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第1回京の文化次世代育成プラン検討委員会開催結果

 

日時

平成23年8月1日(月曜日) 午後1時から3時まで

場所

京都府公館 第5会議室

出席者

大野木啓人委員、加柴和成委員、河島伸子委員、小池一範委員、小暮宣雄委員、土居好江委員、畑正高委員、山本壯太委員 

議題

  1. 「京の文化次世代育成プラン」について
  2. その他

委員意見の要旨

(1)現状認識

  • 水戸黄門や忠臣蔵を知らない学生がいる。20~30年前までなら皆がだいたい知っていたようなベーシックなものがなくなってきている。大人は「若者が何を知らないのかを知らない」状態。 
  • 生まれてから椅子生活で、床の間を知らない若者もおり、お茶やお花、お香は「日常生活」ではなくなっている。
  • 伝統的な日本生活に根ざした文化はやや瀕死の状態にある。生活様式が変わるとともに、壊滅するしかないような危機的な状態にある。
  • 日本人が普通に生活すること、文化のベースが、以前と変わってきている。朝に打ち水をしたり、一輪の花を毎日いけたり、床の間に四季折々の掛け軸をかけるといった普段の美意識が、マンション住まいの合理化の中で失われていっている。

(2)質疑・意見

(文化の定義) 

  • 一口に文化といっても、生活文化から芸術的な活動まで幅広い。どこに軸を持っていくのか。「京都文化」に絞るのか?
    (事務局)2段構えで考えてほしい。「京都文化」でも、京都の人が行う全国に普遍的な文化でも対象になる。
  • 文化を「暮らしそのもの」と定義した場合は、「いただきます」「ごちそうさま」をきちんと伝えていくことも文化。
  • 日本のフォークソングは「京都の学生文化」の歴史的な事例。若い世代が生活の中で文化に親しむ機会を作るとともに、歴史に育まれた京都文化の本質にも共振してほしい。 

(次世代の定義)

  • 小学生から大学生まで幅がある。総花的に全部やるのか、もう少し絞るのか。それぞれの世代に行うとよい反響があるが、重点的に行うという方法もある。
  • 次世代のとらえ方として、大学生・高校生だけを切り取ったのでは、文化の継承・連続性からみると役に立たない。子育て世代と子ども世代を繋げる必要があるが、次世代は大人も対象と言い出したらきりがないくらい幅広い人たちが対象となる。 

(施策の領域) 

  • 学校教育での施策展開が必要だがどれだけ反映できるか。小中学校は市町村の所管なので、府がアプローチしやすいのは高校生。棲み分けをして府市連携でやったらどうか。
  • 府は、府域の自治体、住民への施策を広げていく方向を目指した方がよいのではないか。

(3)大切な視点

  • 心の豊かな生活をもう一度考え直すことによって、四季に敏感で、人とのコミュニケーションにおいてデリケートなところまで汲み取れる次世代を育成する。
  • 京都には豊かな自然や資源がある。日本の文化には、思いやり、ゆずりあいなど類い希な文化の底辺がある。ここからもう一度日本の精神文化を訴える。
  • 生活の中で人格形成に繋がるようなことをどう行うか、小さいときから家庭の中で教えないといけない。そのためには大人教育も必要。
  • 小中学生には、強制的に楽しい背中を見せながら。高校生には、自分の意思で能動的にやってみたいと思えるような扉の設定を。大学生には、放任せずに適切なアドバイスを。
  • 次世代が新しい文化を作ることができる仕組みを。学校や地域がおせっかいをしない。NPO的な動きをどう活発にするか。
  • 文化は知識や情報ではなく、自分の体感や身について、初めて文化になる。短期間にできるものではない。仕組作りに知恵を使うべき。
  • 表面的なことだけでなく、墨をすって文字を書く生活を子ども達に保障するなど基礎から直していくことを地道にすべき。 

(4)施策の方向性

  • 次世代や若者のたまり場が必要。文化会館や児童館等寄り道のできる場所で文化の基本的な自由スペースを。ナラティブなたまり場を作る。「子どもの駅」みたいな、文化子どもステーション。
  • 大学生に関しては、学生達がどうやって自主的に動き、それをどのようにバックアップしていくかが大事。
  • 芸術系大学や大学の部活や自主活動を活用し、府域で、演劇の公演や学生の作品展示、素材の提供など。北部等に活動範囲を広げれば地域の力になり、若い人が交流し触れ合うことでパワーが生まれる。
  • 文化の施策は、学校教育での種まきとともに、水やり、肥料やりにあたる地域・家族の支援が必要。文化に携わる一般市民、文化協会、アマチュアをいかに活用するかが大事。
  • 広域文化施設を次世代文化育成の拠点とし、集中して事業を行い、うまくいくシステムを市町村にひろげる。
  • 国民文化祭の成果として、発表する機会を設けることが大切。若い人の発表会を中丹でしたり、別のものを京都市でしたり、交流をする。文化は広域化しないと、同じ地域だけでは育たない。
  • 古今集の朗詠会など分野は何でもよいが、表現の機会を与えることが大事。 

(5)その他

  • 文化施策について、継続して検討する若い世代(40歳以下)の委員で構成する研究会の発足を。

お問い合わせ

文化生活部文化政策室

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4223

bunsei@pref.kyoto.lg.jp