百日咳の報告が増加しています(2025年4月)
■百日咳とは?
- 百日咳は、百日咳菌(Bordetellapertussis)による感染症です。
- 主に咳・くしゃみ・会話などにより生じた飛沫や、接触により感染します。
- 潜伏期間は7~20日です。
- 症状としては、初めに風邪症状がでた後に、持続的な咳が出ます。発熱はないか、あっても微熱程度です。激しい咳は次第に減り、症状が出始めてから2~3カ月で回復します。
- 治療は、抗菌薬や咳症状に対する薬で行います。
- 1歳以下の乳児、特に生後6か月以下では無呼吸発作など重症化し、まれに死に至ることもあります。
■京都府内の状況は?

- 京都府内の百日咳報告数は、2019年に増加した後、2020年以降低く推移しましたが、2023年に再び増加に転じ、2025年は3月30日までで累計107件と、すでに前年の報告数を上回っています。
- 2025年は、特に3月24日から3月30日まで1週間で20件報告があり、全ての患者を把握するようになった2018年以降、1週間当たりの報告数として最多となっています。
- 年齢群別にみると、7~12歳の報告数が多いです。


■気を付けることは?
- 百日咳は、予防接種法に基づく定期接種が行われています。ワクチン未接種もしくは3回接種が完了していな6か月未満の乳児で重症化しやすいため、生後2か月を迎えたら速やかに5種混合ワクチンを接種しましょう。
- 咳エチケットと手洗いを心がけましょう。
- 学校保健安全法で、百日咳は学校において予防すべき感染症とされており、特有の咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌薬による治療が終了するまでは出席停止となります。
- 抗菌薬が効かない、または効きにくくなる百日咳菌の検出が国内で確認されており、注意が必要です。※
(※小児感染症学会予防接種・感染症対策委員会「百日咳患者数の増加およびマクロライド耐性株の分離頻度増加について」)