丹後広域振興局

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第2回集中ディスカッション [丹後活動プラン]

日時:平成16年8月6日(金曜)午後1時30分から
場所:国民年金健康センター丹後おおみや(京丹後市大宮町)

意見の概要(農林水産業分野)

自然の中での繋がり、循環を考えていこう

  1. 丹後の自然の中に、農業、林業、観光等いろいろなものがあり、すべては繋がっている。自分の立っているところは全体の中にあり、自分の場所がある。
  2. 農林漁業は、人が生きていく基盤であり、農林漁業がしっかりしていることが大切。
  3. 海と山とは切り離すことができない。海がきれいということは、山がきれいということで、林業と漁業の関わりは大切。上流の川の森林を植林して良質のカキが良く獲れるようになったという話しもある。「土砂の供給を止めない川、道路」ということが必要ではないか。
  4. 人が関わることによってできる循環システムが丹後ではできていない。
  5. 自然との共生などと消費者サイドでは簡単にいうが、現実は自然との戦いだ。地域にある資源を有効に使うという考えができるのは素晴らしい。
  6. カニ殻を粉砕して堆肥をつくり、それで野菜を栽培して旅館の食材に使ってもらう循環型ができた。また、粉砕する機械は、地元のメーカーで作った。地域内で地産地消ができれば丹後は良くなる。
  7. 竹や廃材を燃やして炭化させ、炭を作り畑にまいて、野菜をつくる、こうした循環型の仕組みを考え、丹後のイメージとして印象づけていくことが大切。
  8. 有機栽培するための有機質が不足している。台所のゴミを堆肥化し、発酵させて畑へ還元するというシステムが丹後でもできないか。
  9. 酪農の糞尿は環境問題となるが、これの利用で有機農業を推進し、農業の活性化に寄与できないか。
  10. 河川や海の汚泥を堆肥や、煉瓦、ブロックとして利用する。サラダ油を回収し燃料にする。燃やせるゴミを発電に利用する。
  11. 地産地消で、丹後の人に全て食べてくれと言っても対応不能だ。安定的な供給ができない。また漁業では、漁業者が飯を食えるだけの価格で消費者が購入してくれるかどうか。

農林業と地域を支える手立てを工夫しよう

  1. 農林的な生き方は素晴らしいが、厳しい面もあることを多くの人に感じてもらいたい。どこで暮らしていても、土や水とかけ離れたものではなく、それらを求めている。農業や土とのふれあいができる施設があれば。
  2. 間伐材や30年ほどの杉を地元の人や都会の人に来てもらって切り、ログハウスをつくることができた。都会では田舎暮らしをしたい人が増えている。一方、地域では生活道路や水田・水路の草刈り、掃除が大変で、生活基盤の整備が問題だ。都会の人の感覚では厳しいことも多いが、「草刈り遠征隊」などが来れば、実際の田舎暮らしが分かり、田舎では都市の話しが聞ける。
  3. 国は大規模農家に重点を置くようになってきているが、中山間地を守るには大勢の人が必要。地域の集落と一体となって初めてできる。他から来た人は、水路整備など共同作業をしない。
  4. 認定農業者に対して国から助成があるが、地域や農家を守っていくには、少数の認定農業者ではできない。女性や家族の力も必要になる。小規模農業者にも支援があれば、土地を荒らさずに農業を続けていける。
  5. 但馬空港が出来てからイノシシや鹿が毎日出るようになり、戦っている。
  6. 世界的にも景観の美しさが評価されている棚田だが、地域が一体とならないと守れない。イノシシや鹿に対する電気柵なども必要になる。中山間地の補助は今年でなくなると言われているが、ヨーロッパでは農産物の売り上げにより多額の直接補助が出されていると言われる。
  7. 棚田の大変な作業を軽減するため、「直播再生紙マルチ農法」を導入した。これを田に広げ水田管理だけすれば良い。うまくいかない場合もある。
  8. 産業として考えるのであれば、農林水産業は規模をどうするのかの視野が必要。自給自足、小規模で来る人だけでやるのも一つのやり方だが、産業としては成り立たない。また地産地消の地消をどうするのか、他地域にも供給する、他から来ていただくことも必要となると規模の拡大がいるのではないか。
  9. 米に対するニーズがかつての半分になったということだが、美味しい米をつくるのも一つのオプション。パンの方にいくのも一つのオプション。
  10. 世界からたくさん安い食材が入ってくる。法人化して農家もたくさんあっていいのではないか。

安心・安全を追求しよう

  1. 農業が生き残っていくためには、出来るだけ農薬を使わない農産物を作り、出来る限り近くで消費することが大切。中国の高所得者に日本の安心安全な高級農産物を販売することも可能。
  2. エコファーマーを取得して一層安心・安全に対する認識が深まり、循環型農業の実現を目指す。
  3. ミルク工房では、その場で作って加工して販売している。自然の姿を見せる。トレーサビリティも学んで欲しい。
  4. 宿泊者に対して、地元産品の告知、生産者の顔も出しているが、生産者が分かるとお客様は非常に喜んでいる。
  5. 農林業にしてもISO14001より環境、土壌のことを考えて9000等を取得することを考えるべきではないか。
  6. これからの社会のキーワードは、環境と健康だ。葉タバコの生産には違和感を感じる。「丹後では、健康に有意なものだけ作る」と宣言しても良いのではないか。
  7. 品質という点では、1万円で食べ放題のカニツアーのカニはどうなのか。
  8. マイナス2度の海水シャーベットアイスで殺菌し、安全なものを出荷している。これを更に広めていきたい。
  9. 環境、安心安全という面では規制の強化が必要だ。

後継者を育成しよう

  1. 都会から来た人は一生懸命やる。直面する問題としては安く住める家がないことだ。特に子供ができると難しい。このほかに生産指導が受けられない、販売面で苦労することだ。
  2. 葉たばこはリスクが少ないのでIターンした新規就農者がやっている。新規就農には行政の支援が必要。鳥取では新規就漁者の仕組みもある。
  3. 丹後に来たオープンカレッジの学生がそのまま就農するような仕組みがあってもいい、うまく機能しないのは丹後に魅力が少ないからだ。丹後に来て儲けた気分にさせる仕組みがないのだ。
  4. 就農シンポなどをするより、農業をするとこんな生き方、暮らし方ができるというようなことを教える「就農予備校」を作った方がよい。水俣の環境マイスターのように実践者を講師として。
  5. 自己完結できるのが農業の魅力。あるテレビ番組で自給自足をやっている光景を若者が見て農業をやろうという人が増えている。後は経営力をつけることだ。
  6. 丹後で農業を扱う高校は弥栄分校しかない。
  7. 漁業士会では後継者をつくるため、平成8年から海洋高校の生徒を対象に定置網体験、魚料理講習会、意見交換などを行い漁業に興味を持ってもらうような取組をし、これまでに10名余りが府内漁業に就業した。

新たな生産・販売チャンネルを開拓しよう

  1. 観光客には地元産品100%の朝食を出している。夕食にも出したいが食材が揃わない。丹後には果物、野菜、米、牛乳などおいしいものはたくさんある。
  2. 炭のやすらぎ効果をテーマにし、部屋、寝具、入浴等に備長炭を利用している。
  3. 農業も林業も水産業も観光の大きな資源と考えれば、働く場所の不足の解消にもなる。人と人との交流が生まれる。物見遊山観光から都市と農村の交流をこれから考えていく必要がある。
  4. 産直は値段よりも安心安全をPRする。
  5. 府では漁連の一元集荷をしているが、福井ではインターネットでウニを販売している漁師がいる。また丹後の道の駅では福井の魚を売っているが、丹後でも自分で獲ったものをほしい人に売るという自主流通体制があってもよい。漁連は仲買で売れないときは買い支えをして売り切る。漁協に負担金を払ってないとちゃんと扱ってもらえない。
  6. 既存の流通システムと自主流通を選べる仕組みが必要であり、行政の役割があるのではないか。
  7. 魚を持って帰りたいというお客は多いが、捌いて売るには保健所の許可がいるのでロビーではできない。許可を受けて販売できる基地のようなものがいる。
  8. 米では10年程前から流通規制が緩和され、届け出さえすれば、自由に売れる。独自ルートで都会の人、民宿、旅館等に個人販売を行い、米が足りない状況。
  9. 中国、ヨーロッパから来るものは、見た目には変わらなくても、時間とともにビタミン、ミネラルが薄れ、丹後産に競争力が出てくる。また、逆に中国では、日本の高級リンゴや梨が良く売れているという。
  10. 牛乳に付加価値を付けてアイスクリームやチーズを製造・販売しているが、珍しさもあり、お客は多い。
  11. 酪農の仕事はきつい。酪農の仕事についての理解を深めてもらうため、体験テラスを設置し、牛の勉強と酪農の仕事を学べる体験学習の場としている。
  12. 旅行代理店、旅館、ホテルと連携して、京阪神から1泊してもらい、牧場、地域農業を見せられないか。

子供達に農林水産業や食の安全安心を教えよう

  1. 地域の農業活性化のためには、若いときから農業の大切さを教えていかないといけない。
  2. 食育ということで、地元中学生7名が農業体験をし、暑かったけど楽しかったと感想を言っていた。地元にいても農林業を知らない、地元のいいところを伝えていくことから始める必要。
  3. 学校給食でなぜ地元野菜がでないか。栄養士がメニューを決めている。府は10校で「いただきます地元産プラン推進事業」を進めているようだが、もっと増やしてほしい。JAを使う、顔の見える生産者と連携する、教育委員会が前面に出ればもっと早くできるのでは。
  4. 加悦谷給食センターでは野菜は使ってもらっている。事前に年間出来る野菜の種類と価格を送り、大部分を納入している。

丹後をアピールしていこう

  1. お客を集めるには丹後地域全体で取り組み、情報発信しなければならない。
  2. 丹後の1次から3次産業までひっくるめて情報をまとめる組織が欠けている。
  3. 平成の丹後王国に「情報司令塔」を設置する、民宿の女将さんが情報を得てお客に伝えることができるような、女将さんはお客を感動させる演出家でなければ。
  4. フィールドミュージアム的な考えでとらえれば、丹後には特別なものはあるが、それを彩るものがない。
  5. 「人と人、心と心のつながりを大切にしているまちなんですよ。」ということが、トータルの流れとして訴えられれば、よそから来てもらえるのでは。
  6. 地域の物をどう活かし、どうPRしていくかが問題。
  7. 五十河の米は大変おいしいのにブランド化出来るものをしてこなかった、丹後にはこのようなものがいっぱいあるのに、規制強化で保護を受け過ぎ、努力を怠ったとも言える。
  8. 米がおいしいということは酒もおいしい、農作物もおいしい、自然が豊かだということでたくさんの良いものを表現できる。観光客もおいしいお米を食べれば直販して欲しいということで仕組みができる。丹後は米どころということをもっとPRする。美味しいお米ということでは高齢者は技術者であり、知恵者だ。
  9. 地域が生き残るためには情報発信からのブランド戦略が必要。ブランド化には品質の保証と統一が必要でロゴマーク、推進体制の統一が必要。またプロデュースできる人材をどう育成するか、どう活用するか。
  10. 消費者に対して品質などで誠実な対応をすることが必要だ。
  11. 本を出すことで情報発信し、村の産品の売り上げが4倍になった例がある。応援したい、住んでみたいといえるような地域づくりが大切。
  12. 安全安心、美味しいものを端的に表現するものとして、「おじいちゃんが孫のために作ったお米」というキャッチフレーズはどうか。
  13. 丹後のブランドはどこにも負けないものがあり、ボランティアなどにより、観光とリンクさせていくなどいろいろと絵を描ける地域だ。
  14. 観光は地域をブランド化することで100の価値のものを150に持ち上げることができる。
  15. 丹後では情報発信しても受け入れ体制が出来ていない。観光インストラクターの資格制度や講習会を作り受け入れ態勢を整えることが、リピーターの確保につながる。
  16. 観光、歴史文化、自然をリンクさせ、トータルとしての文化力、言語力で表現し、地域の底上げをしていくことが必要。
  17. 有機農業かそうでないかは、肥料に炭素が入っているか否かによる。入っていれば自然農業であり、表現としては“自然農薬を使っている”と言えるようにすれば良いのではないか。

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