地域脱炭素・京都コンソーシアム > 中小企業における排出量削減に向けた優良事例 > 毘双運輸株式会社(京都市伏見区)
更新日:2025年12月8日
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【事業内容】一般貨物自動車運送事業
企業HP:https://bisouexpress.com/(外部リンク)
【京都ゼロカーボン・フレームワーク計画及び実績】
基準年度の排出量:評価の対象となる排出の量5,198.9トン
計画(令和6年度):評価の対象となる排出の量5,095.1トン(-2.0%)
実績(令和6年度):評価の対象となる排出の量4,426.1トン(-14.9%)
【取得認証】Gマーク認定※・中小企業版SBT認定
※Gマーク認証:公益財団法人日本トラック協会が実施する「貨物自動車運送事業安全性評価事業(Gマーク制度)」のことです。これは、トラック運送事業者の安全性を評価し、基準をクリアした優良な事業者を「安全性優良事業所」として認定し、そのシンボルとしてGマークを与える制度です

5年前に本社営業所を建替えた際、LED照明や人感センサーの導入、太陽光発電設備と蓄電池の設置など、エネルギー削減の取り組みを進めました。
また、脱炭素は世界の大きな流れであり、年々厳しくなる夏の暑さに接するたび、子どもたちが将来安心して働ける環境が守れるのかという不安も感じていました。
燃料を使用する業界だからこそ、CO₂削減には真剣に向き合いたいと考えていました。
あわせて、当社では国際的な基準であるSBT認証を取得し、科学的根拠に基づく削減目標の達成をめざしています。

本社営業所屋根の太陽光発電設備
金融機関のご担当者様からご提案を受けたことがきっかけです。もともと脱炭素に関する話題を日頃からご担当者様と共有していたため、当社の関心事項を覚えてくださっていたのだと思います。
京都ゼロカーボン・フレームワークを活用することで、報告書を作成する機会ができ、取り組み状況を定期的に確認できる点もメリットでした。
金融機関からの提案もあり、まずは国土交通省のガイドラインを参考にエコドライブに取り組みました。
当社では車両ごとにデジタルタコグラフを搭載しているため、ドライバーごとのアイドリング時間を分析できます。さらに、ドライバーへのヒアリングもあわせて行い、業務に合わせた改善に取り組んでいます。
「2024年問題」による働き方の見直しで、ドライバーの運行時間を効率化する必要が出てきました。
その結果、無駄な回送(空車で戻る運行)を減らし、より効率的な輸送計画を進めたことで、燃料使用量の削減につながったと考えています。
あわせて、社内における推進体制を構築するため、アイドリングストップをしやすい時期(熱中症リスクの少ない春先等)にドライバーあてにアイドリングストップの啓発を実施するとともに、管理職向けにはSBTの内容について研修を行いました。
そういった取組を通じて、社員向けにも会社の脱炭素化に向けた姿勢を示していきたいと考えています。
また、アイドリングによる燃料消費を抑えるため、リチウムイオン電池で作動する「パーキングクーラー」を順次導入しています。
これは連続8時間稼働でき、停車中にエンジンを切っていても冷暖房が使用できるため、大きな省エネ効果があります。

「パーキングクーラー」用のリチウムイオン電池
以前からCO₂排出量削減の取り組みを行っていたため、資金調達の選択肢として非常に相性が良かったと感じています。
また学生や若い世代はSDGsへの関心が高い印象がありますので、採用ホームページにおいても、SBT取得について掲載しています。当社の取り組みが、会社の魅力として伝われば嬉しく思います。
物流業界は、「運ぶ責任」に加え、「環境と向き合う責任」が求められる時代になっています。とくにトラック輸送のCO₂排出量削減は企業の信用にも直結する重要課題です。
今後は、全車両へのパーキングクーラー導入を進めるほか、将来的に技術が進めばFCV(燃料電池車)やEV(電気自動車)の導入も検討したいと考えています。
脱炭素経営を続けることで、プライム企業との取引拡大など、事業の成長にもつなげたいと考えています。
(取材日:令和7年11月10日)
京都府では、地域金融機関等とともにESG投融資を促進し、府内企業の脱炭素化を支援する全国初の仕組み「京都ゼロカーボン・フレームワーク」を構築しました。
<本フレームワークの特徴>
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