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京都府総合計画詳細版【中丹地域振興計画】(音声読み上げ1)について

中丹地域振興計画の構成

地域の特性

地域の将来像(20年後に実現したい姿)

施策の基本方向(基本的な視点、4年間の対応方向)

1.「育・職・住」が充実し若者が定着したくなる持続可能な地域づくり

ア.UIターン等により若者等が地域に定着したくなる環境整備

イ.人権が尊重され将来に希望を持ち健やかに暮らせる環境整備

ウ.地域産業の振興と雇用の促進

2.「もうひとつの京都」の推進による交流の拡大と関係人口の創出

ア.自然や地域文化等の地域資源を生かした交流の拡大と関係人口の創出

イ.地域の食など特産品の魅力向上を通じた交流の拡大と関係人口の創出

ウ.京都舞鶴港海外航路等の活用による人流(じんりゅう)・物流の拡大

エ.人流(じんりゅう)・物流等を支える交通ネットワークの整備

3.国土強靭化の推進による災害に強い地域づくり

ア.安心・安全な暮らしを支える社会基盤整備

イ.災害対応力の強化

ウ.万一に備えた原子力防災対策の充実

エリア構想

数値目標

参考資料

地域の特性

1.位置・地勢等

中丹地域は、京都府の北部に位置する、福知山市、舞鶴市及び綾部市からなる丹波山地の山々と日本海に囲まれた地域です。

東西は56km、南北は50kmにわたり、面積は約1,241平方キロメートルで京都府域の約27%を占め、丹後地域、南丹地域、福井県の嶺南(れいなん)地域と兵庫県の但馬・丹波地域に隣接しています。

海岸線や岩礁等の迫力ある風景が見られる若狭湾(若狭湾国定公園)、幻想的な雲海が見られる大江山連峰(丹後天橋立大江山国定公園)や君尾山(京都丹波高原国定公園)をはじめ、地域を貫流する由良川の豊かな流れ、緑豊かな里山の風景、美しい星空など、「海」・「山」・「川」等のあらゆる自然に恵まれています。

2.歴史・文化

丹波山地の山々と日本海に囲まれた中丹地域は、豊かな自然を背景に、歴史的に丹波と丹後の個性あふれる生活・文化・経済圏を形成してきました。

縄文時代や弥生時代には、由良川流域を中心に集落が営まれ、古墳時代には、由良川を見下ろす丘陵上の私市円山古墳(綾部市)をはじめとした数千基の古墳が築かれ、奈良時代には、古代寺院が建立されていたことも確認されています。

平安時代には、山岳寺院が開かれ、仏像、祭礼、芸能、薬師信仰や鬼退治伝説など特色ある文化や文化財が現在まで伝えられています。鎌倉時代には、府北部の建造物では唯一の国宝として知られる光明寺二王門(綾部市)が建立されています。

南北朝時代から戦国時代にかけては、多数の山城が築かれました。また、丹波は、室町幕府を開いた足利尊氏との関係も深く、安国寺(綾部市)には足利尊氏生誕の伝承が残されています。さらに、織田信長の丹波平定後には、丹波の福知山は、由良川の築堤等も行った明智光秀が領主となり、丹後の舞鶴は、和歌等に通じた文化人でもあった細川幽斎(藤孝)が領主となり、それぞれ福知山城と田辺城を築城し、城下町がつくられ商業が栄えました。

江戸時代には、福知山藩、田辺藩、綾部藩の置かれた城下町がそれぞれ独立して栄え、今日の福知山市、舞鶴市、綾部市の礎となりました。また、由良川の水運が経済の動脈として利用されるとともに、今日の京阪神に至る内陸交通が発達しました。

明治維新を迎えるに当たり、山城・丹波(一部は兵庫県)・丹後の3国が京都府の府域となり、丹波・丹後の両国にまたがる中丹地域も、幾たびの変遷を経て京都府に属することとなりました。

明治時代には福知山市に旧陸軍の歩兵第20連隊が、舞鶴市に多くの赤れんがの建造物とともに旧海軍の舞鶴鎮守府が置かれました。現在は、福知山市に陸上自衛隊の第7普通科連隊等が置かれている福知山駐屯地、舞鶴市に海上自衛隊の舞鶴地方総監部等が置かれている舞鶴地方隊、第八管区海上保安本部など国防や海上の保安を担う機関が置かれています。

3.管内3市の沿革及び広域連携

管内3市については、昭和12年(1937年)に福知山市が市制を施行し、翌年の昭和13年(1938年)に舞鶴市が、昭和25年(1950年)に綾部市が市制を施行しました。これは府内では京都市に次いで2番目から4番目に古い市制施行となっています。その後、それぞれ旧町村の編入等を経て(近年の編入は、平成18年(2006年)に福知山市と三和町(みわちょう)・夜久野町・大江町の合併)、現在の市域を形成するに至っています。

また、昭和25年(1950年)の綾部市による日本初の「世界連邦都市宣言」に続いて、福知山市及び舞鶴市も同宣言を行ったほか、以降も文化やスポーツの分野において共同開催に取り組むなど管内3市の連携が進められてきました。

加えて、平成27年(2015年)4月には、管内3市と丹後広域振興局管内の市町(宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町)が「京都府北部地域連携都市圏形成推進宣言」を行い、「京都府北部地域連携都市圏形成推進協議会」を設立して、府北部の5市2町それぞれが有する強みを生かし、「海の京都」の推進、地域産業の活性化、地域産業の担い手確保等のプロジェクトが進められています。

4.交流基盤

海上交通は、京都舞鶴港が関西圏域の日本海側のゲートウェイとして大きな役割を果たしています。

京都舞鶴港は天然の良港で、古くから北前船の寄港地として知られ、東港は明治34年(1901年)に海軍鎮守府が設置され軍港として、西港は大正2年(1913年)に大型船用の埠頭が完成したことから、対岸貿易を中心とした日本海側の重要な商港としてそれぞれ栄えてきました。

第二次大戦後、昭和20年(1945年)から13年間にわたり大陸からの引揚者66万人余を迎え入れるとともに、昭和23年(1948年)に貿易港として再出発し、昭和26年(1951年)には国の重要港湾に指定されました。

昭和28年(1953年)から京都府が港湾管理者となり、平成23年(2011年)には、3つの機能(国際海上コンテナ、国際フェリー・国際RORO船、外航クルーズ(背後観光地クルーズ))で、国から「日本海側拠点港」に選定されています。

今後も、西港は中国、韓国、ロシア等対岸諸国を結びコンテナや木材等を取り扱う国際貿易港、東港は近畿圏と北海道を結ぶ長距離フェリーを中心とする国内貿易港として、その機能を更に拡充させるため、港湾整備を進めていきます。

陸上交通では、高規格幹線道路として、大阪・神戸や中京圏にアクセスする舞鶴若狭自動車道と、京都府の南北軸を形成する京都縦貫自動車道があり、これら2つの道路が綾部でつながっています。管内3市にはいずれもインターチェンジがあって、高速道路を利用した相互の移動も容易となっています。

舞鶴若狭自動車道は、中国自動車道の吉川JCTから福知山市、綾部市、舞鶴市、小浜市を経て敦賀市の北陸自動車道に至る全長約162kmの高速道路で、平成26年(2014年)に小浜IC(インターチェンジ)から敦賀JCT間が開通して全線が通行できるようになり、中京圏へのアクセスが向上しました。

京都縦貫自動車道は、宮津市から久世郡久御山町に至る全長約100kmの自動車専用道路で、京都府域を南北に縦貫し名神高速道路、舞鶴若狭自動車道等に接続しています。平成27年(2015年)に丹波綾部道路の京丹波わちIC(インターチェンジ)から丹波IC(インターチェンジ)間が開通して全線が通行できるようになり、京都方面へのアクセスが向上しました。

一般道では、国道9号・27号・173号・175号・176号・177号・178号・426号・429号、主要地方道小浜綾部線・福知山綾部線・綾部大江宮津線・舞鶴野原港高浜線・東舞鶴停車場線・福知山停車場線・京丹波三和線・池辺京田線・小倉西舞鶴線・綾部美山線・舞鶴宮津線・舞鶴和知線・舞鶴福知山線・但東夜久野線・市島和知線・山東大江線・志高西舞鶴線・舞鶴綾部福知山線・綾部インター線・篠山三和線等の道路網が地域内外を結んでいます。

鉄道網は、京都から綾部や福知山につながるJR山陰本線をはじめ、明治時代に大阪から福知山・綾部を通って舞鶴までをつないだ阪鶴鉄道をルーツとするJR福知山線・舞鶴線、敦賀と舞鶴を結ぶJR小浜線、第三セクターの北近畿タンゴ鉄道の運営を経て、現在は上下分離により運行されている京都丹後鉄道(丹鉄)宮福線・宮舞線が整備されています。

5.産業

中丹地域の地域内総生産(平成27年度(2015年度))は9,350億円で、府内全体の9.1%(京都市を除く府内全体の23.2%)を占めています。業種別では、製造業が2,939億円で中丹地域全体の31.4%を占め、次いで、電気・ガス・水道・廃棄物処理業が1,011億円で10.8%を占めています。また、1人当たりの地域分配所得は2,857,000円(府内全体2,942,000円)となっています。

産業別就業人口(平成27年(2015年))は、製造業が16,685人で中丹地域全体の17.4%を占め、次いで卸売業・小売業が13,058人で13.6%を占めています。また、農林水産業は5,052人で5.3%を占めています。

中丹地域の豊かな自然の下で育まれた特産品は、日本海で獲れるカニや丹後とり貝等の海の幸、万願寺甘とうをはじめとしたブランド京野菜、丹波くりや丹波マツタケ等の山の幸等、四季を通じて豊かな食を提供しています。

特に、万願寺甘とうは、平成29年(2017年)に農林水産物を地域ブランドとして保護するGI(地理的表示)保護制度への府内初登録を受けたほか、茶は全国茶品評会「かぶせ茶」の部において、中丹地域の茶産地が平成20年(2008年)から11年連続で「産地賞」を獲得するなど、付加価値の高い特産品づくりが進められています。

中丹地域を特徴付けている製造業では、由良川の自然を生かした桑栽培と養蚕業が盛んに行われていたことから、綾部市に明治29年(1896年)に蚕糸業として現在のグンゼ株式会社が設立され、製糸機械製造のための機械工業も盛んに行われて現在のものづくり産業の礎となりました。

管内の製造業は、工業団地(長田野工業団地、長田野工業団地アネックス京都三和、綾部工業団地、綾部市工業団地、平工業団地等)を中心に産業が集積するとともに、舞鶴市における造船業・ガラス製造業など地域を牽引する企業やそれに関連する機械金属加工業、綾部市における繊維産業から発展した機械器具製造業等の地場産業、精密電子部品の工場が立地し、雇用の場が形成されています。

なかでも、旧陸軍の演習地であった場所に造成され昭和45年(1970年)から分譲がはじめられた長田野工業団地は40社が、平成元年(1989年)以降2つの工区ごとに分譲が行われた綾部工業団地には20社が操業しています。両工業団地を合わせた製造品出荷額等は、約3,600億円(平成30年度(2018年度))で管内全体の6割に匹敵する規模となっており、従業員数も8,531人(平成31年(2019年)4月現在)にのぼります。

6.暮らし

中丹管内の特徴的な人の動きとして、夜間の人口よりも昼間の人口が多く、昼間の流入が多くなっています。これは府内の4広域振興局管内の中で唯一の地域であり、高等教育機関、病院、文化スポーツ施設、国・府等の機関や、支店・営業所・工場など企業の拠点が多いことも理由の一つと考えられます。

高等教育機関としては、福知山公立大学、京都工芸繊維大学福知山キャンパスや舞鶴工業高等専門学校等が立地しています。

また、管内には17の病院があり(福知山市6病院、舞鶴市8病院、綾部市3病院)、各市に公立病院を備えるとともに、病院間や、病院と診療所間の連携強化を進めるなど地域医療の確保・充実が図られています。

文化スポーツ施設も整備されており、総合体育館・動物園・都市緑化植物園等を有する三段池公園(福知山市)、収蔵資料がユネスコ世界記憶遺産に登録された舞鶴引揚記念館(舞鶴市)、千人規模の観客を収容するホールを有する福知山市厚生会館(福知山市)、舞鶴市総合文化会館(舞鶴市)や京都府中丹文化会館(綾部市)など、多様な機能を持つ施設の利用が可能となっています。

7.人口(今と20年後の姿)

中丹地域の人口は、平成27年(2015年)に19.7万人となっていますが、令和22年(2040年)は15万人にまで減少すると推計されています(国立社会保障・人口問題研究所推計)。減少率は23.6%で、京都府全体の減少率14.3%よりも9.3ポイント高く、全国の減少率12.7%よりも10.9ポイント高い数字です。

また、高齢化率も上昇し、平成27年(2015年)の31.1%に対して、令和22年(2040年)は37.3%と見込まれています。これは、令和22年(2040年)の京都府全体の高齢化率36.1%よりも1.2ポイント高く、全国の高齢化率35.3%よりも2ポイント高い数字です。

年齢階層別の人口内訳を見ると、65歳以上74歳未満は、6.1万人から5.6万人へと21.3%減少することが見込まれており、京都府全体の減少率8.9%や、全国の減少率4.2%よりも大きくなっています。一方、75歳以上の人口は、3.2万人から3.3万人へと4.1%増加することが見込まれていますが、京都府全体の増加率36.3%や全国の増加率37.2%よりは小さくなっています。

また、生産年齢人口(15歳以上65歳未満)は、11万人から7.7万人へと29.8%減少し(京都府全体23.7%減少、全国22.7%減少)、15歳未満の人口も、2.6万人から1.7万人へと33.3%減少する(京都府全体27.9%減少、全国25.1%減少)推計となっています。

このような人口減少をとらえる場合、自然減(出生数-死亡数)と社会減(転入者数-転出者数)の状況を見ておく必要があります。

人口の自然減について、出生数が減少傾向にありますが、その一方で、合計特殊出生率は高くなっています。

平成20年(2008年)から平成24年(2012年)の平均

福知山市

1.96(府内1位)

舞鶴市

1.87(府内2位)

綾部市

1.63(府内6位)

合計特殊出生率は、一般的に正規雇用率が高いことや親との同居・近居が多いことなどと関係しているとされていますが、この地域では、管内3市の施策や子育て支援団体による支援とともに、都市的な利便性や、人と人とがつながり孤立しない関係性があるなど充実した子育て環境も大きな要因の一つと考えられ、この点を伸ばしていくことが重要となっています。

人口の社会減については、前述のように地域に高等教育機関が立地し若者が集まりやすい環境もありますが、高等学校卒業後に進学や就職等により地域を離れる若者はそれ以上に多い状況にあります。

近年は移住・定住促進の取組等を通じてIターン等による移住も増えてきており、地域の魅力発信、仕事おこしや就職のマッチング等を通じた更なるIターンの推進や、いったん地域を離れた人のUターンの促進に取り組むことが重要です。

8.自然災害

中丹地域では、平成16年(2004年)以降、5回の大きな豪雨災害に見舞われています。

災害救助法の適用を受けた災害

平成16年(2004年)

台風第23号

平成25年(2013年)

台風第18号

平成26年(2014年)

平成26年8月豪雨

平成29年(2017年)

台風第21号

平成30年(2018年)

平成30年7月豪雨

災害発生後は早期の災害復旧を図るとともに、中長期視点に立った治水対策を進めているところですが、生命を守る観点から早期の避難が重要となっており、避難に関する住民一人ひとりの意識の向上や地域ぐるみでの防災・減災対策が必要となっています。

地域の将来像(20年後に実現したい姿)

中丹地域の20年後(令和22年(2040年))を展望するとき、最大の課題と見込まれるのは、人口減少への対応です。そのため、自然、歴史・文化、交流基盤、産業、暮らしなど前述の中丹地域の特性を踏まえ、地域の将来像を次のとおりとしました。

~心つながる田舎の魅力と都市機能の両方を享受し、海・里山・まちを舞台に
求める暮らしが実現できる地域を~

具体的には、次のような地域をめざしていきます。

  • 「田舎暮らし」「まちなか暮らし」「二地域居住」など、一人ひとりの事情と希望に応じた多様なライフスタイルが実現できる地域
  • 農林水産業から製造業、サービス業まで様々な産業が活発に行われ、働き方も自営から就業まで幅広い選択ができる地域
  • 若者がしっかり地域に定着し、子どもから高齢者まで住民が生き生きと暮らす中で、経済活動や地域活動の好循環が、更なる移住・定住につながる持続可能な地域

なお、20年後に国際情勢、社会経済情勢、自然環境等がどのように変化し、社会がどうなっているかを正確に認識することは困難ですが、次のような未来予測としていわれている事象に留意していく必要があります。

  • ヒト・モノ・情報等の交流が地域や国境を越えて活性化するなどグローバル化の進展
  • 技術革新の進展(AI(人工知能)、ICT(情報通信技術)、IoT(モノのインターネット接続)等)
  • 価値観やライフスタイルの多様化
  • 地域の産業や社会基盤、地域コミュニティを支える人材の不足と「共助」の重要性増大
  • 集落機能維持が困難な地域の増加と地域内の移動手段確保の重要性増大
  • 人生100年時代の到来による独居高齢者の増加
  • 社会資本の老朽化の進行
  • 自然災害の発生(南海トラフ地震、気候変動の影響による極端な降水の増加等)

 

中丹地域振興計画(音声読み上げ2)に続く

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