中丹広域振興局

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木を使うこと

木の良いところ

『炭素の貯蔵庫』

樹木は光合成によって大気中の二酸化炭素を葉から吸収して幹に固定します。木がたくさん集まってできている森林はまさに「炭素の貯蔵庫」。木が腐ったり、木を燃やしたりすると、この二酸化炭素は再び大気中へと放出されてしまいます。でも、木材として利用している間は二酸化炭素を閉じこめ続けることができるんです。
そこで、街に木の家をたくさん建てれば、木の家は森林と同じように二酸化炭素を蓄えつづける役割を果たすことになります。木の家のある街はもうひとつの森林なんですね。

『植える→育てる→収穫する』

石油や金属などの資源は、今の勢いで使い続けると、そう遠くない未来に底をついてしまうといわれています。こうした資源は、地球が何億年もかけて作り上げたものですから、一度枯渇してしまうとすぐには再生することができません。
でも、森林の場合は木材として伐って使っても、その後また人の手で木を植えて育てることができますよね。木材として使う量と、森林の生長する量のバランスがきちんととれていれば、木材は永久的に活用し続けることができるんです。

木材は、地球上で数少ない「再生可能な資源」です。

『環境にやさしいエコマテリアル』

ものを作るときは、熱や電気などエネルギーを使うため、少なからず二酸化炭素を放出します。たとえば、1立方メートルの木材(天然乾燥)を作るために放出される炭素量は約15キログラム、人工乾燥であれば機械で加熱するためのエネルギーが必要となるので、その約2倍の炭素が放出されることになります。
ところが、これに対して、鋼材は約5,300キログラム、アルミニウムなら約22,000キログラムと、桁違いの量の炭素が放出されることになるのです。木材は、環境への負荷が少ないエコマテリアルです。

人工乾燥した木材と比べて、鋼材はエネルギー消費量83倍、二酸化炭素放出量53倍。アルミニウムはエネルギー消費量343倍、二酸化炭素放出量220倍。コンクリートはエネルギー消費量1.5倍、二酸化炭素放出量1.2倍。

『健康な暮らしにうれしい木材』

「木は健康にいい」ってよくいいますね。
でも実際のところ、どんな風にいいの?

あったかい

木材は熱を伝えにくい性質をしています。熱を伝えにくいということは、体の体温も奪われにくいということ。だから、さわるとあったかい感じがするんです。

やわらかい

木はたくさんの細胞が集まってできています。その小さな空隙がクッションのはたらきをして衝撃を吸収します。コンクリートなどに比べて、木の床は転んでもケガをしにくいといえます。

呼吸する

木材は湿度が高いときは空気中の水分を吸収し、乾燥してくると木材中の水分を吐き出して、部屋の中の湿度を一定に保つはたらきをします。木材が縮んだり曲がったりして「くるう」のも実はこのせいで、木材が生きた素材であることの証明なんです。

目にやさしい

木材の表面は細胞空隙の微細な凹凸が光を乱反射して、特有の色と光沢をしています。木材の色、光沢、自然な木目模様は、見る人の情緒を落ちつかせ、リラックスさせるはたらきがあります。さらに、有害な紫外線を吸収するため目にやさしいといわれます。

防カビ・防ダニ

ヒノキなど、香りの強い木材は、その香り成分にダニやカビを防ぐはたらきがあるといわれます。また、木の香りには人をリラックスさせるはたらきもあります。

地域の木をつかうこと

皆さんのお家の柱や床や家具に使われている木がどこからきたのか考えたことはありますか?
実は、今から20年程以前は、日本で使われている木材のうち、外国産が約80%を超えていましたが、少しずつ国内産が増加し、今では国内産の割合が38%にまで回復しています。(木材自給率の動向:木材供給量及び木材自給率の推移)(外部リンク)(林野庁のホームページへリンク)

 

世界の熱帯林などの森林では、成長する以上の勢いで木がどんどん伐られてしまって、森林面積の減少が問題になっています。そこで、近年では、ちゃんと森林を維持しながら林業を行うところへは、そこから生産される木材にマークをつける認証制度なども行われています。
さて、そういうところの木材なら、どんどん輸入して使うべきでしょうか?

一方で日本では、国内の木が使われなくなって、たくさんの人工の山が手入れされず放置されていることが問題になっています。放置された森林は、折れたり倒れたりして荒れて、見た目が悪くなるばかりか、いずれ山崩れなどの原因になるおそれがあります。
このように、自分の国の木を使わずに、外国からどんどん輸入して使うのは良いことでしょうか?

木材の良いところのひとつは、生産に必要なエネルギーが少ないことです。けれど、輸送にも船やトラックの燃料など、エネルギーが必要です。この輸送に必要なエネルギーは、運ぶ距離が長ければ長いほど大きくなります。遠い外国から木を運ぶということは、それだけエネルギーを使って、二酸化炭素を排出しているということ。
これって本当に環境にいいのでしょうか?

遠くの木より近くの木を使いましょう

輸送のエネルギーが小さくてすめばそれだけ環境への負荷は小さくてすみます。木のエコマテリアルとしての利点をさらに活かすことができるのです。

それだけじゃありません、もっと日本の木が使われるようになれば、多くの人が山を見直し、山の手入れをするようになるでしょう。そうすれば放置されて荒れた山も豊かな森林へとよみがえります。手入れされた豊かな森林は、水をたっぷり保つはたらきや、土砂が流れ出すのを防ぐはたらき、たくさんの生物のすみかとなるなど、多くの恩恵をわたしたちにもたらしてくれるのです。

地域の木を使うことは、それによって地域の山を良くすることにつながります。そして、近くの山が良くなることは、その近くに住んでいる私たちの生活が良くなることにつながります。
地域の山に目を向けてみませんか?そして、木を、特に地域の木を、もっと暮らしに使ってみませんか?

作ってみよう、木工作品!

木工は手軽に木材に親しめる第1歩。ぜひ地域の木をつかってチャレンジしてみて下さい。


地元産のスギ板を切って組み立てて…


作品完成!

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