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たんたんで働く【福知山】「みんな一緒じゃなくてもいいんじゃないかな、と思うんです。」福知山ワンダーマーケット・美作歩さん

 
この記事は2018年3月13日、WEBサイト「わかもん 京都でつながる!動きだす!」(https://wakamon.link/)で公開したものです。

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▲右に写るのが、今回インタビューをさせていただいた美作歩さん。

今回は「福知山ワンダーマーケット」の代表を務める、美作歩(みまさか あゆみ)さんにお話を伺いました。

 

福知山ワンダーマーケット代表/美作歩さん:京都市生まれ。大阪府茨木市にある梅花女子短期大学(現:梅花女子大学)の英語科に通ったのち、様々な仕事を経て結婚とともに綾部市に移住。福知山まちづくり会社に勤務していたことをきっかけに、「福知山ワンダーマーケット」を考案。現在は、ショップの販売員として働きながら、同企画の運営に携わっている。

毎月第4日曜日に開催する「福知山ワンダーマーケット」とは?

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2016年10月に、第1回目を開催した「福知山ワンダーマーケット(外部リンク)」(以下、ワンダーマーケット)。当日は、およそ330メートルのアーケードの下に、バラエティ豊かなお店が50店舗近く並びます。

「福知山のまちを楽しみたい!」というメンバーが有志で集まり、企画がはじまったワンダーマーケット。

実行委員は、大学生や農家、会社員、カフェの店主、大学教授、市役所職員など幅広く、福知山出身者も移住者も、みんながひとつのチームになって運営しています。

自分たちの「あったらいいな」からはじまった、ワンダーマーケット。

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結婚をする前は、京都市に住んでいた美作さん。

京都市内ではマルシェや手づくり市があちらこちらで開催されており、よく足を運んでいたそう。綾部市に移住してからも、そういったイベントが身近にあったらいいな〜とずっと思っていたのだとか。そんな美作さんに、移住してからワンダーマーケットを企画するに至った背景を伺いました。

-よろしくお願いします。まずはじめに、ワンダーマーケットはどういった経緯で誕生したのですか?

美作さん(以下、敬称略):はじめは前職の「福知山まちづくり株式会社(※2)」の上司である、庄田さんという方と「福知山に新しいお店が生まれるような、おもしろいことがしたいね。」と話していたんです。当時は、活用できる空き家や空き店舗を探す事業を担当していたのですが、まちの発展を考えたときに、何か次の一手を打つことはできないかなぁと思っていました。

庄田さんと一緒に、DIYで空き家をリノベーションするワークショップを開催したこともあったんです。みんなで壁を貼ったり、漆喰を塗ったりして。企画としては楽しかったんですけど、なかなか空き店舗の活用にはつながりませんでした。そこで、もっと若い人たちが新規出店に興味をもってくれるような動線をつくることが必要だと考えました。

そんな時に、庄田さんと空き店舗のリサーチで訪れた新町商店街の雰囲気がすごく良くて「ここで何かやろう!」となったんです。

(※2)福知山まちづくり株式会社・・福知山パーキング事業、広小路商店街テナントミックス事業、ゆらのガーデンの運営管理等を行うまちづくり会社。

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▲ワンダーマーケット当日の様子。キッズコーナーは大学生が中心となって企画。

 

-新町商店街、わたしも好きです。ワンダーマーケットの雰囲気とすごく合っていますね。

美作:そうなんですよ! 看板ひとつにしても、すごくレトロでかわいくて。福知山市内の他の場所も検討していたのですが、やっぱり新町商店街ならではの個性が活かせるこの場所がいいなと思いました。

-福知山まちづくり会社に入った当初から、この企画を考えておられたんですか。

美作:いいえ(笑)。採用面接の際に「何か福知山でやってみたいことはありますか?」と聞かれて、「手づくり市があったらいいな」と話しました。ですが、当時はどちらかというと参加者目線で話していたので、まさかこんな風に自分がワンダーマーケットを企画するとは思っていなかったです。

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▲ワンダーマーケット開催時には、店先でワゴンセールを行う既存の店舗も。

 

-新しいことを企画するにあたって、地域の方々や商店街の反応はどうでしたか?

美作:最初から「よし、やりましょう!」という人は、正直なところ少なかったです。はじめての試みだったので、事故が起こらないか、自分たちの暮らしに影響はないか、不安があるのは当然ですからね。なので、自分たちも自信をもって「大丈夫です」と言えるように運営体制を整えていきました。

現在は、地元や商店街の方々にも協力してもらいながら開催しています。商店街内に住んでいる方には毎月開催ごとに車の移動をお願いしているのですが、快く引き受けてくださるのでありがたいです。

 

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▲新規出店者には「起業応援ブース」という紙が貼られます。出店料はなんと1,000円!

 

-ワンダーマーケットの出店者には、どのような人がおられますか?

美作:地元や京都府北部の方もいれば、京都市や他府県から応募してくれる方もいます。基本的には応募形式なので、季節や業種のバランスを見ながら実行委員会で調整しています。実行委員にも自営業の方がいるので、合わせて出店していることもありますよ。

-いろんな広がりを感じますね。

美作:そうですね。出店者やお客さんとのコミュニケーションも楽しくて。あとは、実行委員自身もワンダーマーケットでのお買い物を楽しんでいる気がするんです。わたしが一番そうかもしれません(笑)。当日の朝、準備をしながら「よし、今日は買うぞ〜」ってワクワクするんです。

ほかにも、毎月のワンダーマーケットを楽しみにしてくれている地元の方もいるんですよ。こういう場があることで近所で暮らす高齢者にも、いつもの新町商店街に “おしゃれをして出かける日” と思ってもらえているみたいです。こういった地域の方々の反応は何よりも嬉しいですね。

-嬉しいですね! ワンダーマーケットの今後の展開についてお聞かせください。

美作:今後のアイデアとしては、少しずつ運営資金を貯めながら「福知山ワンダーマーケット」として派生できることに投資したいと思っています。例えば、スペースを借りてレンタルキッチンやイベントスペースをつくるようなこと。以前から、ワンダーマーケットに出店してみたいけど営業許可の関係で出店できない方や、「福知山のお土産をつくりたい!」と言っている方のチャレンジにつながるような場所があったらいいなと思っていて。

こんな風に改めて振り返ると、はじめられたタイミングがよかったのかな。ワンダーマーケットは、「福知山のまちを楽しみたい!」という共通認識をもっているメンバーが集まったからこそできる取り組みなので、それぞれが自分のやりたいことと掛け合わせながら今後も続けていきたいです。

やりたいことがわからないなら、ゆっくり決めたらいいと思う。

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▲ワンダーマーケット当日の様子。会場は笑顔であふれていました。

 

大阪の短大へ通っていた美作さん。学生時はアルバイトをして、友達と遊んで、とにかく好きなことをしていたそう。

「当時は、暮らしていくためにはお金も大事だけど、就職活動はみんな同じ時期にしなくていいのでは? と思っていました。自分がやりたいことは何か、バイトでもしながらゆっくり考えたらいいんじゃないかなって。わたしは、どちらかというと職を転々としてきた方なので、大学生のみなさんの参考になるかはわからないけどね。」(美作さん)

「それにしても、履歴書に書くのが面倒になるほどいろいろやってきましたよ〜(笑)」とお話は続きます。

例えば、グルメ情報誌をつくる会社に就職したり、「スノーボードがしたい!」と雪山で住み込みのバイトをしたり、音楽が好きだからCD屋さんで働いたり。

町家ギャラリーを運営する仕事をしていた頃は、ホームページが世の中に広がりはじめた時期。独学でホームページやWEBショップをつくったり、デザインをしたり、ワークショップを企画したりと幅広い業務をこなしていました。

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▲ワンダーマーケットの前日、新町商店街に化粧品店を構える公庄(ぐじょう)さんと立ち話をする美作さん。

 

福知山まちづくり株式会社で、はじめて「まちづくり」の仕事に関わった時のこと。この業界は、これまでいろんなところで培ってきたスキルを全て使う仕事だと感じたのだとか。

まちに、“こんなものがあったらいいのでは?” と思った時に、自分の手を動かせるのが美作さんの強み。経験の数だけ幅広く提案できます。ちなみに、ワンダーマーケットのロゴやチラシも美作さんがつくったそうですよ。

「なかには合わないなと思う仕事もあったけど、やってみないとわからないですよね。ひとつの仕事を長く続けてきたわけではなかったので、ある意味わたしはいい加減にやってきたと思うんです。ただ、あまり考えすぎずになんとなく『やってみよう』とやってきたことが、結果としてワンダーマーケットの開催につながっているのを感じます。」(美作さん)

「若い」って、それだけでとってもステキなこと。何だってできるはずだから!

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-美作さんは学生の頃、どのように「就活」をしていましたか?

美作:友達の見よう見まねで、集団面接にとりあえず行ってみた・・という感じでしたね(笑)。

-なるほど。

美作:「就活」は世の中の流れとしても当たり前だったのですが、どこか他人事に感じていた部分があって。本当に働きたい企業ならわかるけど、そうではないのに面接に来ている学生や、面接で決まり文句しか言わない学生に違和感を感じていました。

受かるための言葉を並べた面接って、全然「その人」じゃない。自分が面接官だったら興味をもたないと思うんです。周りの目を気にすることも大事だし、自分だけ就職先が決まっていないのは少し焦るかもしれない。でも、みんな一緒じゃなくてもいいんじゃないかな。

面接なんて、だめなときはだめ! はじめは受け入れられないかもしれないけど、面接官の好みもあるだろうし、相手に合わせ出したらキリがないと思いますよ。落ちたからといって、この世の終わりではないと思うので。

-世の中には働く人の数だけ、いろんな「仕事」や「会社」がありますもんね。

美作:今の若者たちがどのくらい感じているかわからないけど、「若い」って本当にステキなこと! やっぱり、若い人いいな〜って思うから。何でもできるんだから、とにかくみんないろいろやってみたらいいんじゃないかな。そうすることで、自分のやりたいことが自然に絞られていくと思いますよ。

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-胸を張って自分のことを「若者」って言えるのはきっと、今この瞬間だけですからね。

美作:今の若い人たちを見ていて、落ち着いているな〜と感心することはあります。でも、同時に「安定」ばっかり考えているともったいないよ! とも思うんです。何をもって「安定」と言えるのかわからないけど、もっと気軽にいろんなことにチャレンジしてみたらいいんじゃないかな。

-収入面や精神面など「安定」にもいろいろありますもんね。それでは最後になりましたが、美作さんにとって「働く」とはどういうことでしょうか?

美作:「働く」とは、“楽しく暮らすためにすること” だと思っています。ほしいもの買うために「働く」、海外へ行くために「働く」、仕事を通して誰かの笑顔が見たいから「働く」。そういったそれぞれの楽しみのために働くんじゃないかなぁ。もちろん生活のためのお金を稼ぐことは大前提だけどね。

好きなことを仕事にできる人もいれば、そうじゃない人もいる。ただ、好きなことを仕事にできたら、仕事も楽しみのひとつになるんじゃないかな。これ、いい質問だね。きっとみんな表現が違うと思うから、いろんな人に聞いてみるのもおもしろそう。100人に聞けば100通りの「働く」があるはずだから。 

-美作さん、今日はお話を伺えて嬉しかったです。ありがとうございました!

 

働くこと、暮らすこと。

その答えは決してひとつではないと感じることができた、「たんたんで働く」インタビュー。

この先輩にお話を聞いてみたいな! と思った方はぜひ、京都府北部にも足を運んでみてくださいね。その地域で働く人や暮らす人からお話を聞くことで、自分ひとりでは描ききれない「未来」の輪郭がカタチづくられていくのかもしれません。

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました!

 

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