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平成20年度第2回京都府公共事業評価審査委員会の開催概要について

平成20年9月17日 
京都府建設交通部 
指導検査課 
075-414-5221

 平成20年度第2回京都府公共事業評価審査委員会の概要は、下記のとおりでした。

1 日時

 平成20年7月31日(木曜)午後1時30分から午後5時20分まで

2 場所

平安会館「平安の間」 

3 出席者

 「京都府公共事業評価審査委員会」委員

吉川 和広(よしかわ かずひろ) 京都大学名誉教授
河地 利彦(かわち としひこ) 京都大学農学研究科教授
芝池 義一(しばいけ よしかず) 京都大学法学研究科教授
中西 たえ子(なかにし たえこ) 京都商工会議所女性会副会長
深町 加津枝(ふかまち かつえ) 京都府立大学生命環境学部准教授
福本 桂子(ふくもと けいこ) 公募委員
森田 宏明(もりた ひろあき) NHK京都放送局副局長

(五十音順、敬称略)

事務局

(建設交通部)部長、技監(土木担当)、理事、担当課長ほか
(文化環境部)公営企業管理監、担当課長ほか
(市町)京丹波町長ほか

4 委員会概要

公共事業再評価の個別審査

  • 畑川ダム 河川総合開発事業 (事業主体:京都府・京丹波町、事業箇所:京丹波町)
  • 河梨 急傾斜地崩壊対策事業 (事業主体:京都府、事業箇所:京丹後市)
  • 宮津湾流域下水道事業(汚水)及び関連公共事業 (事業主体:京都府・宮津市、事業箇所:宮津市・与謝野町)
  • 木津川上流域下水道事業(汚水)及び関連公共事業 (事業主体:京都府・木津川市・精華町、事業箇所:木津川市、精華町)
  • 桂川中流流域下水道事業(汚水)及び関連公共事業 ( 事業主体:京都府・南丹市、事業箇所:南丹市) 

審査の結果

今回審査した事業の再評価は、委員会に提出された資料、説明の範囲において、おおむね適切に進められており、各事業主体から提出された対応方針案(5件とも「継続」)のとおりでよいと判断される。

5 議事の内容と主な意見

畑川ダム 河川総合開発事業について

  • (委員)事業の執行の現状はどうか。用地買収がほぼ完了したとのことだが、ダム本体の施工はまだなのか。
    (河川課)現在実施している工事は付替道路工事等のみで、ダム本体関連工事を当委員会の判断を踏まえて実施する予定である。
  • (委員)開発団地での新規の水需要を見込んでいるが、現状はどうか。
    (京丹波町)昭和40年以降にたくさんの団地が造成されたが、充分な水道がなかったことから家の建設が進まなかった。団地においては、開発業者が主に井戸水を利用した簡易な水道施設を建設しているが、十分な水量もなく衛生的にも問題であるため、町が水道水を給水できるように工事中である。本町としても水道水の確保を定住施策の1つとして位置付け、人を呼び込んでいきたいと考えている。
  • (委員)水不足が深刻との印象を持ったが、今の日本において、未だに水不足がこれほど深刻であることが信じられない。写真も枯渇している水源のものばかりだが、現状はどうなのか。
    (京丹波町)全てが、谷川等の小河川から取水している訳ではなく、やや大きめの水源からの取水も含め一日当たり9,100立方メートルの水量を何とか確保している。特に、開発団地は、民間開発業者が独自に給水を行ってきたが、バブル崩壊等により業者がいなくなるケースもあるため、住民から町水道への切替えの要望がある。町で水道整備を進める中で、新たな家が建設され始めている。
  • (委員)ダムによって得られる水は、どのような用途で利用するのか。
    (京丹波町)全ての、町の水道に接続しているところに給水することになっており、一般家庭や事業所で利用される。
  • (委員)畑川-1-23ページに記載されている、ダムのコスト縮減の基礎掘削線の見直しについて、図では右岸のみが記載されているが、両岸で実施したのか。
    (河川課)両岸で実施している。
  • (委員)将来枯渇する恐れのある水源とはどういう水源で、その理由は何か。
    (京丹波町)井戸から取水しているクラベシ第2水源で、近年取水量が減少してきており、その原因は地下水脈の影響によるものと推測している。
  • (委員)将来の水需要予測において、一人あたり一日平均271リットルの水道水を使用すると推計されているが、実績はどうか。また、この水量はどのように推計したのか。
    (京丹波町)現在の実績は242リットルである。将来水量は、過去10年の数値を用いて、トレンド予測を行い、平成30年時の予測を行った。
  • (委員)企業アンケートで10年後の必要水量を確認されているが、10年先を予測するのは難しいと考えられる。回答の精度は大丈夫か。
    (京丹波町)今回調査で最大の水量を要望しているA社は、平成2年に工場を建設、その後隣接地に第2工場を増設、現在第3工場の建設用地を隣接地に取得するなど、京丹波町で事業展開を予定されており、発展が見込める大口事業者である。「水さえ確保できれば事業拡張できる」と経営者から直接聞いており、水需要予測に含めている。
  • (委員)開発団地の新規水需要の推計で、「余暇を過ごすためのセカンドハウスを建てたい」や「家の建設予定はないが給水希望する」との要望について、新規水需要に計上するのはおかしいのではないか。前者は、気候の良いときに少しだけ滞在するだけであるし、後者は家が建たないと水を使用しないので、定住者の要望と同等に扱うのではなく、換算係数を設定するなどの処理が必要ではないか。
    (京丹波町)セカンドハウスは、滞在中しか水道を利用しないが、夏休みや年末等のシーズン時の帰省も想定され、水道は将来予想される最大の需要に備える必要があり、水需要に計上した。
    (公営企画課)京都府としても課題と考えており、京都府で京丹波町の水需要予測について精査しており下限値は自己水(井戸水)による給水を上水道に切り替える人、具体的に家を建設予定の人のみを計上し、「余暇を過ごすためのセカンドハウスを建てたい」人、「家の建設予定はないが給水希望する」人及び「生活条件が整えば住居を建設する」人を計上せず、厳しく推計している。既存事業所の水需要予測は、大口A社は町長が社長に会われて確認を取られた数値であり、確度が高いと考え推計に計上している。下限値では、工業団地に立地する企業の新規需要はないと厳しく想定している。府としても、下限値の場合でも、現在の既存水源の能力を超えるため、新たな水源を求めることは妥当と考えている。
  • (委員)ダムが完成し給水を行った場合、水道料金はどうなるのか。これだけ費用をかけて事業を行ったのだから、水道料金に反映されるのではないか。
    (京丹波町)町の再評価委員会の審議においても、財政シュミレーションを通じて水道料金の値上げの要否を検討したが、現行の水道料金を改訂しなくてもダム負担金を含めた事業費が回収できると考えている。
  • (委員)現在のダム関係の建設に係る進捗状況はどのようになっているのか。また、地域の協力体制も良好であるとの説明であったが、人口増加の見込みや水需要の予測に関して、地域住民との温度差というものがあるのか。
    (河川課)ダム事業は、77億円の内約36億円を支出している。
    (京丹波町)水道整備は、全体144億円の内約110億円(8割)が完成している。脆弱水源を多く抱えることから、大きな管で断水等が生じない水融通できる整備を行っている。
    (京丹波町長)列島改造において、住宅団地が開発されたが、その中でも簡易水道の認可を得て一日当たり最大600立方メートルの水源を確保した団地では、現在600件の家が建ち約1,400名の方が居住されている。水が確保できればそれだけの人が現実に、居住されるということである。
      現在、道路や下水道等インフラ整備が整ってきた中で、インフラを最大限生かしながら町の発展も目指していきたい。水を安定的に供給できる体制を作っておかないと、せっかくの土地を生かすことが出来ないと考えていることから、畑川ダムの建設によって一日あたり5,000立法メートルの水を必ず確保していただき、それを基に新たな町づくりを展開していきたいと考えている。議会や住民からも、「しっかりとした水の確保をしてほしい」と強く思っておられ、議会で議決をいただいたところである。
      A社の需要予測については、今年度4月に社長の来訪を受けた際、「さらなる事業の拡張を目指したいが、水道の給水量が制約条件になっており、現在約束をしている以上の給水量を確約してもらわないと、企業を発展させる計画を立てることすらできないので、ぜひ明快な町の答えをほしい。」との要望をされました。私は「今、京都府で畑川ダム事業の再評価を本年、夏前後に受けると聞いており、その場で事業の継続が確定すれば、新たに日あたり5,000立方メートルの水が確保できると、明快に返事ができる」と返答したところ、社長も「わかりました。首を長くして待っている、その上でしっかりした計画を立てる」と返事をいただいたところである。なおその際、要望書も提出してもらっている。
  • (委員)余裕をもって地域の発展に対応するためには、何らかの安定的な水源を確保することが必要である、との事情はよく分かり、最近各地で水余りが言われているが、京丹波町においては水源の確保が必要であると思う。ただし、事業所からの増量要望に関するアンケートについては、取り方及び見込みの立て方が良いのか疑問である。難しいとは思うが、企業の心づもりでなく、企業活動について客観的にどうなっているかを見る必要がある。
      また、今回町が推定した水需要予測の数値については、ダムの計画に合わせて算定されたようにも感じる。しかし、府の出した水需要の最大値が、町の方の数字に合うので、これは、ギリギリ府としても認められるものであるとの理解でいいのか。
    (公営企業管理監)既存事業所の新規水需要の予測値は、町が行ったアンケートによるもので、客観的な数値を基に算出していると考えている。町では、将来の振興等を考慮して、水をある程度確保する観点から予測されているが、京都府ではダム事業を推進していく立場から、より厳しく評価している。府の検討結果では、仮にダムによる給水の必要量が一日当たり下限の3,000立方メートルとなりダム規模をその規模に変更しても、ダムの建設費はあまり変わらないことから、現計画で事業継続が妥当と考えている。
    (委員)水需要が下限値の場合であっても、ダムの建設費用があまり変わらないので、現計画が妥当で、ダムの現計画規模は容認できるということか。
    (公営企業管理監)町の振興には、ある程度余裕をもった水の確保が必要であろうことも考慮したうえで、総合的に判断したものであり、そのように考えている。
  • (委員)既存水源の能力は日当たり9,100立方メートル、内既存の水需要は日当たり7,532立方メートルであり、新規の需要がなければ日当たり1,500立方メートル程度の余裕がある中、アンケート予測で将来予測を見込んでいることが、非常に説得力に欠ける数字及びデータの使い方であると感じている。
      また、今回は利水の面だけが議論されているが、環境の面等も検証が十分でないように感じるので、もう少し精査してはどうか。
      なお、水道料金が将来的に変わらないことについては、数字で示していただければ納得できると思う。今回の資料だけでは判断しにくいと感じた。
    (公営企業管理監)京丹波町においては、今回アンケートを取り直し、また大口の事業者には直接ヒアリングして推計しており、やるべき事はやっていただいていると考えている。水道料金の将来予測に関しても、町で精査されている。今回の水需要予測については、現時点で出来る限り精査をして、厳しく予測したものと考えている。
  • (委員長)今回の再評価の論点としては、京丹波町の水需要の問題及びダム計画の変更があると考えている。
      計画変更については、前回評価時にJR保全対策工で9億円と見積もっていたが、JRとの調整の結果、液状化等の検討をする必要があるとのことで14億円に増加した。しかし、新しい取付道路を新規のダムの上を通すことで延長が減ることや、ダム本体工のコスト縮減の努力等によって、全体事業費の77億円は変わらないとのことである。この点については委員の皆様はご了承できるか。
      水需要に関する問題については、京丹波町の水道事業そのものの評価については、町が別途に再評価委員会をつくり、責任をもって評価をされているので、委員会の独立性から本委員会で意見することはできない。ただし、畑川ダム事業を継続するか中止するかという議題に関連することについては、充分に議論し評価をする必要があるので、水需要の推計方法については、我々で議論する必要があると考えている。
      そこで、京都府として、再度厳しく検討された資料をみると、需要推計において、一番厳しく見積もったパターンと中間パターン及び最大パターンの3つを示して評価をしている。その結果、一番厳しく見込んだパターンにおいても現在の既存の水源の水量は不足しており、他に代替水源がなければ、ダムを造らなければいけないとの説明であった。また、水需要が最低のパターンである場合、ダムによる利水量は一日当たり3,000立方メートルとなるが、現計画の利水量5,000立方メートルでの場合と事業費を比較しても、ダム工事費は2千万円程の差にしかならないとの説明があり、このことを勘案すれば、最大水需要に対応できる現計画のまま継続することが妥当であると京都府は評価している。
      本ダムは利水だけでなく、洪水調節のためのダムでもあり、ダム容量を用途別に見ると、洪水調節に109万トン、利水のための需要が最大と見積もって30万トン、その他正常流量の確保や堆砂容量等で57万トン必要であり、合計すると196万トンになるが、利水の需要が最低の場合12万トン少なく184万トンとなり、1割も減らない。よって、確実にダムは必要であると判断できる。
      町の水需要の推計について府で厳しく精査したとろ、一番厳しく見込んだ場合やセカンドハウス等の需要をある程度見込んだ中間場合及び最大の需要があった場合で比較検討してある。その基となる調査に関しては、水需要に大きく影響する大口の事業所についてアンケートを行ったとの説明であった。
      アンケートについては過大な数値が出やすいので非常に危険であるとも思えるが、町長からA社のトップと約束して要望書もとっているとのことであったので、そのことと面談の経緯について再度説明をお願いする。
      それというのも、我々委員のところに京丹波町のこうした水問題について考えておられるグループから、A社にじきじきに行って担当者と話し合ったが、将来は日あたり1,000立方メートルしか要望していないとの内容の文書が送られてきているからである。
    (京丹波町長)4月に面会したのは、私どもから申し出たわけではなく、A社の社長の方から申し出があり、用件を伺うと、「A社が事業を拡大していくのに基本となる水が、町の方で約束できるかどうかを伺いたい。将来一日当たり3,000立方メートルを要望したい、それが確約されればこの地で企業を延ばしていく努力をしていく」との内容であった。A社については平成2年から平成17年にかけて、現実に第2工場を建てておられ、これからも企業運営を進めていきたいとのことだった。
    (委員)それは責任ある立場の方の発言か。
    (京丹波町長)社長自らです。
    (委員長)、町からは水源が他にないとの説明があったが、ダム以外の水源として、「関西電力が和知ダムを建設する際に協定を結ばれ、その中で丹波町が将来水を必要とする場合、発電に支障の無い限りダムの水利権を与えるとなっている」と言われているが、その真偽や法的な取扱いはどうなっているのか。
    (河川課)昭和39年12月に和知ダムが建設された際に、旧丹波町長、旧瑞穂町長等、地元と協力をするとの趣旨で交わされた覚書であるが、その文面を正確に読むと、「関西電力の水利権の行使について、当該発電所の運営に支障の無い限り、原則として丹波町に水利権取得に関する諸申請に同意するものです。」となっており、水利権の行使にあたっての諸申請に同意するもので、発電に支障のない量を、取水権として与える約束をしたものではない。つまりこれは、関西電力は発電の水利権を持っているが、将来、町がダムを建設して新たに水利権を取得する際に、上下流の同意を得る必要があるが、その際の申請にあたっては同意するということを記したものである。この点については誤解が生じていると思っている。
    (委員)その申請先はどこか。
    (河川課)申請先は河川管理者で、一級水系であるので国土交通大臣あての申請になる。
  • (委員長)新規水源として下山水源(2,925立方メートル)を開発すれば、ダムを必要としないのか。
    (京丹波町)下山水源は、既に平成16年度に供用を開始しており、既存水源に含まれている。
  • (委員)A社の件について、口頭での話を基に需要予測を行うのは適切ではないと考えるがどうか。
    (京丹波町)社長から要望書もいただいている。
    (委員)町と企業の双方で契約書等で、確認しておくべきと考える。
    (京丹波町)水量の確保ができていない現状においては、町として契約などの行為は難しい。
  • (委員長)契約書を交わすようにとの専門家からの意見だったので、町も京都府も早く契約書を交わされるように留意していただきたい。
  • (委員長)結局一日当たり3,000立方メートルから5,000立方メートルの間の水は足りないからダムは必要であり、治水問題等の面から見ても、このダムは必要であるということではないだろうか。
      それでは、畑川ダム河川総合開発事業の再評価については、委員会に提出された資料、説明の限りにおいて、概ね適切に進められており、京都府および京丹波町より提出された対応方針案のとおりでよい、と判断される、としてよろしいか。
    (委員)(私は)判断できない。
    (委員長)どのような理由か。
    (委員)水需要の予測、もっと厳しい見方ができないかと言う点で、「概ね適切」とは思えないためである。
    (委員長)では、どういった推計の方法がよいのか、意見を述べるべきである。
    (委員)個人的には、今日の説明ではこのダムの必要性がどうかという点について、納得、理解することができない。私一人の意見なので、先に進めていただきたい。
    (委員長)いや、個々の意見は重要であり、府民代表の意見でもあるので無視はできない。
    (別の委員)水需要の予測が過大との認識だろうが、わが国もそうだが、世界的に見ても、水需要の予測手法として今回のものは、将来的にも基本的には変わらない手法が取られている。京都府はさらに厳しく是非を問われおり、このことは評価されて良いと思う。また、先程も確認したが将来一人当たりの一日の使用量271リットルの値も決して過大ではない。
    (委員)こういう推計方法が普通ならそれで良い。事業継続はダメだと抗議しているつもりではない。個人的に腑に落ちない点があるので、「概ね適切である」と自分自身で納得できない。私が同意しないことで、大きな方向性を変えてしまおう、というつもりでは言っていない。
    (先程の委員)事業継続に反対との意見ではないと思うが、地元の人がいかに望んでいるかが重要で、水が足らないといっても直ぐには準備ができず、十年、二十年、三十年という時間が掛かるため、行政としては、安定した水源の確保に関して、地元の要望に応える必要がある。一定の方法で、将来予測しながら、経済的にも妥当なものを出していると私は考える。しかも今回のダムは多目的なので、治水、利水面において、総合的に評価した上で、判断する必要があると思う。
    (委員)地元の中で必要性が十分理解されて、このダムが将来に亘って町の発展に繋がるのであればとやかく言うつもりはない。ただ不安な要素があったため、疑問な点が一部あるということを残しておきたいと思っただけなので、委員長のおっしゃる判断で良い。
    (委員長)予測とは、総合的に判断するためのシミュレーションであるが、できるだけ科学的に行い、精度を上げる努力は、事務局の方で引き続き進めてもらわないといけない。
      その上で、今回説明いただいた事を総合的にみて、この事業の継続をしたいとの対応方針案のとおりでよいかどうかを判断したい。他の委員から判断できないとの意見がなければ、対応方針案のとおりで良いと判断されるとしたい。
      事務局の議事録の中では、一人の委員が判断できないと発言されたことを、明確に記録していただきたい。
      残りの委員の中では、総合的にみて京都府の説明が100点満点であると思う委員はいないと思うので、ギリギリ合格点をやろうかという意見の方が大部分であろうと思う。事務局には今後さらに切磋琢磨してほしい。それでは、先ほど申した対応方針案のとおりでよいと決定したい。

河梨 急傾斜地崩壊対策事業について

  • (委員)法枠工はあちこちで見かけるが、コンクリートがむき出しで無粋だ。たとえば、緑色のカラーコンクリートを使用する等の方法で、景観への配慮はできないのか。
    (砂防課)カラーコンクリートを使用すると費用が増加するが、地元負担を徴収している事業であるので、理解が得られた時には使っている。また、本箇所ではないが、景観への配慮として、枠内に樹木を残したり、コンクリートを極力小さくして緑化区域を増やす等の工法により、コンクリートが見える部分を極力小さくしているところもある。
  • (委員)調書には、急傾斜地法と土砂災害防止法の二つの法律が記載されているが、これらはどんな関係があるのか。
    (砂防課)事業実施や受益者負担金の徴収等は、急傾斜地法に基づき実施している。土砂災害防止法は、区域設定や行為制限を行う法律である。
  • (委員)調書の「河梨-6」ページ、1-3の図で、滑ろうとする力の矢印は、山側に記載されているが、滑ろうとする土にかかる力を表現するものなので、崩壊しようとする土の方に記載すべきではないか。
    (砂防課)ご指摘のとおりであり、調書は修正いたします。
  • (委員)河梨川右岸は急峻な地形にもかかわらず、事業実施していないが、急傾斜地崩壊危険区域には指定しないのか。
    (砂防課)事業実施するために必要な急傾斜地崩壊危険区域には指定していないが、土砂災害警戒区域に指定し、危険区域の明示や行為制限等を行っている。
  • (委員)河梨川右岸斜面の崩壊の危険は高くないのか。
    (砂防課)危険性はあるが、詳細な調査をしないと判断できない。
  • (委員)先程、別の委員からも指摘があったが、景観について改善を検討してほしい。
      また、事業区域の背後の森林についても、手入れを行い、健全な状況をにすることも、安全上必要ではないか。
      また、法面緑化で郷土種を用いるの説明であったが、具体的にはどのような対策を行っているのか。
    (砂防課)事業着手の際行う地元説明では、まず山の維持管理を行うことが、斜面崩壊防止の前提条件であると、地元住民の皆さんにはお伝えしている。
     また、在来種の使用については、工事後の斜面の植生回復のために行う種子吹付けなどで在来種の種子を使用している。具体的には、施工後早急に表層部分の崩壊を防止するため、生育の早い外来種も一部使っているが、ヨモギ、ハギ等の在来種を使用している。また、植物が育ちにくい地形、地質である場合は、肥料袋等も使用している。
  • (委員)地域住民の生命の危険があるのならば、早く事業を進めてべきだと思うが、地元負担金を概算で計算してみると、1軒あたり100万円となるが高額であると感じるがどうか。
    (砂防課)法律の趣旨や保全対象から判断して、個人の財産を守る施設であり、一定の負担はやむを得ないと考えている。負担率の設定にあたっては、保全区域内の公共施設の有無、対象斜面が規模などにより、5から20%の範囲で定めている。また、地元負担金についでは、地元市町村と地元住民で負担してもらっており、市町村が全額負担している場合もあるが、その割合については市町村が判断すべき事項と考えている。
  • (委員)土砂災害の分類の記述はわかりやすく評価するが、全体事業費の改定や工法の検討については理解しにくいので、特に「河梨-9」ページ等を、もう少しわかりやすく直してほしい。
    (砂防課)ご指摘のとおりであり、調書は修正いたします。


宮津湾流域下水道事業(汚水)及び関連公共下水道事業

  • (委員)「水環境サイクルにおいて重要な役割を担う下水道を、」という表現があるが、下水道施設は自然界の水循環とは異なる流れで水を流す施設であり、不適切な表現ではないか。
    下水道事業は、「生活環境の改善」と「公共用水域の水質保全」を目的とする必要性のある事業ではあるが、本来の自然の水循環にはない水の流れを起こしている事業だということを認識すべきだ。
    (水環境対策課)御指摘のとおりであり、資料については表現を修正します。
  • (委員)桂川中流流域下水道事業において、南丹浄化センターからの放流渠の出口が浄化センターと離れているのはなぜか。
    (水環境対策課)浄化センターの下流右岸側にある上水道取水口への影響や地形上の問題から、浄化センターより約1km下流に放流渠の出口を設置した。
  • (委員)木津川上流流域下水道事業において、関西文化学術研究都市の開発に伴い、計画区域内の人口が増加しているが、下水道計画上考慮しているのか。
    (水環境対策課)関西文化学術研究都市の開発による人口増加については、考慮された下水道計画となっている。
  • (委員)費用便益分析における計算方法について、特に流域関連下水道事業の費用の内訳に関する記述がないので、資料を修正すること。また、木津川上流流域下水道事業の調書には、将来人口の予測値について記載していないが、他の2流域下水道では記載があり、木津川上流についても記載すること。
    (水環境対策課)御指摘のとおり資料を修正いたします。

お問い合わせ

建設交通部指導検査課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-5183

shido@pref.kyoto.lg.jp