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更新日:2025年7月31日

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京都府南部で初めてSFTSの報告がありました!(2025年7月31日)

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、病原体を持ったマダニに刺されることでヒトに感染する感染症です。2025年7月に、感染したと推定される地域が京都府南部(宇治田原町)であるSFTSの報告がありました。京都府南部の報告はこれまでで初めてですので、南部地域でもマダニに刺されないよう、注意が必要です

SFTSとは

  • 原因となる病原体はSFTSウイルスで、このウイルスをもつマダニに刺されることで感染します。ネコやイヌなどの動物もSFTSを発症し、ヒトに感染させることもあります。
  • 潜伏期間は6~14日で、発熱,倦怠感,頭痛などの症状で発症することが多く、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状が認められることが多いです。2013~2017年に実施された国内の調査1)によると、致命率は27%でした。
  • 治療は対症療法が主体となっていますが、2024年6月に新しい抗ウイルス薬が使用可能になり、病状の進行が予期される場合には、使用が検討されます。
  • ワクチンはありません。

1)Kobayashi Y, et al., Emerg Infect Dis 26:692-699, 2020

京都府内の状況は?

  • 京都府ではこれまでに18件の報告があり、毎年1~3件の報告があります。今年の報告数は4件と過去最多となっています。(2025年7月31日時点)
  • 感染地域としては、宮津市が最も多く、北部地域に集中していますが、今年初めて南部(宇治田原町)の報告がありました
  • 発症月としては6月に最も報告数が多く、夏から秋にも報告があります。
  • 年齢中央値は76歳で、60歳以上の報告が多いです。

推移222地域地図2

発症月分布2年齢群別

気を付けることは?

  • マダニに刺されないようにすることが大切です。
  • 特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに刺される危険性が高まります。
  • 草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。
  • マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血しますが、刺されたことに気がつかない場合も多いと言われています。吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が残って化膿したり、マダニの体液を逆流させるおそれがあるので、医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらってください。また、マダニに刺された後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けて下さい。
  • SFTSはイヌやネコにも感染します。2025年6月にも、国内でペットとして飼われているネコがSFTSに感染して死亡する事例が報告されています。また、SFTSを発症している動物との接触により人が感染することもありますので、犬や猫などのペットを飼っている方は注意が必要です。

 

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