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【綾部】株式会社アカツキ製作所

取材者:舞鶴高専機械工学科4年 稲川由龍

 

家を建てたり機械を据え付けたりする際に、傾いていないかを調べる水平器。液体の中に空気(気泡)を封入した気泡管を、用途に応じて様々な容器に納めた水平器を(国産の水平器として)日本で一番初めに作り、今もトップメーカーとして成長し続けている株式会社アカツキ製作所を訪ね、小寺建樹社長にお話を伺いました。

小寺社長(左)、稲川さん

海外でも活躍する「職人さんの専門道具」

アカツキ製作所の水平器

Q:日常生活では、あまり見かけない道具ですが、水平器は社会にとってどのような存在なのでしょう。

A:そうですね、身近な生活の中でそれほど使うものではありませんね。職人さんの道具、専門道具です。

もし仮に、この世界に水平器がなければ、世の中のあらゆるものが建っていないと思います。水平器は建設機械に多く使用されていて、株式会社アカツキ製作所の水平器は海外の建設現場でも活躍しているんですよ。

 

Q:水平器を作る上で大事にしていることは何ですか?

A:「測定器」ですから品質と精度が大事です。株式会社アカツキ製作所のロゴである「KOD」が付いていれば、間違いがない。高い精度で当然だと思われるようにしたい。そのためにプライドや責任感があります。

信頼性を確保するため、製品完成後の検査だけは機械に頼らず人の手で行っています。人の目で1回だけでなく2回確認して、求められる精度になっているかを確認します。

工場を案内する小寺社長

お客様の要望に応えたオンリーワン製品に強み

Q:株式会社アカツキ製作所の水平器の特徴は何ですか?

A:カタログに多様な製品を載せていますが、実はカタログに載っていない、お客様それぞれの要望に応えたオンリーワンの製品の方が多いです。長年蓄積してきたノウハウ、知識、経験が豊富なので、お客様の要望を聞き出し、そのお客様のための製品を作り出せるのが強みです。

金型から自社で作っていて、全体の98%は内製化しているため柔軟な対応が可能なので、小ロットの製作にも対応できます。また、ここ2年で設備投資をして自動化が進みました。

小寺社長から説明を受ける稲川さん

 

Q:いま会社で力を入れていることは何ですか?

A:人事評価を見直しています。現在、株式会社アカツキ製作所には48人の従業員がおり、平均年齢は39歳です。いま頑張っている人は、頑張っているだけ評価できるよう、人事の仕組みや体制の見直しに力を入れています。有休に関しては時間有休を導入したり、働きやすい環境づくりにも力を入れています。またコロナ禍でも、対象者には特別有休の制度を設けるなどして、柔軟に対応することができました。

必要としている人の役に立つ喜び

Q:この仕事のやりがいを教えて下さい。

A:自分たちが作ったものが世のため人のためになっていることです。必要としている人の役に立つ喜び。これはものづくり精神の根幹です。

 

Q:求める人物像は何ですか?

A:まじめな人です。まじめな人でなければ必要ないとさえ言えます。会社の仕事はチームでするものだからです。どんなにスキルを持った人でも、嘘をつく人はいずれボロが出てしまう。まじめな人は時間と経験を積んでいけば仕事ができるようになります。

 

Q:小寺社長が思う学生時代にやっておいたほうが良いことは何ですか?

A:スポーツをやっておいたほうが良いと思います。人を思う気持ち、人との関係を作る方法、チームワークの活かし方など、スポーツを通してさまざまな能力を養うことができます。会社はスター選手一人で回るものではなく、チームワークが欠かせません。コミュニケーションをとることが重要です。

 

Q:高校生、高専生、大学生に一言お願いします。

A:今のご時世、コロナ禍の影響で、本来なら経験できたであろういろんな機会を失ったと思います。そんなときこそ、自分を見失わないことが大切です。投げやりになって、夢を諦めてはいけません。必ずいつかは報われます。だから夢を諦めないでいつまでも追いかけ続けてほしいです。

学生にエールを送る小寺社長

世界一の水平器メーカーに

Q:小寺社長の夢は何ですか?

A:小さい夢でいうと、自分の子どもと一緒に株式会社アカツキ製作所で仕事をしたいです。

大きな夢は、株式会社アカツキ製作所を世界一の水平器メーカーにすることです。私たちは狂わない水平器を目指して頑張っています。そのために改善すべきことはたくさんあるので、一つ一つクリアしていきます。

狂わない水平器を目指して

 

多角化も目指しています。最近は水平器製作だけではなく、プラスチック金型の受託も行っています。その他では、3密対策のためにCO2濃度測定機械の作成も行っています。

また、綾部市の西町にアウトドアショップも経営しています。綾部市は自然が近くにたくさんあるので、自然と人をつなぐことを目的にやっています。現在は卸売りしかしていませんが、いずれは綾部市の他のものづくり企業とも協力して、綾部初のアウトドアブランドを設立できるように頑張ります。

 

株式会社アカツキ製作所

綾部市井倉新町石風呂53番地

電話0773-42-1001

https://www.kod-level.co.jp/(外部リンク)

 

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