第8回京都府風力発電事業評価委員会の要旨
1 開催日時
6月9日(木曜日) 18時00分~20時20分
2 場所
ルビノ京都堀川 銀閣の間
3 出席者
【委員】関委員長、伊多波委員、前田委員、前野委員、増田委員
【事務局】公営企業管理監ほか
4 審議結果
委員会意見の最終とりまとめとして「意見集約(案)」を審議した結果は次のとおり
- 事業性が見込めるようになる収支改善策は見当たらず、経営の観点からは、事業譲渡の可能性を探り、事業廃止も視野に入れておく必要あり。
- 必要となるキャッシュを最小とするため、当面1基(4号機)を廃止し5基を運転していくことが現状においては適当。但し今後の号機別収支状況等を踏まえて、個別風車毎にその存廃を判断していくことが必要。
- COP3開催地=京都での環境施策としての意義、日本の風力発電技術への貢献度、現在のエネルギー情勢上の必要性や風力発電の優位性などを定量評価し、不採算事業での損失を上回る成果について説明責任を果たしていくことが必要。
- 「2現有施設の今後の取り扱い」の内容は、経営シミュレーションの結果により導き出されているので、「1抜本的な経営改善策の検討」の中で記述すべき。
なお、最終的な「意見集約」については、各委員の意見を個別に聴取・調整の上とりまとめを行うこととなった。
5 主な委員意見
- 太鼓山風力発電は、地球温暖化問題に対するフラッグシップ的な役割を担い、また、日本の風力発電技術の発展に大きく貢献してきた。現在のエネルギー情勢を踏まえれば、大型化等新しい技術の飛躍的進展の可能性も否定できない。可能性がある以上、現時点で性急な判断を下すのではなく、衆知を集め経営的な努力も重ねていくことが、COP3の地、京都としても望まれる方向ではないか。
- 更に、前向きに考え、太鼓山風力発電を日本の風力発電に貢献させるため、大型風力発電が必要とする高位置の風向・風速データについて、既設の避雷鉄塔(H=100m)を利用し収集しておくことも必要ではないか。
- 風力発電は太陽光発電と比較すると発電効率や発電コスト面で優位性は大きく、現在のエネルギー情勢を勘案すれば、太鼓山風力発電が赤字であるからと言って廃止すべきではない。
- H19~H22にかけて売電収入が落ちている状況は、平均風速が減少傾向であることや冬季落雷の影響で運転停止時間が長いことが影響しており、機器の劣化ではないと推察される。
- 風速の高い冬季に故障してもすぐに修繕するなどの体制を整備し、発電量を向上させる必要がある。
- 号機別の風向・風速の分析結果から1基廃止による風車の相互干渉が緩和されたり、風速が以前の平均風速並になったり、再生可能エネルギーの固定買取制度により売電単価が引き上げられれば、経営シミュレーション以上になることも考えられるので、現時点では、事業廃止ではなく、譲渡してでも運転することを視野に入れつつ、5基で効率の上がるようなネットワークやシステムを作り運転継続することが望ましい。
- 風力発電を有力なエネルギー源として普及させるのであれば、新しい風力を展開することだけを考えず、既存の風力発電の評価を十分行い、経営面で採算がとれる運用形態になるようなしくみづくりを国に働きかけていってもらいたい。
- 経営シミュレーション結果から、今すぐ事業廃止すると益々状況が悪くなるので、4号機を停止し5基運転という一番無難な経営を続けざるを得ないということが現実的な一つの結論ではないか。しかし、想定外という事態もあり得、今後も色々な状況の変化等には注意して対応できる姿勢は持ち続けるべきであろう。
- 採算性はあきらめざるを得ないという結論であるが、将来を含めもう少し大きな枠組みの中で見れば、伊根町役場の電気を太鼓山風力発電で賄うとか市町村と京都府がコラボレーションし自然エネルギーに対する新しい取組みを行うなど風力発電に対する新しい情報発信を行い、府民の理解を得るべきであるという二段階の結論も委員会の設置目的の答えとしてあり得るのではないか。
- 平成18年度包括外部監査報告において、「不採算事業を継続することによる損失を上回る成果をあげていることについて説明責任を果たす必要がある」と言われているが、定性的なことだけで十分とは思えない。
「環境施策としての位置づけ等」の項目の中に、各委員から出された定性的な内容などを技術的な評価方法を用い定量化することを提案する必要性なども提起したい。
- 「2現有施設の今後の取り扱い」の内容は、6基継続運転、5基継続運転、事業廃止の場合などの経営シミュレーションの結果により導き出されているので、「1抜本的な経営改善策の検討」の中で記述すべきである。
添付ファイル