だったので、個人種目の雇用をお願いしたり、場合によっては教員として採用して、チームとして練習ができて、団体種目に組み込んだり、さまざまなケースがあったと記憶している。そして、京都国体は、成年の部も成績をあげたという歴史をもっている。日体協やJOCがやっている内容はわかった。「京都方式ではできないか。岐阜はやっているのではないか。みなさんに知恵と知識が欲しい。」ということですね。
  • 今も国体の話を聞かせていただいたが、我々もその方法を取る必要がある。また、プロのバスケット、サッカーチームのクラブチームを抱える企業に働きかけをし、宣伝をしながら、活動できる環境をつくれたらよい。団体では苦しいが、個人でよい。企業のワッペンをつけた選手が、半日は仕事もしながら、半日は練習をすることを企業の理解を得て、信頼を得るのが理想だが、なかなか難しい。もし、他に案があれば御意見いただきたい。
  • こちらのリサーチでは、京都国体のころと違い、経済状況が苦しい。アスリート一人を採用いただくことが難しい。その状況で、企業が振り向く人材とはどんな人か、企業がアスリートに向いてくれる方法で、何がよいのかを御意見いただければありがたい。
  • ふるさと登録があるが、他府県に勤めていても京都で出られることなどを考えられないか。制度も研究する必要がある。また、岐阜はどうしているのか。
  • 岐阜は来年度国体開催地であり、精力的に動けていると思うが、体育協会会長が商工会議所の会長を兼ね、自ら働きかけをされている。現在、終身雇用が90名、臨時雇用が70名、合計160名が雇用され、来年度以降、後々まで、力を発揮することと予想する。
  • 終身雇用も大切だが、このスポーツにはこういう保障をしてやるということも大切であるので、もっと詳細なリサーチをして欲しい。岐阜も、京都に似た方式をとっている。大企業に頼んでも、選手をひと抱えするには工場がなければ苦しいなどの条件がある、定着を図るのは難しいと聞く。今日、明日に結論を出すことは難しいが、早い機会に京都方式でトップアスリートを抱えておくにはどうすればよいかを今後も継続して協議ましょう。この会も推進となったので、推進を目標にしましょう。
  • 大学で、JOCの情報院のキャリアカウンセラーに学生を対象に話をしていただいた。トップアスリートの行き先は確かに難しい。不景気で採用は難しいが、選手側にも問題がある。競技ばかりでトレーニング一本で過ごしてきている中、人脈がない、基礎教養もない。企業としては競技者としては評価できても、社員として評価できなければ困る。やはり、勉強が必要。学生には、競技以外にもセカンドキャリアも考えることが必要である。もちろん就職先を考えることも大切だが、選手にも自覚を持たせることが必要であると考える。 滋賀県の例だが、スポーツに対する予算は少ない。一般の人からファンドを立ち上げて、少額でも資金を集め、県のスポーツ選手を応援するしくみを作っている。企業が決まらなければ諦めるのではなく、就職が決まるまでの間を繋ぐことができるしくみを考えることが必要。
  • 自分は起業しているが、経済状況が悪く、人を雇うのは大変難しい。しかし、地域によっては、若い人材が欲しがっている地域もある。高齢化の進む農村地などはそうである。農業のサポートをする、高齢者に関するサポートをしながら収入を得て、活動を続ける方法などもあるのでは。お金を生み出しながら時間をつくりトレーニングする方法はどうだろうか。
  • 次回審議会では、具体的な策、もしくは抽象的な内容でも良いので御意見をいただきたい。

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