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平成19年度京都府食品衛生監視指導計画

趣旨

 本計画は、食品衛生法第24条の規定により、国(厚生労働省)が定めた「食品衛生監視指導指針」に基づき、各都道府県等が毎年度策定するものです。
 食品の生産、製造、流通等の状況、法律違反状況等、府内における食品衛生の現況を分析評価し、府民の皆さんの健康保護を図るための基本的な方向及び具体的な実施方法を定め、重点的かつ効果的できめ細かな監視・指導を実施するため、「平成19年度京都府食品衛生監視指導計画」を次のとおり策定します。

基本的方向と重点的取組

  • 平成18年4月に一部改正した「食品衛生法に基づく公衆衛生上講じるべき措置の基準等に関する条例」に基づき、HACCP手法を取り入れた衛生管理手法の普及を継続します。
  • 信頼を損なうような事件発生を踏まえ、HACCP施設などに対する自主衛生管理の徹底を指導します。
  • ノロウイルスによる健康被害が多発したため、講習会開催など食中毒予防対策を強化します。
  • 農薬等のポジティブリスト制度がスタートし、残留農薬基準違反が増加したことから、効率的な検査を継続して実施します。

見はります

 生産・製造から販売まで、安全な食品が供給されるよう行程ごとに、重点的、効果的に監視・検査し、地域に根ざした指導を充実・強化します。

  • 食品衛生監視機動班、食品衛生推進員「京の食“安全見はり番”」などによる地域に根ざした監視・指導、衛生講習会の開催など効果的な指導及び農薬等のポジティブリスト制度などに基づく検査の実施
  • 食中毒など問題の発生状況などを勘案して、年間の監視指導回数と検査計画の策定、実施

見ていただきます

 食の安心・安全の正しい情報や緊急情報を提供し、意見交換を推進します。

  • 食の安全確保について、消費者や食品等事業者などによる情報・意見交換の推進
  • ホームページ「京の食“安心かわら版”」などにより食品衛生情報(検査実施状況、自主回収報告、食中毒情報など)の提供

見守り応援します

 食の安全性確保のため、条例改正により定めた衛生管理基準を啓発し、事業者の自主衛生管理を応援します。また、関係機関の連携確保による緊急時の対応の強化、食品衛生推進員などの養成・資質の向上を図ります。

  • 「食品衛生法に基づく公衆衛生上講じるべき措置の基準等に関する条例」に規定する衛生管理手法の普及の推進
  • 適正な食品表示を推進するため、テキスト、ハンドブックの作成
  • 食品事業者のトレーサビリティーシステムの推進
  • 原材料・製品(製造時又は期限表示満了時)の自主検査の推進
  • 自主回収報告など、事業者の情報提供の推進
  • 危機管理の一環として、国や他の自治体、関係部局などとの連携の強化
  • 食品衛生推進員「京の食“安全見はり番”」による自主衛生管理の取組の推進

実施体制

1 監視・指導の実施体制に関する基本的事項

(1) 保健環境研究所や保健所における試験検査体制の整備を図ります。

(2) 庁内関係部局及び国や他の都道府県などとの連携を強化、食品衛生推進員「京の食“安全見はり番”」とも連携し、緊急時にも迅速に対応します。監視・指導の実施体制

2 実施体制は、次のとおりです。

(1) 監視・指導の実施機関とその主な役割

ア 保健福祉部生活衛生室

  • 京都府食品衛生監視指導計画及び京都府で実施する施策の策定並びにその公表
  • 府民の皆さんへの食品衛生に関する情報提供
  • 違反食品の発見、食中毒発生時などに、国、他の自治体及び庁内関係部局と連携

イ 府内各保健所(乙訓、山城北、山城南、南丹、中丹西、中丹東、丹後)

  • 食品衛生法に基づく営業許可施設や集団給食施設などの監視・指導
  • 違反食品、苦情食品に係る調査
  • 食中毒(疑いを含む)に係る調査
  • 衛生講習会、食品衛生に関する情報提供
  • 自主衛生管理の推進のための指導など
  • と畜場及び食鳥処理場の監視・指導

 なお、保健所の食品衛生監視員は、地域の食品衛生推進員「京の食“安全見はり番”」とも連携し、地域に根ざした監視・指導を行います。また、大規模化・高度化する製造・加工施設の監視及び広域化する食中毒・食品事件などに対応するため、拠点保健所を中心に各保健所が連携し、機動的に活動します。(「食品衛生監視機動班」)

府内保健所の所管地域

(2) 国及び他の都道府県などとの連携の確保

ア 広域事案について、違反食品の発見・通報、食中毒調査などにおいて、厚生労働省及び都道府県などとの連携を緊密に行い、食品による危害防止や拡大防止に努めます。
イ 広域流通食品、輸入食品などの情報の相互提供など、迅速に対応できるよう連携を図ります。なお、輸入食品の検査については、滋賀県と連携し、充実していきます。
ウ 総合衛生管理製造過程承認施設(HACCP施設)の監視・指導について、国(近畿厚生局)との連携を図ります。

エ 自治体間、関係機関とのネットワーク組織を通して、情報交換及び連携した取組を推進します。(全国食品安全自治ネットワーク、全国食品安全監視員協議会、近畿地域食の安全・安心行政推進会議)

(3) 庁内関係部局との連携の確保

 「食の安心・安全プロジェクト」を中心に、次の事項について連携し、総合的な食品安全行政に取り組みます。

ア生産段階の食品安全規制との連携を図るため、農林水産部などと違反情報の相互提供、BSE対策など、緊密な連絡・連携を図ります。
イ 食品表示に係る監視・指導は、食品衛生法、JAS法、景品表示法など、所管部局の違反情報の相互提供など、緊密な連絡・連携を図ります。
ウ 上記の事項を中心に、違反食品、食品の採取及び検査結果に基づく指導、BSEなど緊密に連携し、食品による危害防止のため、緊急時にも迅速な対応を図ります。

(4) 試験検査機関の実施体制

ア 保健環境研究所において、ポジティブリスト制度に基づく残留農薬等、検査計画に則った検査を実施します。
イ 拠点保健所(山城北、南丹、中丹西)において、食中毒原因菌等の検査を行い、迅速な原因究明に努めます。

監視指導の実施方法

1 生産・製造から販売まで、安全な食品が供給されるよう行程ごとに監視指導を行います。

(1) 共通事項

ア 生産・製造・加工・調理・販売段階における衛生管理の徹底を指導
イ 施設の衛生管理・施設基準の徹底を指導
ウ 食品衛生管理者や食品衛生責任者の設置等、衛生管理体制の徹底を指導
エ 違反・不良食品や違反添加物の排除の徹底を指導
オ 製造・加工ライン、記録のチェックなどきめ細やかな指導を行うとともに、指導の結果を踏まえた講習会の実施など、多面的な監視・指導を実施

(2) 食品群ごとに重点的に監視・指導する項目

 食品群の区分ごとに食品の生産・製造から消費までの各段階における重点的な監視・指導・検査を行います。

<別添1>(PDFファイル,9KB)(PDF:10KB)

ア 農畜水産物

  • と畜場・食鳥処理施設の構造設備・衛生管理基準を指導

イ 加工食品など

  • 使用する添加物や異物混入の防止対策の徹底を指導
  • 低温保管などの温度管理の徹底を指導
  • 製造加工者による異物混入防止対策の徹底を指導
  • 遺伝子組換え食品やアレルギー物質を含む原材料を使用する製造施設の点検
  • 期限切れ原材料使用など不適切な管理状況を指導

(3) 給食施設など大量調理施設の責任者・従事者に対する講習会など集団衛生指導、京都府ふぐ条例に規定するふぐ取扱施設の指導

2 監視指導については、標準的な監視指導回数を定め、重点的かつ効果的に行います。

<別添2>(PDFファイル,5KB)(PDF:5KB)

(1) 食品等事業者の業種ごとの施設への監視・指導について、過去の食中毒の発生頻度、食品供給行程の川上での発生防止対策、製造・調理・流通・販売される食品の流通の広域性、規模、取扱食品の特殊性などを考慮して、監視の重要度の高い順にS、A、B、C、Dの5ランクに分類し、年間の標準監視指導回数を定めます。

監視指導回数ランク

S:生産・製造段階において、特にO157などリスクの高い食品の処理施設
A:食中毒などの発生頻度が高く、大量施設又は食品が広域流通する業種(施設)及び総合衛生管理製造過程承認(HACCP)施設
B:取扱食品の特殊性(食品衛生管理者設置義務業種など)と食品が広域流通する業種及びAランクに準じる業種
C:利用者の状況、食品が広域流通している業種
D:食中毒や違反事例の発生頻度が、Cランクより少ない業種(施設)

(2) 府内産品や府内流通食品の安全確保のため、そうざいや弁当、給食の原材料や製品などを検査による科学的な根拠に基づき指導します。

(3) 食品衛生上管理が十分でない又は問題が発生した施設や、生産・製造段階において、大規模で大量に広域流通する食品を取り扱う施設などは、重点的に監視指導を実施します。

(4) 食品衛生推進員「京の食“安全見はり番”」との連携による立入指導などを効果的に実施します。

(5) と畜場及び隣接する食肉処理業(食品加工センター)については、中丹西保健所において、開場日ごとに、法に基づく基準及び衛生管理の実施状況などの監視・指導を行います。

(6) 異常のある食鳥群の食鳥処理場への搬入を防止し、食鳥肉の安全確保を図るため、認定小規模食鳥処理施設の監視指導を実施します。

3 食中毒事故等の発生が多い時期等には、予防啓発や一斉取締を行います。

<別添3>(PDFファイル,4KB)(PDF:4KB)

(1) 食中毒予防推進強化期間(7月1日~9月30日)

ア 食中毒注意報の発令等、食中毒予防の3原則「清潔・迅速・温度管理」など広く注意を呼びかけます。
イ 給食施設や仕出し・弁当、旅館や製造施設などに予防啓発や監視・指導を行い、さらに検査を活用した多面的な指導を強化します。

(2) 食品・添加物等の年末食品一斉取締り(12月1日~12月28日)

ア 食品が多く出回るため、特に適正な表示の徹底指導や製造施設へ立入り、添加物、アレルギー食品の安全確認など指導を強化します。
イ ふぐや生カキなどを原因とする冬季に多く発生する食中毒予防の啓発を行います。

(3) その他

ア 近年、ノロウイルスによる食中毒が頻発していることから、年間を通して予防啓発、監視指導を強化します。
イ 特定の違反事例頻発時において監視指導を行います。

4 食品等の検査については、食中毒菌、残留農薬、添加物など安全確認検査の年間の実施計画を定めます。

(1) 府内で生産・製造又は販売される食品等に関し、残留農薬、食品添加物等について食品衛生法等に基づく検査を行い、違反食品・不良食品の流通防止、排除を行うことにより、食品等の安心・安全確保を図ります。

(2) 農薬等のポジティブリスト制度を踏まえ、農産物、食肉、卵類、乳、魚介類、加工食品などの食品群等ごとに、検査項目(微生物、残留農薬、添加物、環境汚染物質など)ごとの年間検査予定数を含む食品などの収去検査の実施計画を定めます。

<別添4>(PDFファイル,4KB)(PDF:5KB)

(3) 最近の食品にまつわる不安や事故を考慮し、平成19年度は、次の食品などに重点をおいて、検査を実施します。

ア 府内産農産物の残留農薬、畜水産物の動物性医薬品、自然毒などの検査
イ 府内産マガキ、イワガキのノロウイルスの検査
ウ ベビーフードや学校給食など、特に食品の安全性に注意を要する人に提供される食品における残留農薬などの検査
エ 府内で流通している輸入食品の残留農薬や動物用医薬品などの検査
オ 健康食品中の医薬品成分の検査(試買検査)
カ 大豆、とうもろこし等の遺伝子組換え食品検査
キ 食品事件等に対応した緊急検査
ク 生産段階における野菜、魚介類等の検査
ケ その他、現在の食品にまつわる不安や事故等社会的問題に的確に対応するため、適宜ニーズに応じた項目に重点を置いた検査

(4) BSE対策については、全頭検査の実施及び特定危険部位除去の確認を継続します。

5 適正な食品表示を推進するため、事業者を育成し、監視指導を強化します。

(1) 製造・加工、販売施設への立入監視指導時に、適正な表示を指導します。

ア 食品事業者向けの食品表示テキストを作成し、適正表示を周知します。
イ 食品表示ハンドブックを改訂し、最新の情報を提供します。
ウ 卵、生食用かき、アレルギー物質、遺伝子組換え食品等を中心に監視指導をします。
エ 健康食品の表示について、インターネットにより監視します。

(2) 食中毒予防推進強化期間や食品・添加物等の年末一斉取締り時には、集中的に適正表示の徹底を指導します。

(3) 関係部局、「京の食“安全見はり番”」及び「くらしの安心推進員」と連携して、食品表示の監視を行います。

事件・事故発生時の対応

1 違反発見時には、迅速に調査し、原因を究明します。

<別添5>(PDFファイル,9KB)(PDF:9KB)

(1) 施設基準、製造基準違反を発見した場合は、速やかに改善指導を行います。

(2) 検査の結果、違反を発見した場合は、国、関係都道府県等や農林水産部局などと連携し、廃棄、回収などの必要な措置を速やかに行い、必要に応じ行政処分などを行います。

(3) 重大な違反事例や行政処分事例は、事業者名、対象食品名、措置内容などについて、随時公表します。

2 食中毒など健康危害が発生したときは、原因を究明し、再発防止対策を講じます。

<別添6>(PDFファイル,7KB)(PDF:6KB)

(1) 「京都府食中毒対策要綱」などに基づき、事故が発生した時には、迅速かつ的確に対応します。

(2) 関係部局、関係機関への迅速な情報提供を行い、国や他の自治体とも密接に連携し、被害拡大・防止のため、迅速な原因究明調査を行い、必要な情報の公表などを行います。

3 自主回収報告の導入を指導します。

(1) 販売食品等に起因する食品衛生上の問題が発生した場合に備え、回収に係る責任体制、具体的な回収方法、保健所への報告等の手順を定めることを指導します。

(2) 必要に応じて、自主回収情報を公表し、迅速な回収を促進します。

食品等事業者に対する自主的な衛生管理の推進

食品等事業者による自主的な衛生管理が基本であるため重点的に推進します。

(1) 「食品衛生法に基づく公衆衛生上講じるべき措置の基準等に関する条例」の一部改正による衛生管理基準の導入を促進します。

ア 食品関係事業者自主衛生管理手引書作成マニュアルにより指導
イ 食品衛生推進員を対象に講習会を開催し、条例改正の趣旨、衛生管理手法を周知

(2) 食品衛生管理者、食品衛生責任者などの責務の自覚を高め、施設の衛生管理の徹底を指導します。

(3) 食品等事業者による自主的な衛生管理を推進します。

ア 記録の作成・保存を推進し、衛生管理の向上と一般食品のトレーサビリティーを推進
イ 原材料、製品の自主検査等による安全性確認
ウ 食品衛生推進員「京の食“安全見はり番”」、食品衛生指導員の活動を推進
エ 食品衛生講習会において、違反・苦情、食品の衛生的な取扱い、食中毒防止などを指導
オ 事業者の情報提供の推進を指導

(4) 食品衛生推進員「京の食“安全見はり番”」、食品衛生指導員の具体的な活動は、次のとおりです。

ア 食品衛生推進員「京の食“安全見はり番”」活動

 食品衛生法に規定する制度により、平成15年度から委嘱した食品衛生推進員が活動します。

【主な活動】

  • 食品事件が発生した時など、緊急時に調査・情報収集の活動
  • 通常の巡回活動で、衛生検査機器による検査、食品表示の点検
  • 夏期・年末一斉取締り時の巡回指導
  • 食品関係営業者からの各種手続き、衛生管理などに対する助言
  • 消費者からの食品に関する相談窓口
  • 衛生講習会などにおける講師活動

イ 食品衛生指導員活動

【主な活動】

  • 班ごとに店舗を巡回し、フードスタンプを使用して衛生管理を注意喚起
  • 従事者一斉検便の実施(容器配付、受付等)

情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)の実施

1 生産から消費まで、情報の提供や意見の交換が行えるよう取り組みます。

(1) ホームページ「京の食“安心かわら版"」により、食の安心・安全の正しい情報や自主回収情報など、健康被害防止のための情報提供を行います。

(2) 消費者、生産者、食品等事業者、行政機関などとの意見交換会を実施します。
 また、近畿厚生局や近畿農政局など国とも連携して、意見交換会の開催を充実します。

(3) 計画の策定に当たっては、案の段階で、概要をできるだけわかりやすく公表し、意見交換会やホームページなどを通じ意見を募集し、その意見を元に再度検討するなど、情報・意見の交換を図ります。
 また、監視・指導の実施状況の公表は、年度ごとの実施状況の概要を、翌年度の6月末までに、ホームページなどにより公表します。

人材の養成及び資質の向上

多様化・広域化する食品に対応する食品衛生監視員等の資質の向上を図るとともに、自主衛生管理の促進のため、事業者の養成を行います。

(1) 食品衛生監視員、と畜検査員、食鳥検査員の養成・資質の向上

 国が実施する研修会などに積極的に職員を派遣します。
 また、次のとおり監視、検査技術研修や法令内容などに係る研修を行います。

  • 新任食品衛生監視員研修
  • HACCPに係る助言を行う食品衛生監視員養成研修
  • 近畿・全国食品衛生監視員研修
  • 食品検査新任研修、食品検査担当者研修、公定法等特別検査研修など

(2) 食品衛生推進員などの養成・資質の向上

 関係団体とも連携し、研修会などを開催します。

お問い合わせ

文化生活部生活衛生課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4780

seikatsu@pref.kyoto.lg.jp