

ヒトのカラダは、大人で60兆個というとてつもなくたくさんの細胞でできています。そのうち、毎日なんと6000億個(60兆個の1/100)の細胞が入れ替わっているのです。この新しくつくられる細胞の中で、毎日およそ5000個に異常が発生しているといわれています。
異常な細胞は、元々持っている仕組みによって修復したり、免疫のはたらきによって、やっつけられたりします。しかし、修理できず、生き残り、免疫でも退治できないとがん細胞は自然に死ぬことはなくなって、勝手にどんどん増えていきます。
そして、数十年という長い年月をかけてカタマリになります。これが病気のがんです。


がん細胞は、最初のころは穏やかに、ゆっくり成長して 自覚症状はありません。しかし、この頃のがんは小さくて見つけにくく、検査で見つけられるのはおよそ1cm位になった時です。できる場所にもよりますが、 この大きさになるのに10~20年かかるといわれています。ところが、1cmを過ぎた頃から急に大きくなりはじめ、しだいに周りの組織に侵入して悪い影響 を与えるようになります。さらに進行するとがん細胞の一部が血液などに混じって移動し、カラダの他の場所にも棲みついて増え始めます。がんはヒトが生きるために必要な酸素や栄養を周りの正常な組織から奪うなど、カラダにとても悪い影響を与えて、最悪の場合は死につながるのです。


食事はかたよらず、バランス良く
1 日3 食、規則正しく食べましょう。主食・主菜・副菜をそろえ、乳製品・鉄分・食物繊維をしっかりとりましょう。さらに好き嫌いしないことやバランスよく食べること、食べすぎないことが大切です。
適切な休養や睡眠をとる
疲労やストレスがたまると、抵抗力が低下し、さまざまな健康障害につながります。意識的に休養をとり、生活リズムに合わせて決まった時間帯に眠りましょう。
塩分は控えめに
カラダにとって塩分は必要で、不足すると生命に危険が及びます。しかし、取り過ぎはがんだけでなくいろんな病気の原因にもなります。塩分は、1日8g未満をめやすにしましょう。日本人の場合、好んで食べられる食品に多く含まれており、とり過ぎが問題になっています。
適度な運動と体重維持
子どもの頃から運動の習慣をつけて、大人になっても運動を続けましょう。毎日、合計60分間は歩く、そして週1 回は汗をかくような運動をして太り(痩せ) すぎないことが大切だといわれています。
その他、お酒はほどほどに
未成年は、お酒は飲めませんが、大人になってもお酒は1 日当たりの適量を守り、飲み過ぎないようにすることが大切です。


たばこは吸わない
たばこを吸う人は吸わない人に比べて、男性は約5 倍・女性は約4 倍、肺がんにかかりやすくなります。
たばこの煙は最悪
たばこの煙には、50 種類以上の発がん物質が含まれているといわれています。たばこの煙は、肺だけでなく、喉や食道などにもがんをできやすくします。
たばこの煙を吸わない(受動喫煙を避ける)
自分はたばこを吸わなくても他の人が吸ったたばこの煙を吸うと、体に悪い影響があります。とくに、火のついているたばこから出る煙(副流煙)に有害物質がより多く含まれています。ふだんからたばこの煙を避けることを心がけることが自分の健康を守ることの第一歩です。
禁煙のススメ
たばこを吸っている人が禁煙を実践し始めてから、その期間が長くなればなるほどたばこを吸わない人と同じ健康状態に近づきます。大切な身近な人に禁煙を勧めてあげましょう。


ウイルスや細菌が原因するがん
上の図のようにウイルスや細菌に感染することで、がん細胞ができることがあります。しかし、近年、ウイルスの治療等やピロリ菌の除菌によって、すべてではありませんが予防することができるようになりました。
がんを防ぐための新12か条
- 1条
- たばこは吸わない
- 2条
- 他人のたばこの煙をできるだけ避ける
- 3条
- お酒はほどほどに
- 4条
- バランスのとれた食生活を
- 5条
- 塩辛い食品は控えめに
- 6条
- 野菜や果物は不足にならないように
- 7条
- 適度に運動
- 8条
- 適切な体重維持
- 9条
- ウイルスや細菌の感染予防と治療
- 10条
- 定期的ながん検診を
- 11条
- 身体の異常に気がついたら、すぐに受診を
- 12条
- 正しいがん情報でがんを知ることから