大正15(1926)年11月に白川村(左京区北白川)の瓜生倶楽部で開催された京都史蹟会の例会で小西大東が行った講演の記録と、昭和2(1927)年3月に知恩院において営まれた物故会員諸霊追悼法会について記し、法会の席上で頒布された冊子です。 小西大東の講演は、白川の地に、江戸時代初期に活躍した豪商茶屋四郎次郎の別荘があったことから、その史蹟を見学し、現地講座として茶屋に因んだ話をしたものです。 ところで、この講演録には、「御大礼を予期して」という、大東の文章が付記されています。ここでは、近々、昭和の大礼が京都の地で執り行われることを予期して、史蹟会が創立された当時、つまり大正大礼をひかえた頃を振り返り、大礼挙行地という人心が、史蹟顕彰、先賢顕彰を標榜する史蹟会の設立に至らしめたことを挙げて、再びめぐってきた一大行事に向けて、史蹟会の会員を鼓舞する文章が綴られています。 |