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平成20年度第2回京都府食の安心・安全審議会の議事要旨

1開催日時

平成20年11月10日(月曜日)午後2時から午後4時まで

2場所


府庁西別館大会議室C

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

3出席者

【審議会委員】中坊幸弘会長、莇祥子委員、植村憲一委員、内田隆委員、金丸早智子委員、久世良信委員、小坂博子委員、小林智子委員、鈴木冨美子委員、十川洋美委員、野村善彦委員、東あかね委員、平山晃久委員

【京都府】関係職員

4報告事項等

  • 事故米穀事案等の食の安心・安全に関する事案について

5概要

(会長)資料「事故米穀の不正規流通について」等について説明を求める。


(事務局)事故米穀に関する一連の経過を府の対応等を含めて資料に基づき説明

(会長)事故米穀に関する一連の経過について、これまでの府の対応を念頭に置き、今後取り組むべきことや行動計画に付け加えることなどについて、審議会において議論したい。

(会長)メラミンなどの対応で、健康被害はなかったとの一言ですべてが終わっているように感じる。こうした国の対応は、消費者側の立場があまり意識されていないのではないかと思う。

(事務局)消費者側の意見を反映させるため、内閣府の有識者会議に消費者代表の方が入られ、健康被害の有無やADIといった考え方だけではなく、本当に消費者が安心して食べられる食品を供給していくためには農林水産省、厚生労働省含めてどうしていくべきかとの議論が国でなされている。昨日の新聞で、政府は、事故米を二度と流通させない旨の全面広告を出しており、国はこれも消費者対策の一つとして位置付けているのではないかと思っている。

(会長)府が窓口を設けて相談を受け付けた案件について、どのような内容であり、すべて解決済みなのか伺いたい。

(事務局)相談は、事故米の販売業者名が公表された関係で、同社の米が家にあるという内容が大半であったが、事故米はもち米であることを説明して了解していただいた。自主回収品についての問い合わせもあったが、説明し了解していただいている。府に寄せられた相談については、すべて解決済みである。消費者の方がパニックになっている印象はなかった。

(委員)工業用糊の需要はどの程度あるのか。善意の業者という表現は非常にあいまいで、価格が安くて買い受けしている業者が果たして事故米であると意識して買ったのか分からない。肥料に利用して体内での毒性の蓄積による間接的な影響はないのか。また、非食用の処理用途として食料援助とあるが、どうしてこのようなことが出ているのか。

(委員)小麦とかトウモロコシはほとんど輸入しており、それを牛とか豚とかの飼料にする際には、アフラトキシンは絶対にチェックされている。アフラトキシンは、体内に入ればガンが発生しやすい物質といわれていることから、その食肉も検査している。肥料も同様で、油に蓄積しやすいものであれば、豆の大豆油等をチェックしている。

(事務局)工業用糊の需要の話は、国の有識者会議でも何度か取り上げられている。国は、一度にではなくてロットを分ければ需要があるので販売したと説明している。また、事故米の危険度に応じて、それぞれの農政事務所が飼料用、肥料用、工業用糊用などの用途を決めて非食用の処理をしている。実際に食料援助されたものがあるのかどうかについては、国から出された資料では分からない。善意の業者については、国の資料からは全く分からない状況であるが、実際には町中の和菓子屋さんとかお餅屋さんが事故米とは全く知らずに通常の米と同じ値段で買っていたこともあると聞いている。

(委員)ADIの倍だから大丈夫との説明をよく聞くが、ADIとは一生涯食べ続けても大丈夫な1日の量ではないのか。

(事務局)ADIと実際の摂取量を比較して大丈夫であるとの話はされている。

(委員)消費者の立場から国に懇談を申し入れたが、調査中であるなどの理由できちっとした回答が得られなかった。危機管理としての国と府の情報交流は、現実にできていたのか。国に対し、国民とのリスクコミュニケーションの速やかな実施を府から要求してほしい。明らかになった事実で、輸入米を中心とした安い米が病院や給食で使われていたことは非常に衝撃であった。これについては販売先を中心に調査されたのか。

(事務局)府内の施設に事故米が入っているとの情報を得たのは、農水省や厚労省からではなく大阪府からであった。国の機関である近畿農政局からは少しも情報が提供されないので、国に対して改善の申入れを行い、その後、情報が国から伝わるようになった。また、農水省と厚労省の間にほとんど情報のやりとりがなく、この点についても、近畿ブロックの知事会議で、国として一元的に一刻も早く情報を提供し国民の健康被害をなくす体制づくりが重要であるとの提案を行うこととしている。流通ルートは国が調査し、その情報に基づき判明した販売店を府が調査している。経過について一定の取りまとめができたことから、国は、リスクコミニュケーションを実施し、国民の意見を聞くべきであり、国に要望していきたい。

(委員)今回の事件を受け、米のトレーサビリティを検討しなければならないのか。

(事務局)業者の間で次にどこに販売したかが分からなかったことは重要な問題であり、トレーサビリティ制度ができればそれは分かる。牛肉には既にトレーサビリティ制度がある。

(委員)米の流通が自由化され、届出だけで取り扱えることから、全農に集まる府内産の米は、現在2割程度である。業者に細かな義務付けがなされていない中で米が流通しているところに問題がある。加工品であっても原料に米が半分以上入っている食品については、トレーサビリティを行い、原料原産地表示やルートの表示についても今後議論していかなければならない。日本の米の価格が値下がりし、京都では40数%が転作している状況で、WTOの交渉ではミニマムアクセス米をもっと増やすよう言われている。国は、事故米を破砕米や色をつけるなどして完全に食用に混じることのないよう流通させればよかったが、コストがかかるので措置をとらなかったとの情報もあり、これを機会に米の現状や適正価格等について国民に理解してもらいたい。

(委員)現状では、安い米を仕入れないと商売にならない状況もある。食品に関しては規制緩和するべきでない。人間の命を守る食料であり、きちっとしたルールを作る必要がある。トレーサビリティは必要であると思うが、細かくなりすぎると精米時の混米などにおいて業者は多大な設備投資が必要となる。トレーサビリティの制度は業者対応が可能なよう現実的なものにすることが必要である。もともと農薬の残留した輸入米をすぐに返品しなかったのが一番の問題であって、日本の政策の間違いである。民間では、検査で問題があれば、すべて送り返すし、その費用は相手方が負担するのが常識である。そのようなことを日本は相手方と交渉できなかったことが大きな問題である。


(委員)健康被害はなかったとのことであるが、子供や高齢者がいる施設で事故米が使用されていた状況において、そういった弱い立場の人への影響も考慮し、もっと消費者の気持ちに寄り添った科学的な説明が欠けているように思う。

(委員)ミニマムアクセス米が多数の業者を経て流通していることには驚いた。流通の末端から追跡していくことは非常に大変で、農水省がまずはやるべきことをやっていなかったことが原因である。国の有識者会議での意見には全く同感である。府がどのような情報を提供していけば、消費者に受け止めてもらえるかということが非常に重要である。生協の組合員には、基準は超えているが体に害を及ぼすレベルではない旨の情報提供を行っている。また、安全性の基準がどのようになっているのかについて学習を行うことが大切である。基準を超えたことでセンセーショナルに報道されている中で、新聞等でこれを食べても大丈夫ですと一言付け加えてもらうことは非常に大切であり、そのことをきちんと受け止められる消費者の教育・啓発を行うことも大切である。そして、どういう表現をすると情報が伝わるのかということも研究する必要がある。


(委員)加工業者は想定外のことが起きればどのように対応すればよいのか。その場合の府における対応策の基準が決まっていれば加工業者としても安心である。

(会長)そのような基準等について、審議会で踏み込むかというのはある。府民が安心・安全な生活が可能なように、府は十分な対応を行っていたかを考える必要がある。府民相談の窓口は設け、相談についてはすべて解決済みとのことであるが、受け身ではなく、他府県とも連携しながら府として自ら一歩踏み込んで積極的に対策をとることはないのか。

(事務局)府がすべて受け身ということではなく、平成20年度の食品等の検査計画では農産物や輸入品の検査を重点事項としている。昨年も府内産の春菊から基準値を超える残留農薬が検出され、すぐに回収をした。各都道府県がこのような検査を横で連携をして実施することはできないかと考えている。現在、検査について滋賀県と連携しているが、まずは近畿府県に広げていけないかと思っている。

(委員)府に相談があった件数が、事故米案件は59件、メラミン案件は12件ということであるが、1件の電話にはその背後に30人から100人以上の人たちが、同じように聴きたい、抗議をしたいと考えているといわれている。そのように考えれば、この59件や12件は、非常に重みのある数字である。日本人は非常に無関心、無行動というのがあって、それを国とか行政は利用して国民に不安感はないと思いがちであるが、消費者も学習して行動する国民にならないといけない。食の安心・安全行動計画の中で、学習が必要である旨積極的に書くべきであり、消費者も受け身で守ってもらえると考えるのは改める必要がある。

(委員)事故米が子供の口に入るようなシステムを府から抜本的に変えることはできないか。たとえば、府内の公立小学校の給食にJAから直接府内産米が出荷されるよう予算をつけて制度化できないか。

(会長)行政が補助金を交付し、JAから直接府内産の米を入れるというのも一つの考えである。

(事務局)すべてできているわけではないが、地産地消の観点もあり、現在小学校の学校給食で使われている米は、すべて府内産である。しかし、京都市内の中学校の一部では、そのような制度を取り入れていなかったため、今回不適切なものが入ったということである。市町村内で取れたお米を利用しているところには、若干であるが今まで助成をしてきている。今回、保育所にも不適切なものが入っていたが、保育所は公立ではほとんどが地元産を使っているが、私立ではどうなっているのか分からない。また、幼稚園では、基本的にはあまり給食をされていないが、流通実態について調査する必要がある。

(委員)テレビでよくやっているアウトレット野菜というのは府ではどうか。

(委員)府の支援も受けて、地産地消の一環として府内各所に直売所を設けている。来年春頃、亀岡でもオープンされる。そこでは、地元の農家により作られた物が販売され、余れば農家の責任で持って帰る。作られた物は、履歴等が分かるものである。なお、地元の農家には、農薬の散布等について、しっかりと研修はしなければならないと考えている。

(委員)消費者は、今回のようなことがあると、大丈夫な商品であっても手を出さない。したがって、○○の商品は、新聞に載った当日からすべて撤去した。それは我々の商売上のことではなくて、消費者がそのような判断をされる。それと弊社の売り場では、ほとんど府内産の商品がない。逆に、JAや他の業者にお聞きしたいのは、どうして府内産の商品が少ないのかということである。府内産の米をほしがっている消費者は多い。兵庫や大阪の店舗でも府内産の商品が売れる。

(委員)相談案件について解決済みとのことであるが、一般の消費者はそうは思っていない。行政の消費者相談窓口に電話をしても、次はここに電話してくださいという感じでまわされる。また、安全である、健康被害はないとの一言で終わらないでほしい。

(委員)外国産のお米で問題なものがミニマムアクセス米として入ってくるということであれば、その水際での防波堤としての確認をきちっとしてもらわないと、また悪い業者が出てきて同じことをすると思う。

(会長)課題提起をされた一連の最近の出来事に対する審議会の意見としては、府が説明された対応については了解した。今後、この審議会が審議している行動計画を進めていただくとともに、情報公開・情報交流と府民への対話を一層深めていただくということを結論としてまとめさせていただく。

以上

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