トップページ > 文化・スポーツ・教育 > 文化・スポーツ > 文化政策室の業務について > 第3回「京都こころの文化・未来創造ビジョン」推進・評価に係る意見聴取会議開催結果

ここから本文です。

第3回「京都こころの文化・未来創造ビジョン」推進・評価に係る意見聴取会議開催結果

日時

平成27年3月19日(木曜) 午前10時00分から11時35分まで

場所

京都府庁 1号館 1階 文化環境部会議室

出席者

天野文雄座長、加柴和成委員、栗山圭子委員、佐藤卓巳委員、坂上英彦委員、永井正人委員、松尾恵委員、山本壯太委員、冷泉貴実子委員(五十音順、敬称略)

議題

  1. 「京都こころの文化・未来創造ビジョン」について

      ・「ビジョン」の推進状況等

      ・平成27年度重点予算

   2.   2020年に向けたオール京都の取組等について

       ・「2020京都文化フェア」(仮称)

      ・スポーツ・文化・ワールドフォーラム(仮称)

      ・関西広域連合 

委員意見の要旨

ビジョンの推進状況、平成27年度重点予算について

  • ビジョンについては熱心に取り組んでいただき、成果も上がっているが、課題も多い。学校関連では様々な事業が展開されているが、薄く広くの対応になっている。学校数も多いので致し方ないが、学校の外に出た地域での展開も、もっと活発化してほしい。鑑賞型事業も弱い。伝統芸能以外の舞台芸術にも、もっと光を当てて欲しい。さらに高齢化が進み文化団体も減少している。
  • 琳派400年は京都市内では盛り上がっているかもしれないが、郡部には伝わっておらず、文化格差が生じている。
  • 次世代育成施策をはじめ、知事部局と教育委員会の連携が良くなっている。今後も継続して欲しい。高校生伝統文化フェスティバルは高いレベルで開催されており、この流れが日本中に広がることを期待している。
  • 大学で特色入試を担当しているが、伝統文化で優れた才能を持っている人たちにも是非、特色入試にチャレンジして欲しいと考えている。まゆまろ賞は学校単位での表彰だが、個人単位での表彰も行ってほしい。現在、多くの大学で特色入試を実施していることから、多くの熱心な学生が参加すると思う。
  • 京都には5つの芸術大学を活かし、中・高校と大学の連携を図る施策を展開して欲しい。(教員の交通費をどちらが持つのか等)細かな手続き論で先に進めない事も多いが、こうした制度設計をしっかりと行って欲しい。
  • 文化と産業の部局連携による施策も展開して欲しい。
  • 今年は琳派400年記念の冠がつく事業が多い。琳派は、古今和歌集等の古典の系譜にもつながるものである。ほんまもんの文化芸術を深めるのであれば、一過性に終わらせるのではなく、背景も含めて根付かせることが大事である。
  • 芸術大学にも社会人学生が増えている。作り手としてもう一度社会で力を試したい人や、ボランティア活動や地域の拠点作り等をしたい人が多い。本来はプロとアマをつなぐ役割であるのにアマとして括られ、活動を行うに当たっては、後ろ盾がなく、その存在も認められていない状況である。
  • 高校生伝統文化フェスティバルは、伝統を継承しているだけでなく、次の伝統に向かって、新しいものも発信している。地域格差で言うと、丹後地域の学生の方が、京都市内より関心が高いという現実もある。
  • 国民文化祭を契機に、プロ(ほんまもん)とアマ(市民文化)の距離が近づいてきているように感じている。
  • 北山文化環境ゾーンは京都府の文化政策の根幹である。特に3大学教養教育共同化は、山田府政の施策の最大の功績だと認識している。最近の若者は専門部分野については高度なレベルを持っているが、基礎的な教養のレベルについては非常に疑問視している。
  • 国際京都学センター(仮称)の開設に当たっては、国際日本文化研究センターとの関係を念頭に置くべきである。

2020年に向けたオール京都の取組等について

  • 2020年へのロードマップをきちんと描くことが大事である。今年は琳派、来年は伊藤若冲(生誕300年)で京都は盛り上がる。明治維新150年(2018年)も面白い。
  • 関西広域連合でも文化事業を進めているが、関西の中に埋もれないよう、あえて京都エゴイズムを出した方が良い。
  • 「文化首都・京都」の意味するところは京都が「千年のみやこ」であったことである。京都に御所があり、上方文化の中心であったという絶対的な事実がある。それらは明治維新で全否定されたが、例えば、そこで生き残った茶道や能等のわび・さびが海外からミステリアスな雰囲気で評価されている。これらは当時の文化の一部であり、皆が忘れているのはロイヤル・カルチャー(宮廷文化)である。祭で言えば、「祇園祭」ではなく王朝文化を表現した「葵祭」である。2020年に向けて京都は、「宮廷文化の祭典」のようなものを検討して欲しい。
  • 文化首都は、京都だけでなく、関西広域連合でも使用されている。
  • 京都文化フェア(仮称)開催に当たっては、国を巻き込むことが必要である。京都府・京都市の財源だけでは、国際的には見劣りするだろう。
  • 明治維新100年の1968年に京都府は映画「祇園祭」を作成した。明治維新150年に映画「葵祭」を作ってみても面白い。財源等の制約もあるが、そうしたことができる体制を作ることが重要である。
  • 京都御所を会場に祭典を開催することが、ロイヤル・カルチャーという「千年のみやこ」文化を世界に発信することにつながる。
  • 2020年ではなく、ポスト東京五輪に京都が世界にどう文化発信していくかが重要だと考えている。東京五輪後の次のステージをにらみ、2020年を布石に文化の継承を大事にしていることを京都から世界に向けて発信して欲しい。
  • 産業は展望できないが、唯一展望できる分野は文化であり、政治は変わっても文化は継承していくものである。文化はものに宿り、職人のワザに通じる。こうした日本人のものの考え方をポスト東京五輪に世界に発信して欲しい。
  • 2020年に「文化のオリンピック」を京都で開催し、ポスト東京五輪に文化を中核にした祭典を開催していく意義は大きい。
  • 東京で五輪、名古屋で万博、次は関西の順番である。文化のステージを上げる役割を京都が担うべきである。
  • 「文化首都・京都」は誰もが認めている。京都が先頭に立ち動かないと、関西は動かないだろう。
  • 「文化首都・京都」は海外からもわかりやすいネーミングである。2020年に向けて、もっと「文化首都・京都」を打ち出してもよい。
  • 産業は商いではなく、産み出す産地であることをアピールしたい。例えば、東京を軸にした場合、海外から見て金沢と京都の区別はつくのか。こうした区別がつくように仕掛けていくことが重要であり、お祭りばかりではなく、ベースとなる人材と文化産業の育成を行っていくべきである。
  • 具体的な展開に至っていない「府民文化デー」(仮称)については、2020京都文化フェア(仮称)と合わせて、検討してもよいのではないか。

お問い合わせ

文化生活部文化政策室

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4223

bunsei@pref.kyoto.lg.jp