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[水田営農]

京都府丹後地域は、おいしいお米「コシヒカリ」の産地です。「丹後コシヒカリ」は、財団法人日本穀物検定協会が実施する全国食味ランキングで最高評価である「特A」を平成19~21年の3年連続、西日本で唯一獲得しています。丹後コシヒカリについて( PDFファイル ,588KB)

平成22年度は「特A」獲得を逃しましたが、水田営農担当では、「特A」復帰に向け、丹後産米の品質や食味の向上に向けた研究を継続しています。

これまでの成果

生育診断技術に基づく丹後コシヒカリの良食味栽培技術の開発

コシヒカリの理想的な生育相で収量、品質を兼ね備えた良食味米を実現するためには、初期生育を調節することが重要です。その管理ポイントは以下のとおりです。
ア 移植時期を5月20~25日の遅植えとします。 
イ 地力に応じて基肥量を決めます。
ウ 栽植密度は株間を25cm程度にします。
エ 基肥に緩効性肥料を使用します。
オ  幼穂形成期生育量(1平方メートルあたりの茎数×草丈×SPAD値/10000)が80前後であれば、前期穂肥は窒素成分で1~1.5kg/10a程度、100前後であれば1kg/10a程度、120以上であれば無施用が適当です(平成22年)。

小豆「京都大納言」における狭条密植栽培-コンバイン収穫体系

小豆「京都大納言」の機械化体系として、条間30cm、株間16~21cmで播種する狭条密植栽培とコンバインによる収穫を組み合わせると、慣行の畝立て栽培よりも省力化が図れ、多収となります。(平成20年)

丹後地域の未利用資源を活用した水稲栽培技術

丹後地域の未利用資源である「カニ殻」や「竹粉」を利用した水稲の施肥体系について検討したところ、カニ殻体系では基肥100kg/10aと穂肥70kg/10a、竹粉+油粕体系では基肥に竹粉150kg/10a以内+油粕50kg/10aと穂肥に油粕75kg/10a、が収量および品質確保に有効です。(平成18年)

丹後地域の未利用資源を活用した水稲栽培における雑草抑制技術

分解しやすい有機物を田植え直後に施用し雑草発生を抑制する技術(いわゆる米ヌカ除草技術)について丹後地域の未利用資源を用いて検討したところ、竹粉+油粕、乾燥オカラ、米ヌカ+酢カスでは雑草発生を20~30%程度に抑制し、効果が認められました。(平成18年)

水稲の打ち込み式代かき同時土中点播栽培における播種同時施肥技術

水稲「コシヒカリ」を用いた打ち込み式代かき同時土中点播栽培の基肥施肥作業の省力化を図るため、播種と同時に肥料を打ち込む技術を検討したところ、苗立ちの低下も無く、収量がやや低下したものの基肥量の20%程度を削減することが可能であり、実用性が高いことを明らかにしました。(平成17年)

コシヒカリの疎植栽培技術

丹後地域のコシヒカリ栽培において、栽植密度が1平方メートル当たり10株程度の疎植栽培では、慣行栽培に比べ穂数は少なくなるが、登熟期間中のイネの葉及び根の活力が高く維持されるため、収量、食味関連形質は低下せず、外観品質もやや向上しました。(平成15年)

「祝」に対する打ち込み式代かき同時土中点播栽培技術

酒造好適米「祝」における打ち込み式代かき同時土中点播栽培は、移植栽培に比べて収量は6%減少するものの品質は同等で、点播間隔を広くすることにより耐倒伏性が向上し、実用性が高い。(平成15年)

登熟期間の温度が水稲「コシヒカリ」の外観品質に及ぼす影響

登熟期間の温度が「コシヒカリ」の品質に及ぼす影響を検討したところ、登熟前期の高温は登熟歩合を低下させ、登熟中期の高温は乳白粒を増加させました。一方、登熟中期の高温を回避すると未熟粒、特に乳白粒の発生が抑制されました。(平成15年)

打ち込み式代かき同時土中点播栽培の効率的施肥法

打ち込み式代かき同時土中点播栽培では、移植栽培と同様の施肥体系では収量が減少するため、短期溶出タイプの肥効調節型肥料を用いる施肥体系を検討したところ、減収も認められず、効率的な施肥体系です。(平成14年)

打ち込み式直播によるコシヒカリの省力栽培

倒伏しやすいコシヒカリでの直播栽培のため打ち込み式直播栽培の適応性を検討した結果、収量は移植栽培の98~102%とほぼ同等で、倒伏抵抗性も移植並~やや低い程度で十分に適応可能です。(平成11年)

品質面からみた「コシヒカリ」の好適移植期

5月下旬植のコシヒカリの品質は、5月上旬植に比べて整粒が多く、白米中のタンパク質含有率が低く、食味推定値が高いことから、5月下旬に移植することが望ましい。(平成11年)

スルホニルウレア系除草剤抵抗性雑草の簡易判定法と防除対策

アゼトウガラシを主とするスルホニルウレア系成分の除草剤に抵抗性を示す雑草に対する簡易な判定チェックシートを作成するとともに、その対策としては、プレチラクロール剤やシメトリン・MCPB剤などの除草剤に転換することが有効です。(平成10年)

主な発表、研究論文など

タイトル等 発表
京都府丹後地域における水稲「コシヒカリ」の良食味米生産のための生育相の解析 大橋善之.2009.日作紀78(別1).50-51
京都府丹後地域の未利用資源(有機物)の水稲「コシヒカリ」に対する施用技術 大橋善之、大島優、吉岡善晴.2008.作物研究53.41-46
京都府における水田雑草のスルホニルウレア系除草剤抵抗性生物型の出現状況 大橋善之、冨永達.2008.作物研究53 .49-50
京都府丹後地域における小豆の大規模省力機械化栽培技術 大橋善之.2008.豆類時報50.30-35
アズキの部分耕狭条密植栽培における前作が雑草発生、生育および収量に及ぼす影響 大橋善之、吉岡善晴.2008.日作紀77(別1).110-111
作物学概論「アズキ」(朝倉書店刊) 大橋善之(大門弘幸編著)
京都府丹後地域におけるアズキの狭条密植栽培の実用性 大橋善之、吉岡善晴、中村一友.2007.日作紀76(別2).76-77
水稲「コシヒカリ」における疎植栽培、穂肥施用量および登熟期の高温が収量および玄米外観品質に及ぼす影響 大橋善之、大島優、吉岡善晴.2007.日作紀76(別1).10-11
 水稲「コシヒカリ」における疎植栽培、穂肥施用時期および登熟期の高温が収量および玄米外観品質に及ぼす影響 大橋善之、大島優、吉岡善晴.2006.日作紀75(別1).230-231
酒造好適米「祝」に対する打込み式代かき同時土中点播栽培技術の実用性 大橋善之、今井久遠、岡井仁志.2006.近畿作育研究51 .19-22
京都府における水田雑草のスルホニルウレア系除草剤抵抗性生物型の出現状況 大橋善之、冨永達.2006.近畿作育研究51 .49-50
水稲の疎植栽培における出液速度と収量および品質との関係  大橋善之.2004.農業および園芸79 .1113-1117
登熟期間の温度が水稲「コシヒカリ」の玄米品質に及ぼす影響 大橋善之、今井久遠、吉岡善晴.2004.日作紀73(別1).230-231
京都府大宮町における畦畔・法面の造成後年数とセンチピードグラスの初期生育との関係 大橋善之、川口盛行.2003.近畿中国四国農業研究2 .45-48
京都府丹後地域における水稲「コシヒカリ」の玄米外観品質を向上させる施肥方法 大橋善之、岡井仁志.2003.日作紀72(別1).270-271

上記の発表要旨、論文別刷をご希望の方は、メール等で当所までお問い合わせください。

平成23年度に取り組んでいる試験の概要

メタン発酵消化液の新規需要米への適用技術の開発

メタン発酵消化液の水田における肥効特性等の基礎的な知見を得るとともに、新規需要米への適用技術を検討しています。

消化液散布

高品質でおいしい「京都府産米」の安定生産支援技術の開発 

タンパク質の種類と含有量を生化学的に分析し、最新の画像解析技術を用いてタンパク質の米粒内分布を明らかにすることで、良食味米栽培に対する新しい指標を得ることを検討しています。

調査の様子

水稲作況調査

毎年、同じように栽培した水稲の生育状況を調査し、本年の気象要因との関係を解析しています。

作況調査の田

水稲の除草剤適応性試験

新しい除草剤の除草効果や水稲に対する薬害などを検討しています。また、移植栽培だけでなく、直播栽培の除草剤も検討を進めています。

除草剤試験の田