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更新日:2026年2月18日

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文化の心次世代継承事業(学校・茶の湯・出会いプロジェクト)|事例紹介

 京都府では、「文化の心次世代継承事業(学校・茶の湯/いけばな・出会いプロジェクト)」の実施を通して、児童生徒への生活文化体験を推進しているところです。
 このページでは、本事業を活用された学校の事例をご紹介します。

児童主体で行われた特別なお茶会-京田辺市立薪小学校「おもてなしプロジェクト」

 京田辺市立薪(たきぎ)小学校の特別支援学級では、小学1〜6年生の児童19名が学んでいます。

 子どもたちは、京都府の令和7年度「文化の心次世代継承事業」を通して茶の湯を体験し、その後、自分たちがおもてなしをする側になってお茶会を行いました。この薪小学校での「おもてなしプロジェクト」の取組を紹介します。

<本事例のポイント>
●茶の湯体験+児童主体のお茶会開催
●学びの成果
 ・相手を思いやる心
 ・創意工夫する力
 ・文化を身近なものとして受け止め、工夫を重ねてお茶会として実践した経験

<茶の湯との出会い>

 9月、子どもたちは武者小路千家の芳野敬弥先生によるお茶会を体験しました。普段の教室に即席の和室空間を整え、講師によるお点前が披露されました。お菓子とお茶をいただきながら、作法とともに相手のことを思う「おもてなしの心」を学び、友達や先生のためにお茶を点ててみることにも挑戦しました。

茶の湯体験の様子01  茶の湯体験の様子02

 

<おもてなしプロジェクトの始動>
 この体験を出発点にして、学校での「おもてなしプロジェクト」がスタート。11月に実施する「お茶会」の招待状を作り、一人一人の役割を決めて準備が始まりました。
 役割は「主人」「かけじく」「おもてなし」の3つ。主人はお茶会に来られるお客様への挨拶やお茶会の進行役を担います。かけじく担当の児童はお茶会のテーマとなる言葉を自分の字で書いて飾り、おもてなし担当の児童は、看板を作ったり、お菓子の入れ物を折り紙で作ったり、校内の草花を摘んで生けることでお茶会のしつらえを整えました。
 それぞれ3回の練習や準備、リハーサルを経て、いよいよ11月7日に本番を迎えます。

<いよいよ本番-児童主体のお茶会>

 本番当日。お茶会の会場となる教室の入り口には自分たちの学級名「たんぽぽ」と「こすもす」から取った「たんこすおちゃかい」の大きな看板。
 中に入ると教室の一角にマットでお茶室が準備されていて、正面には「松に古今の色なし」の掛け軸と、ススキやハギを生けた花入れが飾られています。この草花は前日に児童が校内で探して準備したものです。
 

薪小のプロジェクト01

 

 お茶会は4席行うことになっていて、前半2席は「こすもす」の児童が担当。1組と2組に別れて主人役と、お運びのお手伝いを交互に行いました。それぞれのお茶席で主題となった掛け軸は「松に古今の色なし」のほかに「和敬清寂」「一期一会」「喫茶去」。すべて実際のお茶会でもよく用いられるもの。これらはすべて子どもたちが習字で書いたものです。
 最初に主人役としておもてなしをするのは「こすもす1組」の5名。お客様役は、普段接している先生たちです。招待状を手にした先生たちを迎え、主人役の児童があいさつをしてお茶会が始まります。掛け軸の言葉の紹介や、和三盆のお菓子を勧める場面では、教室に穏やかな空気が広がりました。

薪小のプロジェクト02 

薪小のプロジェクト03

 

<心を込めた一服>

 続いていよいよお茶を楽しむ時間。抹茶とお湯の入ったお茶碗、茶筅をのせたお盆が運ばれてきて、目の前でお茶を点てます。何度も練習してきたことを思い出しながら、目の前の先生のために心を込めてお茶を点てました。きれいな緑色のお抹茶が点ったところで両手でお茶碗を持ち、お客様に差し出します。
 主人は茶碗の正面をずらすことや、「おてまえちょうだいいたします」というお客様の挨拶の仕方も伝えて、お茶を飲んでいただきました。

薪小のプロジェクト04 

薪小のプロジェクト05

 
  緊張していたのか言葉の少なかった子どもたちも、お茶やお菓子をふるまって、先生たちとの和やかな時間を過ごすうちにだんだんと普段の元気な姿になり、最後はわいわいとにぎやかな様子で約15分のお茶会は終了。お客様全員が教室を後にすると、担任の先生たちが大きな拍手でねぎらってくれました。
 とはいえすぐに次の席。今度は主人役とお手伝い役が交代して、新たなお客様を迎え、計4席のお茶会を無事に終えることができました。

<結び>

 この学習を担当された担任教員の感想を紹介します。
「初めはうまくいくかどうか不安でいっぱいでしたが、芳野先生から教えていただいたことがしっかりと子どもたちに残っていて、 何をしたいか尋ねた時は、たくさんのアイデアが子どもたちから出てきました。『茶の湯の先生たちみたいに、着物を着たい』『かけじくに好きな字を書きたい』『お茶の濃さを選べるようにしてみたらいいんじゃない』など、しっかりとイメージができていることを感じました。練習してきたことを精一杯行い、自分たちが点てたお茶を『おいしい』と言って飲んでもらっていることに、とても満足している子どもたちでした」

 また、お茶会に招かれた教員からは、「児童が点ててくれたお茶は、 今まで飲んだ中で一番おいしかったです」「教室に入った瞬間から、穏やかで、優しい気分になりました。『心の和む時間、大切にしてね』と、子どもたちから教えてもらったような感覚でした」といった感想が寄せられました。

 京都府の「学校・茶の湯・出会いプロジェクト」では、茶の湯の特長のひとつとして「生活を彩り他者をもてなすための創意工夫を学べる」ことを掲げています。今回の薪小学校での取組では、芳野先生が普段の学習の場を茶会の空間に変え、目線を合わせてやさしい言葉で茶の湯のこころとおもてなしを伝えてくださいました。子どもたちはその体験を先生たちと紐解き、自分たちのできること、してみたいことに置き換えていきました。こうした学びを日頃の学校生活と結びつけて実現できる点に、茶の湯が持つ生活文化としての特徴が表れています。

 

お問い合わせ

文化生活部文化芸術課

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