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<令和元年第49週>令和元年12月2日〜令和元年12月8日

今週のコメント

令和元年第49週の報告です。
感染性胃腸炎が定点あたり3.91件、インフルエンザは定点あたり6.52件と急増しています。その他の感染症の報告数に大きな変化はありません。インフルエンザ中丹西で21.2件、中丹東で15.13件、京都市左京区で12.00件と注意報レベルとなっています。中丹西でのA群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告は定点あたり5.67件と警報レベルとなっています。水痘京都市左京区で1.25件、南区で2.00件、右京区で3.20件、伏見区で2.14件と警報レベル乙訓で1.50件、中丹西で1.00件と注意報レベルとなっています。伝染性紅斑京都市南区で2.33件と警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核が14件、腸管出血性大腸菌感染症が 3件、A型肝炎侵襲性肺炎球菌感染症が1件、百日咳が2件報告されました。基幹定点からマイコプラズマ肺炎が7件、眼科定点から流行性角結膜炎?が2件報告されました。
多くの疾患が警報、注意報レベルとなっていますが、その中でも水痘の感染が拡大しています。水痘はいわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘帯状疱疹ウイルスの初感染によって引き起こされる発疹性の病気です。例年冬から春にかけて報告が増加します。空気感染、飛沫感染、接触感染により広がり、潜伏期間は感染から2週間程度と言われています。発疹の発現する前から発熱が認められ、典型的な症例では、発疹は紅斑から始まり、水疱、膿疱を経て痂皮化して治癒するとされています。発疹出現後、大体6日間前後は感染性があるとされます。治療は軽症例では対症療法が基本ですが、重症例や重症化のおそれのある場合には、抗ウイルス薬が使用されます。9歳以下での発症が90%以上を占めると言われています。合併症としては、皮疹への細菌感染、熱性痙攣、ウイルス性肺炎、脳炎、無菌性髄膜炎などがあります。成人での水痘も稀に見られますが、成人発症の場合、水痘そのものが重症化する危険が高いと言われています。発症予防に、水痘ワクチン接種が有効です。1回の接種により重症の水痘をほぼ100%予防でき、2回の接種により軽傷の水痘も含めてその発症を予防できると考えられています。平成26年より水痘ワクチンは定期接種となっていますので忘れずに接種しましょう。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核 が 14件 報告されました
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症 が 3件 報告されました
4類感染症 A型肝炎 が 1件 報告されました
5類感染症 侵襲性肺炎球菌感染症 が 1件 、 百日咳 が 2件 報告されました
全数報告一覧へ

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 インフルエンザ 6.52 9.52
2 感染性胃腸炎 3.91 5.92
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.86 3.27
4 水痘 0.90 0.56
5 RSウイルス感染症 0.64 0.50
■京都府の定点当りの報告数の一覧表へ 保健所別年齢階級別

■基幹定点

マイコプラズマ肺炎 が 7件 報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎 が 2件 報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週のインフルエンザ地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
乙訓 28 4.00
山城北 58 3.41
山城南 23 4.60
南丹 53 5.89
中丹西 106 21.20
中丹東 121 15.13
丹後 36 6.00
京都市 396 5.74
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