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<令和3年第49週>令和3年12月6日〜令和3年12月12日

今週のコメント

 令和3年第49週の報告です。
 感染性胃腸炎が定点あたり8.62件と増加しました。手足口病は定点あたり1.66件と減少しました。その他の感染症の報告数に大きな変化はありません。感染性胃腸炎は京都市伏見区乙訓警報レベルとなっています。全数報告対象の感染症は、結核11件、腸管出血性大腸菌感染症が4件報告されました。また、基幹定点の報告はありません。眼科定点では流行性角結膜炎が1件報告されました。

<注目すべき感染症> 梅毒
 新型コロナウイルス感染症は小康状態ですが、12/14に国立感染症研究所が梅毒の感染者数が過去最高であると発表しました。
梅毒報告数

原因
 梅毒は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)という病原体(細菌)による感染症です。未治療の感染者との粘膜や皮膚の接触を伴う性行為で感染します(性感染症)。妊娠中に感染すると胎盤を通じて胎児が感染し、死産や流産、先天梅毒の原因となります。

症状
 感染すると、数週間の潜伏期の後、侵入箇所である性器や肛門、口にしこりやただれができ(T期顕症梅毒)、さらに血行性に拡がり数週から数ヶ月後に全身の皮膚や粘膜に発疹が現れます(U期顕症梅毒)。これらは一旦症状が消えるため治ったと間違われることがあり、発見が遅れることもあります。無治療で放置すると、数年〜数十年後に、心臓、血管、神経の異常が現れることがあります(晩期顕症梅毒)。梅毒は,他の性感染症やHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染リスクを高める可能性があります

検査
 検査は梅毒トレポネーマの検出または血液検査で診断します。検査が陽性化するには感染時から4週間程度かかります。検査が遅れたり、治療せずに放置したりすると脳や心臓に重大な合併症を起こすこともあります。

治療
 ペニシリン系の抗菌薬で治療を行います。自分だけが治療してもパートナーから再感染するので、パートナーも完全に治すことが必要です。

☆梅毒のポイント
 @ 性的行為(オーラルセックスやアナルセックスも含む)によって感染
 A 免疫ができないので何度でも再感染するため、パートナーの検査も一緒に実施することが重要
 B 血液検査で感染の有無を判断
 C ペニシリン系薬による治療が主体
 D 他の性感染症(クラミジア、淋菌、HIVなど)との重複感染

さらに詳しく知りたい方は、下記のページをご覧下さい。

● 性感染症に対する知識をもちましょう!(厚生労働省・性感染症)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/index.html

● 注目すべき感染症「梅毒」国立感染症研究所週報(IDWR)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/syphilis-m-3/syphilis-idwrc/10826-idwrc-2147.html

● 梅毒に関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/qanda2.html


新型コロナウイルス感染症の京都府内での発生状況については こちらをご覧ください


全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核 が 11件報告されました
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症 が 4件報告されました
4類感染症 報告がありません
5類感染症 報告がありません
全数報告一覧へ

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 8.62 6.65
2 手足口病 1.66 1.14
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 0.34 0.68
4 咽頭結膜熱 0.26 0.25
5 ヘルパンギーナ 0.22 0.29
■京都府の定点当りの報告数の一覧表へ 保健所別年齢階級別

■基幹定点

報告がありません

■眼科定点

流行性角結膜炎 が 1件報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週の感染性胃腸炎地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
乙訓 116 29.00
山城北 65 7.22
山城南 7 2.33
南丹 65 13.00
中丹西 5 1.67
中丹東 13 2.60
丹後 3 0.75
京都市 381 8.86
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