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京都府の丹後地域は果樹産地として歴史があり、国の事業で新たに農地が造成され、大規模な果樹経営も展開されています。
中でも特にナシが多く栽培されており、品種は「ゴールド二十世紀」が中心となっています。
収穫された「ゴールド二十世紀」は糖度センサーを備えた選果場で選別され、糖度の高いものは、京のブランド産品「京たんご梨」として出荷されています。
当所果樹担当では、「京たんご梨」をはじめ高品質果実の安定生産に向けた栽培技術確立などの試験を行っています。
お盆需要期を狙える早生品種として、「早優利(さゆり)」、「凜夏(りんか)」を選抜しました。ジベレリンペースト剤処理などの栽培管理を行うことで、「早優利」は7月下旬から8月上旬にかけて、「凜夏」は8月上旬から中旬にかけて、美味しい果実が収穫できます(平成29年)。
シャインマスカットの大粒化を目的としてフルメットを高濃度で施用した場合、食感品質の低下がみられました。また、新梢管理方法の改良によって、食感品質に影響を与えることなく大粒化が可能であることを確認しました。これらの知見を盛りこみ、平成26年に作成した栽培マニュアルの改訂を行いました(平成28年)。
シャインマスカットは、2006年に品種登録されたブドウの品種名です。栽培するにあたり注意するポイントをまとめた栽培マニュアルを作成しました(平成26年)。
丹後地域のナシカワホソガ越冬世代成虫の発生初期は7月上旬であり、最盛期は7月中旬でした。フタモンマダラメイガの飛来は4月から9月まで起こり、その被害は7月下旬以降に本格化することが確認されました。府内ナシ園において、本害虫の被害は広く発生しており、防除方法が手散布のほ場や防除圧の低いほ場でその被害が多いことが確認されました(平成25年)。
果実糖度は土壌の気相率と高い正の相関を示しました。糖度不足の発生する園では地下30~50cmの気相率が15%以下で、土壌改良が必要です。また、葉果比や日当たりの改善も重要で、これらの項目を含めた糖度改善のためのフローチャートマニュアルを完成させました(平成23年)。
丹後地域では例年5月にハダニが発生し、その多くはクワオオハダニです。防除には春季のマシン油散布とクワオオハダニに登録のある薬剤が有効です。また、ナシヒメシンクイは年次変動があるものの、越冬世代を含め、年5回発生しています。薬剤による防除の他、果実袋による防除も効果があることが分かりました(平成23年)。
ナシせん定枝堆肥を10アールあたり1~2トン施用すると土壌理化学性が改良され根量が増加します。また、炭化物も土壌物理性改良効果がありますが、10アールあたり750リットルまでの施用に留める必要があります(平成21年)。
「京たんご梨」の品質向上によるブランド率の向上、およびナシと組み合わせる省力的なブドウの栽培方法を確立し、丹後地域の果樹産地の体質強化を目指します。
異常気象による高温・強日射の夏が多くなる中、果実障害を軽減させる技術開発を目指します。
果実の肥大程度や収穫時期、収穫した果実の大きさと品質を調査し、毎年の生育状況を把握しています。
ナシ、モモ、ブドウの新しく育成された系統の、丹後地域における栽培適応性を調査しています。
お問い合わせ
農林水産部京都府農林水産技術センター 丹後農業研究所
京丹後市弥栄町字黒部488
電話番号:0772-65-2401
ファックス:0772-65-3561