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京都府環境影響評価専門委員会の結果概要(平成29年10月5日(木曜日))

1日時

平成29年10月5日(木曜日)午後6時から午後8時まで

2場所

京都府福利厚生センター会議室第4、5会議室

(京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町)

3出席者

【委員】
渡邉委員長、磯辺委員、上田委員、大下委員、黒坂委員、佐古委員、清水委員、田中委員、德地委員、成瀬委員、中尾委員、増田委員(12名)

【事務局】
環境技術専門監、環境管理課長、その他関係職員

【傍聴者】
なし

4公開・非公開の別

一部非公開
審議内容が京都府情報公開条例第6条第4、5号に該当する事項に係る審議
(附属機関及び懇談会等の会議の公開に関する指針の「3会議の公開の基準」による。)

5議題

(仮称)南山城村太陽光発電所計画に係る自主環境影響評価報告書(案)について

  1. 京都府知事から委員会への意見照会について
  2. 自主環境影響評価報告書(案)について
  3. 京都府から事業者への意見(案)について

6主な意見等

生物への影響について

  • 森林には気温を下げる効果があるため、樹木を伐採すると広い範囲がかなり乾燥した状態になり、間違いなく気温が上がると思う。「周辺への影響はほとんどない」というが、重要な生物がたくさんいるという状況で影響はかなりあるのではないかと思う。湿地性の生物は、乾燥して気温が上がれば生息は非常に危うくなる。開発区域外だから問題ないということはない。
  • 夏場の暑いときにはパネル表面温度は、気温よりおおかた20℃から30℃高くなる。そうすると、ヒートアイランド現象は間違いなく起こる。上昇気流も起こる。そして、当然森林の方から冷たい空気の循環が起こって風が起こると思う。そうなると、当然周りの生態系はかなり変化があると思うため、植物等を移植してもそこに生息できるか十分考慮して欲しい。
  • 動物、植物、生態系も供用後の調査が必要である。
  • 空中を飛翔する昆虫にとっては、太陽光の反射光が、天空からではなくて下からも横からもくるので、正常な飛翔を妨げられるものが多くなる。湿地が保たれたとしても、その周辺や大気中の構成は大きく変わってしまうということが予測される。

水質・地下水について

  • 草が生えると思うが、常時管理していくということか。除草剤を使用するのか。

【事務局】除草剤は使用せず、手作業で除草すると事業者から聞いている。また、伐採した木をチップ化して敷き均すということである。

  • 水を貯めるところがあって大丈夫というが、集中豪雨時も問題ないのか。
  • 土地の勾配が分からないため、工事中の沈砂地、供用後の調整池の配置場所についての理由が分からない。洪水調整とか濁水調整をするのだとは想像するが、勾配や水路の位置も含めて沈砂池、調整池を設けられた理由を明確にしてほしい。
  • 地下水に関しては、確かに調査が不十分といえる。降雨量は、太陽光パネルの有無で変化するものではないが、最終的にどこへ水が行って、その水によって南北に通っている湿地の状況がどう変わるのかは、水の量として押さえておく必要がある。表流水が多くなって、地下水の量が少なくなるのだと思うが、地下水が、湧水として湿地帯に流出しているのであれば、それを表流水として湿地帯に導水できるのかということを確実に押さえておいてほしい。

湿地への総合的な影響について

  • 報告書では、植生分類(環境類型区分)はされているが、大きな面積を占めるところが影響ないとされていて、湿地に関する評価がない。湿地が森林と同じだけの面積あることは普通ないので、小面積だから評価しなくて良いことにはならないと思う。
  • 全国的にも湿地が減っているわけではあるが、それがさらに減る事業である。生態系の評価で、「アオガエルは、推定行動面積のうち、31.2%が消失するが本種の生息への著しい影響はない」というかなり大胆な推察がなされているが、推定が甘いのではないか。湿地植生そのものが重要であるということ、それがなくなってしまうことでそれに依存している生物への影響が多大であるということを認識してもらいたいので、京都府から事業者に意見を述べる際には、その点を強調の上にも強調していただきたい。
  • 湿地のすぐ南側にこれだけの切土がなされると、大気の流れがずいぶん変わって、乾燥化が進んで、飛来種子がそこで繁茂を始めて、その種子が今度は湿地の方に移動して、ということが間違いなく起こってくると思う。
  • 府からの意見としては、湿地の取扱いに配慮をすれば良いということにとどまらず、管理を具体的に進めるように求めてはどうか。また、住民の方からも、こういった管理、事業影響でこうなったということが言えるように、事前のデータを揃えておくべきで、そのあたりをもう少し事業者に求めてほしい。

温室効果ガスについて

  • 樹木の伐採によりその分のCO2吸収量は減少するが、太陽光発電によりCO2を削減する量の方が多いから問題ないということだが、いったん伐採した森林は元には戻らない点を考慮すべきである。
  • 木は切ったが緑化をした、ということでプラスの効果を入れてもらうためにも、供用時の評価をしてほしい。

地形・地質について

  • 木津川断層帯は、「露頭がない」ことから、この地域は通っていないと思われるということだが、「露頭がないから確認できない」ということだと思う。造成の際に見つかることもあり得るので、造成時にチェックすべきではないかと思う。

埋蔵文化財について

  • 埋蔵文化財はどういう根拠で問題ないと判断されたのかの説明がない。問題ないと判断された根拠を記載しておいていただきたい。

廃棄物について

  • 廃棄物に関する評価がされていないが、これは避けて通れない。事業中のパネル交換や事業終了時の廃棄の際の問題であるため今までのアセスでは対象としてなかったが、そのまま廃棄すれば有害物質も含まれているので大事な問題である。廃棄物の評価はしてほしい。

その他

  • 環境影響評価で直接対象とすべき内容ではないが、地域への経済効果は期待できないのか。除草作業を地元に委託することで、地元にプラスになるといった事例がある。太陽光発電では常時管理する人が必要な訳ではないが、見回り等の簡単な管理を地元に委託できれば、環境面で適切な管理ができるのではないか。
  • 観賞用の樹木を植栽したらよいという表現が複数箇所みられるが、自然環境への影響という観点と住民意見等から考えると、ソメイヨシノを植えてほしいということではなく、ハンノキやコナラのような里山的あるいは湿地と関係するような植生を求められているように思う。そのあたりが住民意見と食い違っているような気がする。管理の中で住民の意見も取り込めるよう、計画段階からもう少しきめ細やかな意思疎通をしながら進めてほしい。

意見の取りまとめ方針と今後のスケジュールについて

  • 欠席委員の意見も確認した上で、10月末を目途に意見案をとりまとめたい。【事務局】
  • 時間をかけて審議したものではないので、府として再度精査された上で意見を述べるよう求める。
  • 回答案への委員意見の反映については、各委員と個別に調整し、事務局において、委員会回答案を作成する。
  • 委員会回答の最終取りまとめは、委員長に一任する。

7配付資料

次第(PDF:60KB)
資料1委員名簿(PDF:77KB)
資料2委員会規則(PDF:61KB)
資料3-1(表面)委員会公開の取扱(PDF:57KB)
資料3-1(裏面)公開方針(PDF:58KB)
資料3-2傍聴要領(PDF:84KB)
資料4意見照会(PDF:19KB)
資料5事業概要(PDF:91KB)

お問い合わせ

総合政策環境部環境管理課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4705

kankyoka@pref.kyoto.lg.jp